昨日、ドイツ銀行の株価がリーマン・ショック時を下回っとるやないか、という記事を書きましたが、今回はその続き。昨日の記事で、世界的に銀行株が下落している、と指摘しましたが、ちょうどよい記事が日経新聞(16/7/7)に出てました。
世界的な銀行株下落によって、三菱UFJ、三井住友、みずほといった日本の銀行株も下落しています。ただしイギリスのEU離脱に揺れる、ヨーロッパの銀行の株の下落が本丸。特に下落率50%以上と1位となったイタリアのモンテ・パスキは、かねてから指摘されていた不良債権問題のお尻に火が付いた格好に。
イギリスのEU離脱問題、銀行問題という思わぬ方向に飛び火しつつあるようです。
概要
株式市場は世界で繋がっている、特に銀行株
銀行株(といってもメガバンククラスの銘柄)は、国内市場だけでなくニューヨーク市場にも上場しているケースも多く、それに金融危機となれば、一人被害なし、ということにはならないので、世界的に株価の動きが連動してるケースが多いです。
昨日、「ドイツ銀行の株価がリーマン・ショック時を下回り危機的状況だった件」を書きながら、色々な銀行の株価を見たりしましたが、世界的に銀行株が結構下がってるわ・・・、と眺めてました。
そして本日(7/7)の日経新聞を読んでいたら、もうドンピシャ、というリストが作成されていたのでご紹介。
下落率1位はモンテ・パスキ(イタリア)
何はともあれ下記リストをご覧ください。(日本経済新聞2016/7/7)
世界の銀行17行の株価の騰落率(6/23のイギリス国民投票前との比較)が記載。
1位は昨日の記事でも指摘した、モンテ・パスキ(イタリア)で▲51.2%。2位はRBS(イギリス)▲36.7%、3位はウニクレディト(イタリア)▲33.3%
以下ヨーロッパの銀行が続きますが、日本勢も三菱UFJ▲15.6%、三井住友FG▲15.6%、みずほFG▲12.5%と続きます。
当サイトに、○○銀行+株価下落、とおいでになる方も多いのですが、安心してください世界的に銀行株は下がってますよ、と最近お姿を見なくなった安村氏っぽく説明できます。
モンテ・パスキの株価
モノは試しで、モンテ・パスキの株価を見てみます。愛用のTradingViewではモンテ・パスキの株価チャートの表示ができないので、ヤフーファイナンスukのanca Monte dei Paschi di Siena S.p.A. (BMPS.MI)チャートを借用。
↑2000年以降
↑直近1年
↑3か月
これらの株価チャート見ると、モンテ・パスキの中身はさておき、マーケットが完全にアラームを鳴らしている状態、というのが分かります。
2007年に100ポイントを超えていた株価が、現在は0.3ポイント以下なんですから・・・。
モンテ・パスキは以前から不良債権を抱えて、各方面から資本不足等を指摘されていました。そして今回のイギリスのEU離脱騒動で、その問題がよりクローズアップされた面が色濃いとは思いますが、イタリア政府としてはモンテ・パスキをどうするのか、結構頭の痛い問題となりつつあります。
日本のメガバンク3行の株価
折角の機会なので、三菱UFJ、みずほ、三井住友の日本のメガバンク3行の株価も併せて見てみます。1年の日足チャートを表示してみました。
(株価チャートは「株羅針盤」を利用)
三菱UFJ-FG(8306)
みずほFG(8411)
三井住友FG(8316)
メガバンク3行の株価は、そろって2月安値を割れるかどうかの瀬戸際にあります。みずほは割れていますが。。。銀行株の今後を心配して当サイトを訪れる方が多くなる訳ですね。
ちなみにメガバンク3行の株価は下記で分析しています。
・三菱UFJ-FG(三菱東京UFJ銀行)株価の今後の見通しと予想
・みずほFG(みずほ銀行)株価の今後の見通しと予想
・三井住友FG(三井住友銀行)株価の今後の見通しと予想
マネックス証券ならニューヨーク市場上場の株が買える
世界的に銀行株が下落していますが、マネックス証券ならニューヨーク市場に上場している株式の購入ができます。
ファンダメンタル分析ができて、逆張り派の方であれば、今はニューヨーク市場に上場している、世界的な優良銀行株を買う好機と映るかもしれません。米国株は他の証券会社でも取り扱いがありますが、取り扱い銘柄数や手数料を考えればマネックス証券の使い勝手が一番優れています。
まとめ
イギリスのEU離脱決定の影響が、銀行株に及んでいるとは、少々驚き。しかしイタリアのモンテ・パスキの問題、今後大きくクローズアップされる予感。日本で言えば、その昔の大和銀行のように、いずれ不良債権問題に抜本的に手をつけなきゃダメだよね・・・、と思っていたものの、なかなか手が出ず様子を見ていたら、ついにお尻に火がついてしまった状態、かもしれません。
ちなみにイタリアというよりEU加盟国は、自国のルールというか都合で銀行救済はできずEUのルールに基づいて銀行救済を行う、というのが原則。ただし、コレをすると直接的な国民負担が発生するので、国民感情としては大変厄介な問題を引き起こします。
イタリアは10月に憲法改正を問う国民投票を控えています。よって、政治的には足元で厄介な問題は勘弁してほしい、というモード。株価的にはお尻に火がついているモンテ・パスキの問題、イタリア政府がどうさばいていくのか、今後各方面から注目が集まりそうです。
イギリスのEU離脱という決定、思わぬ方向にも飛び火しかけていますが、果たして今後どうなっていくのか。非常に興味深い所です。
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