アイモバイルのIPO、成人向けコンテンツが対処すべき課題

 アイモバイル社の上場承認が下り、2016年10月27日に東証マザーズ市場へ上場予定。ブログ運営者にとっては、知る人ぞ知る存在のアイモバイル。売上100億円オーバーで経常利益20億円超えの高収益体質の会社です。

 ただし対処すべき課題として、成人向けコンテンツを取り扱うパートナーサイトを減少するように努めてまいります、との記載が目論見書にあります。主幹事のSBI証券もリスク取ったよなぁ、というアイモバイルのIPO。

 アイモバイルのIPO、見事上場に成功するのか?そしてその初値はどうなる?今後の展開に注目です。

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アイモバイルの事業内容、グーグルの広告が貼れないブログやサイト向けに広告配信

 9月23日に上場承認が下りたアイモバイル。ブログを運営している人にとっては、知る人ぞ知る存在。アイモバイルの事業内容は「アドネットワーク当インターネット広告サービス事業」となっていますが、コレだけでは何している会社か分かりませんね。

 当サイトもそうですが、多くのブログやインターネットサイトには広告が貼ってあります、当サイトの場合「スポンサードリンク」と画像の下に書いてあるのが、それに該当します。ブログ運営者は、広告を張ることによって、ブログを訪問した人がその広告をクリックすると、1クリック数円から数十円の収益を得ることができます。ブログ運営の収益は、この読者の広告クリックによって多くは支えられています(尚、モノの販売やサービス登録から収益を得る、アフィリエイト広告、というのもあります)。

 この広告分野では、グーグルが圧倒的なシェアを有しています。ブログ広告=グーグル、という構図になっている、と言っても過言ではありません。
 ただしグーグルは、広告掲載の審査基準が厳しいことで有名。当サイトは株とか経済の内容で、いわゆるお堅い分野のブログなので問題ありませんが、ごく簡単に言えば、自分の子供に見せられないようなブログやサイト、に対しての広告掲載は殆ど認めていません。ピンク系コンテンツ始め、凶悪事件、タバコや軍事関係、そしてアルコール(ワインと日本酒はOK)、賭博関係(パチンコ含む公営ギャンブルはOK)のサイトはグーグルの広告を張ることができません。仮に一旦貼ることができても、その後警告が来て広告のはく奪がされます。

 ただし上記の分野、非常にアクセスは集まるんです。ピンク系のブログやサイト、そりゃアクセスは集まるよな、というのはもう感覚的に分かるかと。ちなみに、インターネットによるキーワード検索、上位はピンク系の言葉ばっかりです・・・。まぁビデオもDVDもインターネットも普及のきっかけは、そっち系の力が大きかった、というのは有名な話ですね。

 そして前置きが長くなりましたが、ここから先がアイモバイル。
 簡単に言えば、アクセスは取れるけど、グーグルの広告を張れないサイトが張ろうとするのがアイモバイルの広告。
 と言うことは、アイモバイルの広告がどんなサイトに配信されているかと言えば・・・、上記でグーグルがNGを出しているサイト群。当然、グーグルがOKを出しているサイトにアイモバイルの広告も貼れるのですが、広告の収益率=1クリック単価は「グーグル>>>アイモバイル」となっているので、グーグルの広告を張れるサイトが、敢えてアイモバイルの広告を張る理由はありません。

 実はグーグルの広告を張れるサイトが、アイモバイルの広告を張る理由がつい最近まではあったんです。それはグーグルの広告は1ページに3つまで、という決まり。ただしこの決まりは、この夏(2016年)で撤廃されています。グーグルの決まりがあった時代は、1ページの文字数が多いサイトの場合、グーグルの広告+アイモバイルの広告、という利用をすることで、サイトの収益力を底上げできる、ということができました。
 ただしこの利用方法は、グーグルが1ぺージ当たりの広告上限枠を撤廃したことにより、利用する意義が現在は無くなっています。(ちなみにグーグルの広告上限枠撤廃は、ブログ業界にとっては非常に画期的な出来事だったんです)
 
 そんな訳で、上記をまとめると、アイモバイルはグーグルの広告が貼れないブログやサイトに向けて広告配信を行っている、ということになります。グーグルがこの分野で圧倒的な強さを持っているので、その隙間を狙い、それで売上100億円オーバーなんですから、大したもんです。経常利益も20億円超えてますし。
 逆に言えば、いかにグーグルが儲かっているか、という裏返しにもなりますが。

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アイモバイルのサイト

アイモバイル自体が成人向けコンテンツを扱っている訳ではないが・・・

 株式上場(IPO)という観点では、成人向けコンテンツを中心に収益を上げている会社の上場は認められていません(売上ベースで何%まで、という基準があります)。
 アイモバイル自体は広告の配信会社なので、そのままズバリ成人向けコンテンツを扱っている訳ではありませんが、それでも前述の業界構造を知っていると、若干違和感を感じます。

 その違和感、当然アイモバイル側も分かっているようで、目論見書の対処すべき課題の部分に、下記の記述があります。

【対処すべき課題】
(7)パートナーサイトの監視体制の更なる強化
当社グループは広告の不適切な配信を防ぐために、パートナーサイトの品質管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。不正な広告表示、錯誤を誘発する広告表示及び違法なコンテンツを掲載するパートナーサイトについては、常時監視する体制の強化を図ってまいります。また、当社では、独自の審査基準により、成人向けコンテンツを取り扱うパートナーサイトを減少するように努めてまいります。(目論見書22ページ)

アイモバイルの目論見書より

 対処すべき課題として、成人向けコンテンツを取り扱うパートナーサイトの減少、が目論見書に取り上げられています。逆に言えば現段階では、成人向けコンテンツのサイトのお客さんが多数いますよ、と認めています。
 今後アイモバイルがIPOを契機に成人向けコンテンツサイトの減少をどこまで本気で行うか、というのは非常に興味深い所です。本気でやればすぐできますよ、警告のメール1本流すだけですから。けどそれをするとアイモバイルの収益に直接影響があります。成人向けコンテンツサイトの広告の選択肢、アイモバイルだけ、という訳ではありませんので・・・。(nendという広告で代替できます、nendは上場しているアフィリエイト大手のファン・コミュニケーションズが運営)

リスクを取ったSBI証券

 アイモバイルの業績自体は何ら問題がありません。

13/7期売上高5,962百万円、経常利益1,091百万円、当期利益671百万円
14/7期売上高10,007百万円、経常利益1,832百万円、当期利益1,132百万円
15/7期売上高15,063百万円、経常利益2,880百万円、当期利益1,829百万円

 前期の15/7期は売上高150億円で経常利益28億円。立派な数字です、更に2期連続で50億円ベースで増収を続け、経常利益も8~10億円増収。たいしたもんです。

 ただし前述のようにアイモバイルには成人向けコンテンツ問題が存在しており、業績的には立派でも本当にIPOできるのか?=東証が上場を認めるのか?、という懸念が存在します。

 アイモバイルの上場主幹事はネット証券のSBI証券。リスク取ったなぁ、というのが正直な印象。けど上場承認までたどり着いたので、上場実現まであと一歩。SBI証券の主幹事銘柄は、過去に上場承認後に上場申請を自ら取り下げ、という会社もあるので、まだ着地を安心できる状態ではありません・・・。

ふるさと納税の「ふるなび」事業が成長しているのでは?

 アイモバイルの目論見書、部門別の損益が開示されていないので、同社の部門別収益が分かりませんが、同社はふるさと納税のサイト「ふるなび」を運営しています。
 ふるさと納税のサイトのアクセス、実はすごいあるんです。アイモバイルが2期連続増収増益を果たしていますが、「ふるなび」が大きく貢献しているのでは?
 
 ストーリー的には、成人向けコンテンツのサイトに配信している広告も多いですが、足元の業績拡大は「ふるなび」です、というのが一番筋が通る=東京証券取引所に対して説明がつく、と考えられます。これは勝手な想像で、既存事業が抜群に伸びてますよ、というのが結論かもしれませんが。
 ただし、ふるさと納税のサイトは、いずれも抜群に収益力があるそうです。成人向けコンテンツの懸念を排してIPO実現のためのストーリーとしては、ふるさと納税のサービスを押し出すのが、一番分かりやすいのですが、さてどんなもんでしょ。

 この辺り、チャント開示しませんかね。それとも開示できないのか???

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アイモバイルの予想株価は1,240円

 今回は株価にはフォーカスしていませんが、IPOの株価も確認しましょう。目論見書では、アイモバイルの予想株価(想定株価)は1,240円とされています。

 15/7期のEPS(一株当たり当期利益)が101.65円なのでPER12.1倍。16/7期の数字が開示されていない段階ですが、前期ベースのPERで見れば、ネット系企業としては予想株価は抑えられています。
 SBI証券はアイモバイルに対して、リスクを取って公開の指導しているんだから、株価については厳しいですよ、というスタンスではないかと考えられます。

アイモバイルのIPOの幹事団

 アイモバイルのIPOに当たり、幹事団は下記のように構成されています。

SBI証券(主幹事)
・みずほ証券
SMBC日興証券
・エース証券
マネックス証券

 リスクを取ったSBI証券、リスクが報われるまであと一歩です。

 SBI証券(主幹事でSMBC日興証券マネックス証券も副幹事に名前を連ねているため、IPO投資には取り組みやすい銘柄となっています。

まとめ

 正直、アイモバイルが上場と聞いて、マジか?、と思いました。けどここまで儲かっている会社とは思ってもいませんでした。

 成人向けコンテンツで直接的な売上を上げている訳ではないので、よく考えてみればIPOも可能な会社なのですが、それでもアイモバイル+SBI証券はよく東京証券取引所を説得したな、と思います。その辺りは「ふるなび」事業がポイントのような感がありますが、どこかのタイミングで部門別の損益等が開示されれば、その謎が解けると考えます。

 リスクを取ってアイモバイルのIPOを導いてきた主幹事のSBI証券。IPO実現まであと一歩、果たしてアイモバイルの上場は成功するのか、注目です。

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