コメダHD(コメダ珈琲)のIPO、予想株価1,960円は高くないか?

 名古屋では知らぬ者のいない、喫茶チェーン店の、コメダ珈琲(3543:上場するのはコメダHD)がついに上場(IPO)。6月29日に東京証券取引所への上場が予定されています。実はコメダはファンドの子会社としてその筋では有名ですが、ついにIPOでファンドはEXITを迎えることとなります。

 そんなコメダのIPO、株価が安いか高いかとか、業績はどうなの?、という観点で見ると、正直分かりにくいです。その分かりにくさ、一言で言えば国際会計基準ベースで作られた決算書から来ています。別に東京証券取引所は国際会計基準ベースで決算書の開示するのを認めているので何ら問題はありませんが、国内の投資家には非常に分かりにくい状況となっています。

 じゃあモノは試しに国内の基準ベースで決算書をザックリ考えてみるか・・・、とやってみると、コメダのIPO予想株価(想定価格)1,960円というのは、予想PER約36~40倍と推察され、ちょっと株価が高めと考えられます。

 IPO銘柄の中でもファンドのEXIT案件は、他のIPO銘柄と比べるとIPO投資的にはパフォーマンスが落ちる傾向にありますが、コメダのIPO、果たして見事上場して株価は右肩上がりとなるのでしょうか?それとも高めの株価設定とファンドのEXITということを背景に、初値天井となってしまうのか?

 2016年一発目のファンドEXIT系のIPOとなるコメダHD、果たしてどんな結果となるのか、要注目です。

※コメダ珈琲の上場初値は1,867円。1,960円の公募価格を割れる結果(▲5%)となってしまいました。
(2016年6月30日更新)

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コメダ珈琲がIPO

 そーか、喫茶店の運営会社がIPOするのか・・・、とも思いましたが考えてみればドトールだってIPOしているのだから、何ら不思議はありませんね。(今はドトール・日レスHDですが)

 コメダ珈琲、名古屋発祥のチェーン店系喫茶店として右代表的な存在感。名古屋といえば、喫茶店のモーニングですが、その文化を全国に知らしめた存在でもあります。(けどチェーン店系より、個人店の喫茶店のほうがモーニングのサービス充実してます、マジで、昔ケーキまで出てきた店があった・・・)

 当初はロードサイド型からスタートしたコメダ珈琲ですが、今や街中にも出店。大阪の本町でコメダ珈琲を見たときは驚いたもんですが、今や全国各地、イオンモールにも出店しています。すっかり全国で名前の知られる存在となっています。

 そんなコメダ珈琲が6月29日に東京証券取引所へのIPO(上場)を予定。コメダの知名度からすると、個人投資家の間で人気化する可能性があります。

コメダHDのIPO日程

 コメダ珈琲を運営するコメダHDは下記の日程でIPOが予定されています。

・仮条件提示日 6月10日
・ブックビルディング期間 6月13日~6月17日
 →1,780~1,960円
・公募価格決定日 6月20日
 →1,960円
・申込期間 6月21日~6月24日
・上場日 6月29日

コメダ珈琲はファンドの子会社

 金融関係者には有名ですが、コメダは元々独立系の会社でしたが、2008年にファンドが買収して、現在はファンドの子会社となっています。当初はアドバンテッジパートナーズ、というファンドがコメダを買収したのですが、その後アドバンテッジは2013年に現在の筆頭株主のMBKパートナーズ(以前USJにも投資していたアジア系のファンド)に同社を売却しています。そして現在はMBKパートナーズが同社の筆頭株主(94.55%)となっています。

 今回めでたくIPOするコメダ珈琲、実はファンドのEXITという側面を有しています。EXITと言うのは、日本語に訳すと出口。要は、ファンド保有分の売却、という意味です。

 同じファンドでもVCだと数〜20%程度ですが、コメダに投資しているファンドはVCファンドではなく、買収ファンド的位置付けとなるため、MBKのコメダへの出資比率は94.55%。今回、MBKはコメダのIPOに際し保有株43,800,000株のうち26,700,000株を売出に出します。保有分の約60%を売却することになります。

 尚、今回のコメダのIPOは募集は行われず売出のみ。よってIPOしてもコメダとしては資金調達金額はゼロです。

 またファンドという性質上、MBKがIPO後もこのまま株を持ち続ける理由はないため、IPO後もMBKはコメダへの出資比率を減らしていく方法を模索するものと考えられます。

コメダ珈琲の業績推移

 コメダは国際会計基準(IFRS)で決算書を作成しています。さすがファンドの子会社はIPOに際してもやることが国際的ですなぁ。まずは開示されている国際会計基準ベースでの業績推移を見てみるとします。

15/2期 売上収益19,186百万円、営業利益5,912百万円、当期純利益3,219百万円
16/2期 売上収益21,721百万円、営業利益6,559百万円、当期純利益4,125百万円
17/2期予想 売上収益23,767百万円、営業利益6,870百万円、当期純利益4,467百万円

 おーっ、儲かってるじゃないですか。当期純利益40億円越えですかぁ、業績的には文句なし、のはず。
 ただしここでフト立ち止まりたいのは、売上収益=売上高、と考えると営業利益約60億円って高すぎません?16/2期の営業利益率30%って、喫茶店運営会社としては利益率が高すぎます。FCからのロイヤリティー収入が多いんですわ、という説明になってきますが、それにしても多すぎないか?

 IFRSを多少なりともかじると分かりますが、日本基準と比べると利益が大きくなる傾向にあります。特にM&A等で取得した資産の償却は事業計画通り数字が推移していれば償却の必要なしとされているので、償却資産の有無でえらく利益が変わってきます。

 で、さすがに日本の会社で日本の株式市場にIPOしようとしているコメダ珈琲、一部ですが日本基準での決算書も開示がなされています。

14/2期 売上高15,978百万円、営業利益3,437百万円、経常利益1,393百万円、当期純利益556百万円
15/2期 売上高19,407百万円、営業利益4,022百万円、経常利益3,389百万円、当期純利益1,336百万円

 直近の16/2期の日本基準の数字が開示されていない部分は、何だかなぁ、と思ってしまいますが、ともあれ前2期分の数字があれば傾向値は分かります。 
 丁度IFRSと日本基準の両方の数字を比べることができる15/2期の数字を並べてみます。

IFRS15/2期 売上収益19,186百万円、営業利益5,912百万円、当期純利益3,219百万円
日本基準15/2期 売上高19,407百万円、営業利益4,022百万円、経常利益3,389百万円、当期純利益1,336百万円

 比べると分かるのは売上高はほぼ一緒、営業利益と当期純利益は約20億円程IFRSの方が多くなっている、ということ。この約20億円分の差異については、のれん償却費に該当すると考えられます。(目論見書11ページ)

 で、サラサラと書いていてフト思ったのですが、利益で20億円の差異が異なる会計基準で出てくるって結構大きいです。外食系の会社で15/2期の当期純利益40億円と聞けば、スッゲーと思いますが、当期利益13億円と聞くと、まぁそれくらいの会社は上場会社で普通にあるよね・・・、となってしまいますので。 

 IFRSベースで株価の議論ができる方はさておき、管理人を含め大多数の方はIPOする会社の株価、国内基準で業績を見て株価が高いか安いかを考えています。17/2期の予想決算はおろか、16/2期の日本基準の数字も開示がされていないので、少々困ってしまいます。。。

 そんな訳でザックリとコメダの16/2期実績と17/2期予想決算のイメージを考えてみました。

16.5.30コメダ珈琲-目論見書-min
※コメダHDの数字は「目論見書」を参照しました

法人税等からコメダの16/2期、17/2期予想決算を考えてみる

 利用する会計基準によって利益額はもとより、下手すると売上高も変わってきます。会計は解釈の問題でもあるので、ある意味では当然の帰結ではあります。しかしながらどんな会計基準を利用しても変わらない指標が一つあります、それは”法人税等”という勘定科目。

 会計基準が変わろうが何しようが、別途税務会計の世界で計算される”法人税等”は何ら影響はありません。(その差を埋めるために、税効果会計という制度があります)

 そんな訳で法人税等の額に注目してコメダの決算書(IFRS)を読み解いてみます。

 コメダの15/2期法人税等1,804百万円。16/2期法人税2,210百万円。利益が上がれば当然支払い法人税の額もアップする訳で、コメダは15/2期→16/2期は法人税等という観点でも順調に利益を上げていた、と考えられます。(そうでなければIPOできていません、多分)

 そして来期17/2期予想の法人税等2,183百万円。なんだ16/2期→17/2期(予想)の法人税等の支払額減少してますね・・・、これって利益的には前期比マイナスの可能性、そうでなくても大幅な増収、ということではなさそうな・・・。まぁ外食産業でこのご時世、毎期毎期増収増益というのは難しいと思うので、コメダもその例にたがわない、とは言えそうです。
 少なくとも、16/2期→17/2期で大幅な増収増益というのは会社側も読んでいない、とは言えます。

16/2期と17/2期の日本基準での利益水準

 IFRSだと15/2期→16/2期で6~9億円増益となっていることが分かります。それを日本基準に当てはめると下記となります。

日本基準での16/2期予想 経常利益40~43億円、当期純利益19~22億円

 まぁザックリ言って16/2期の当期純利益20億円前後、となります。

 同じようにIFRSベースで16/2期→17/2期の増益額は約3億円。これを予想した16/2期の日本基準に足してみます。

日本基準での17/2期予想 経常利益43~46億円、当期純利益22~25億円
 
 真相は分かりませんが、まぁ当たらずとも遠からずの数字はこんな所ではないかと。
 16/2期の法人税等22億円、17/2期の予想法人税等21億円なので、それから見ても、当たらずとも遠からずの数字ですし。

コメダの予想株価(想定株価)1,960円は時価総額約900億円

 今回コメダの予想株価(想定株価)は1,960円と公表されています。コメダのIPO、公募は行われず売出のみなので、発行済株式総数はIPO後も変化ありません。

 よって、コメダの時価総額は下記より約900億円となります。

・株価@1,960円×46,323,900株=90,794百万円

 おーっ、時価総額900億円ですか、もう一声で時価総額1,000億円!さすがコメダ珈琲。
 

コメダの想定価格1,960円の予想PERは36~40倍と割高

 そしてここから先が漸く本題、コメダ珈琲のIPO株価1,960円は高いのか?安いのか?

 単刀直入に言えばコメダのIPO株価は高いです。

 時価総額900億円÷17/2期当期純利益(予想)22~25億円=予想PER36~40倍

 予想PER36~40倍のIPO株価、正直な所は高いと言わざるを得ません。昨今、外食系で予想PER30倍つけている銘柄なんて聞いたことありませんし。
 まぁ、あくまでもIFRS基準から日本基準の数字を推測してそこから数字を割り出しているので、その推測が間違っている可能性もあるので、その点はご注意を。

 あと、割高な株価でIPOしても、初値がドカンと打ち上げ花火になってしまった銘柄も山ほどあるので、理論値と比べてIPO価格が割高=必ず損する、とはなりません。ここがIPO投資の面白い所ではありますが。

 とは言え、個人的にはちゃんと最後まで日本基準での決算数字も開示すべきだよな、とは思います、だから推測しなければいけない訳で、ちゃんと数字が開示されていれば、答えは一目瞭然ですから。

コメダHDの仮条件価格

 6月10日に提示された、コメダHDの仮条件価格は1,780~1,960円。

 日本株全体はパッとしませんが、IPO市場が冷え込んでいる、という程ではないので、公募価格は上限値の1,960円で決定される可能性大です。

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上場主幹事及び幹事団

・大和証券(主幹事)
・三菱UFJモルガン・スタンレー証券(主幹事)
・みずほ証券
SMBC日興証券
SBI証券
マネックス証券

 主幹事は大和と三菱UFJの共同主幹事。大和は東海地区の銘柄で主幹事取るの珍しいような感があります。一方の三菱UFJは、東海銀行の流れからすれば、そーなるよね、という立ち位置。
 
 IPO投資という観点では、SMBC日興証券SBI証券マネックス証券の名前があるのでネットからも手掛けやすい銘柄となります。ファンドのEXIT案件でもありますし(人気化しにくい)、計算すると株価高いんじゃないか?、とも言えるので、IPO株は当たりやすいかもしれません。

実はカブドットコム証券でもコメダのIPO株の申し込みが可能

 意外な盲点ですが、コメダのIPO株は、カブドットコム証券でも申し込みが可能です。

 三菱UJFグループのカブドットコム証券、三菱UFJグループの三菱UFJモルガン・スタンレー証券が幹事で参入している際は、同社経由で一部IPO株が回ってきます。

 今回のコメダHDは、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が主幹事証券であり、同社経由でカブドットコム証券にも割り当てがあります。よってネット証券利用の投資家がコメダHDのIPO株を入手するためには、カブドットコム証券への証券口座開設も必要不可欠と言えます。

コメダの株主優待

 外食系の会社への株式投資の楽しみの一つは株主優待にもあります。コメダHDも株主優待の実施を予定。内容は下記となります。

 年間2,400円(2月中間及び8月期末の1,200円×2回)の金券
 →コメダ直営店・FC加盟店で使用できる金券(電子マネー)
 →有効期間6ヶ月

16.6.6コメダ-株主優待-min
※目論見書より

 IPOの想定価格1,960円で計算すると(1単元196,000円)、優待利回りは約1.2%。良くもなく、悪くもなく、という水準。けど優待目当てで買っておけ、とまでは言えません。

 コメダの株主優待、株主優待のタダ取り、で取得できる可能性が高いです。ご興味あれば、下記をご覧になって、お試しあれ。ただし逆日歩にはご注意を。

まとめ

 コメダ珈琲、あの独特の店舗の雰囲気、管理人も嫌いじゃないです。その意味ではうまく店舗作ってあるなぁ、と思います。
 ただしドトールが「星乃珈琲店」、すかいらーくが「むさしの森珈琲」と、コメダにとってはライバルに当たるブランド店の展開を始めており今後は競争の激化も予想されます。

 そして今回のコメダのIPO、ファンドのEXITという事情はありますが、株価高めと感じます。まぁ高めの株価設定でも初値がグインと上がる銘柄も多くありますので、そこは個人でどう判断するか、ということにはなりますが。

 一人の個人投資家としては、もう少し目論見書の開示が詳しくして欲しい=参考数字でも16/2期と17/2期の数字を日本基準で出してほしい、と思いました。まぁチャート屋ですが、多少数字は読めるので。

 2016年のIPOも折り返し地点でのIPOとなるコメダHD。話題の企業のIPOということで人気化する可能性もありますが、果たしてどんな結果となりますか?

 コメダのIPO初値に注目です。

PS1 6月29日にIPOしたコメダ珈琲、その初値は1,867円。公募価格1,960円を若干割れてしまいました・・・。そして直近の株価は下記をどうぞ


※チャートはヤフーファイナンスより

PS2コメダ珈琲の次にやってくる話題のIPO銘柄と言えば、何と言ってもLINE。詳しくは下記をどうぞ!

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