LINE(ライン)のIPO、予想株価2,800円、初物好きな株式市場の評価にご注目

 昨年からIPOの大本命と言われながら、親会社の問題等で上場がなかなか実現しなかったLINE(3938)が遂にIPO。2016年7月15日に東京証券取引所及びニューヨーク証券取引所に同時上場!実は日本の企業が東証とニューヨークに同時に上場するのは初のケースとなります。

 予想株価(想定価格)2,800円は上場時の時価総額約5,800億円となり、日米ともに今年の新規IPOとしては最大の時価総額。待たされただけあって期待度の高いLINEのIPO。果たしてどんな初値がつくのか、各方面は興味津々。

 株価の高いor安いは今後開示される資料で16/12期の数字を確認できないと何とも言えませんが、初物好きな株式市場、これだけ話題の会社であり、数字はさておいても値上がりの期待感大です。

 そんなLINEのIPOの内容をまとめてみました。

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遂に2016年のIPOの大本命LINEが登場

 昨年からIPO間近と言われつつも、なかなか陽の目を見なかったLINEのIPO。しかしながらお待たせしました、2016年7月15日に遂にIPO実現です。更に東京証券取引所だけでなくニューヨーク証券取引所にも同時上場というおまけ付き。ただでさえ待ちくたびれた投資家にとっては、ニューヨク市場にも同時上場というのは、格好のおまけとなりそうです。

 LINEは韓国のネイバーという親会社が存在しており、原則子会社上場を認めていない東証がどんな判断をするかが注目されていましたが、IPOの本命銘柄、ということで東証とLINEは折り合いをつけたようです。(LINEの上場のネックは下記の記事をどうぞ)

LINEの上場日程

・仮条件決定日 6月27日
 →2,900~3,300円
・ブックビルディング期間 6月28日~7月8日
・公開価格決定日 7月11日
 →3,300円で決定
・申込期間 7月12日~13日
・上場日 7月15日(NY上場は現地時間の7月14日)

 7月15日に日米同時上場を計画しているLINE。仮条件決定は6月27日。LINE株に応募するのしないので、6月27日以降は各方面が騒がしくなりそうです。

 6/28に発表された仮条件は2,700~3,200円でした。しかしながら7/4に仮条件を2,900~3,300円に引き上げると発表。下限価格が想定株価の2,800円より+100円上回る価格となります。いつも通り仮条件の上限で株価が決まると3,300円と、想定株価より上で最終的な株価が決定する可能性が高いです。
 そしてやはり公開価格は仮条件上限の3,300円となりました。

 尚、ニューヨーク証券取引所に上場する米預託証券の仮条件も28.5~32.5ドルに変更となっています。

LINEの業績推移

 ニューヨーク市場にも同時上場するLINE。基本的に決算書が国際会計基準(IFRS)ベースで作成されていますが、日本市場でどんな評価を受けるのか、という観点から、本サイトでは同時に掲載されている日本の会計基準での業績推移を見てみます。

13/12期売上高40,070百万円、経常利益6,962百万円、当期純利益7,554百万円
14/12期売上高68,045百万円、経常利益19,714百万円、当期純利益12,184百万円
15/12期売上高88,441百万円、経常利益3,472百万円、当期純利益▲16,740百万円

 売上高は極めて順調に拡大。2年で売上高が2倍以上(400億円→884億円)となっているのは驚きです、この売上の増え方をみると、さすがLINEだわ、と思ってしまいます。

 しかしながら経常利益は13/12期69億円→14/12期197億円→15/12期34億円とデコボコ。当期純利益に至っては15/12期は赤字となっています。

 これは15/12期に音楽の子会社の減損(135億円)を行っているため。まぁしかし、豪快に減損してますね。ついでに言えば、経常利益も15/12期34億円とそれまでの期と比べると減益となっていますが、これは15/12期に株式報酬費用7,192百万円(前期294百万円)を計上しているため。これは、LINEが上場の要件を達成するための各種施策の費用、と考えられます。

 ただしそれがなくても15/12期の経常利益は約100億円。6月10日時点では16/12期予想決算の開示がなされていないため、過去3期分の決算書だけ見ると、LINEの成長は止まったのか?、という疑問は払拭できない状態となっています。

LINEの目論見書

 LINEの目論見書は幹事証券会社の口座があれば、証券会社から入手することができます。

 他の銘柄だとインターネット証券でもログイン無しで閲覧することができる銘柄が殆どなのですが、LINEについては少なくともマネックス証券、SBI証券(いずれも他銘柄はログイン無しで閲覧可能)は口座がある方のみ閲覧可能となっています。

 LINEのIPO投資するにせよ・しないにせよ目論見書がないと始まりません。これを機会に、マネックス証券SBI証券で口座開設してみてはいかがでしょうか?

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LINEの目論見書の表紙

法人税等の金額

 税務会計で決算書の中に独自の世界を有している”法人税等”という勘定科目。ココだけは、国際会計基準であろうと、日本基準であろうと何も変わりません。LINEの14/12期と15/12期の法人税等の合計は下記。

・14/12期6,636百万円
・15/12期1,722百万円

 LINEは15/12期は当期純利益赤字ではありますが、経常利益ベースで黒字なので、しっかり法人税等の支払いを行っています。ただし14/12期と比べると約1/4(25%)の金額。

 14/12期と15/12期の経常利益を比較すると、15/12期は14/12期の約17%の利益なので、法人税から見ても、15/12期は14/12期から見ると、減収となっているのは間違いなさそうです。

2016年12月期の業績予想が焦点

 LINEの上場承認が発表された6月10日時点ではLINEの2016年12月期の業績予想は開示されていません。

 2015/12期の経常利益ベースでの減益と当期純利益ベースでの赤字、IPO前の各種整理を行った、と考えれば全然問題ありません。しかし問題は、2016年12月期は利益が出ているのか?成長しているのか?、という点。

 利益については、15/12期も減収とは言え経常利益で黒字だったので問題なく黒字でしょう。ただし、LINE=成長株のど真ん中、というイメージを多くの投資家が持っている訳で、16/12期成長している姿を数字で示すことができるのか?
 ここが最大の注目点となります。

 いずれ16/12期予想決算は開示されるでしょうから、開示されしだい、本記事に内容は追記いたします。

LINEの予想株価2,800円でIPO時の時価総額約5,800億円、日米ともに2016年最大規模のIPO

 LINEの予想株価(想定株価)は2,800円で設定されています。

・想定株価 2,800円
・上場後発行済株式数 209,992,000株(潜在株含)
・IPO時の時価総額 5,879億円
・公募株 35,000,000株
・調達金額 927億円

 約900億円の資金調達を行うLINE。そして、そのIPO時の時価総額は約5,800億円。
 日本市場と米国市場の両市場に同時上場するLINEですが、時価総額約5,800億円規模というのは、両市場ともに2016年最大規模となります。
 
 日本市場は2016年はパッとしない相場が続いているので分かりますが、米国市場は意外な感があります。ただし、ユニコーンと言われる時価総額の高い銘柄のIPO延期が相次いでおり(期待通りの高株価がつかずIPO延期が相次いでいる)、LINEの上場は実は日米ともに期待のIPO銘柄と言えます。

予想株価2,800円は高いのか?

 で、本来はこの2,800円の株価が高いか安いかを考えたいところですが、2016/12期予想決算が開示されていないので、何とも言えません。

 14/12期が当期純利益121億円だから、その数字を採用するとすれば、時価総額約5,800億円はPER47倍。PER30倍と仮定すれば、16/12期の当期純利益193億円=約200億円が必要となります。

 PER30倍は正直高いよなぁ、と思いますが、日本だけでなくアメリカでも注目銘柄ということで、PERと言った理論値関係なく高い初値がつく可能性があります。

 ただし16/12期の数字を見ないと何とも言えませんが、14/12期と15/12期の数字からすると、株価2,800円で時価総額約5,800億円というのは、結構高い価格設定ではないかなぁ、との印象を管理人は有しています。

LINEの株主

・NEVER Corporation 87.27%
・その他は役員等個人

 LINEの親会社は韓国のNAVER(ネイバー)。その株式シェアは87.27%。今回NAVERは保有株式の売出も行いますが、親会社の座は維持します。

 本来的には認められていない子会社上場。とは言ってもLINEほど話題の会社なので、東証もコーポレートガバナンスの体制強化等を条件に、特例として認めたのではないかと推察されます。

 

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LINEの上場主幹事及び幹事団

 日本及びアメリカの2つの国の証券市場で上場するLINE、幹事団も豪華な顔ぶれとなっています。

・野村証券(主幹事)
・三菱UFJモルガン・スタンレー証券(主幹事、Morgan Stanley&Co.LLC含む)
・ゴールドマン・サックス証券(主幹事)
・JPモルガン証券(主幹事)
・みずほ証券
・大和証券
SMBC日興証券
SBI証券
・東海東京証券
マネックス証券
 
 国内勢は主幹事・野村証券を筆頭に大和証券、SMBC日興証券、みずほ証券がそろい踏み。
 外資系は主幹事・三菱UFJモルガン・スタンレー証券をはじめゴールドマン、JPモルガンとこちらも豪華メンバー。
 ネット証券もSBI証券マネックス証券が参入しています。

LINEの主幹事証券会社について(国内と海外)

 LINEは日米同時上場を計画しており、国内及び海外でそれぞれ主幹事証券会社が定められています。(尚、海外分はジョイント・グローバル・コーディネーターと呼ばれます)

「国内の募集及ぶ売出分の主幹事証券会社」
・野村証券
・三菱UFJモルガン・スタンレー証券
・ゴールドマン・サックス証券
・JPモルガン証券

「海外の募集及び売出分のジョイント・グローバル・コーディネーター」
・野村証券
・Morgan Stanley & Co. LLC
・ゴールドマン・サックス証券
・JPモルガン証券

 国内分も海外分もこうやって並べてみると主幹事は同じということです。(モルガン・スタンレーは国内分は三菱UFJモルガンですが)
 

LINE株に応募できるネット証券

 ネットで株式投資を行う個人投資家とすれば、LINEのIPO株を当てに行くとすれば、SMBC日興証券SBI証券マネックス証券の口座開設は必須。豪華な証券会社のメンバーですが、SBI証券マネックス証券も加わっており、IPO投資という観点では間口の広いIPO銘柄と言えます。

 尚、IPO投資という観点での証券会社の選び方については、下記もご参考ください。

LINEのIPO株、実は穴場のカブドットコム証券

 今回、幹事団の中にカブドットコム証券の名前はありませんが、カブドットコム証券はLINEのIPO株の取り扱いがあります。

 三菱UJFグループのカブドットコム証券、三菱UFJグループの三菱UFJモルガン・スタンレー証券が幹事で参入している際は、同社経由で一部IPO株が回ってきます。過去の例では、郵政グループ、コメダ珈琲が該当します。

 LINEは、三菱UFJモルガン・スタンレー証券も主幹事証券であり、同社経由でカブドットコム証券にも割り当てがあります。よってネット証券利用の投資家がLINEのIPO株を入手するためには、カブドットコム証券への証券口座開設も必要不可欠と言えます。

株式市場は初物が大好き

 LINEの予想株価(想定株価)2,800円という株価が高いか安いかはさておき、株式市場でLINEの上場が話題になるのは間違いありません。

 何といっても株式市場は初物が大好き。

 アメリカ市場では類似会社としてツイッターが上場していますが(大赤字ですが・・・)、日本ではLINEの類似会社の上場はありません。LINEと言えば、若者を中心に日常的に利用されているプラットフォームであり、その”LINE”という名前は日本全国に浸透しています。

 まぁLINEの収益源はLINEじゃなくてゲームだったね、というのは目論見書を見るとスグ分かりますが、それはご愛敬。LINEというプラットフォームの収益化にこだわっていたら、ここまでの利益は出ませんので。(やはり「ツムツム」のヒットはLINEにとって、非常に大きかったと思われます)

 初物好きな株式市場、LINEの上場をどう評価するのか?とんでもない値段が付く可能性だってあります。非常に興味深い所です。

LINEの類似会社(Twittew、Facebook、テンセント)

 LINEの類似の上場会社、日本国内にはありませんが海外には存在しています。代表的な会社はTwittew、Facebook、テンセント(中国)。丁度日経新聞(16/6/11)にLINEを含めた4社の比較が掲載されていました。
 
16.6.13LINE-類似企業
日本経済新聞(16/6/11)より

 足元赤字のLINEが似ているとすればTwitterか?5億ドル(約600億円)以上の赤字を出しているTwitterですが、株価が下がったとはいえ時価総額1兆円オーバー。今回LINEの時価総額が約6,000億円ですが、来期の予想決算次第では時価総額Twitter超えの可能性もあながち夢物語とも言えません。

 ただし米国市場上場で世界に打って出ようとするLINE、Facebookやテンセントとの利用者数・利益・時価総額の差は非常に大きく、LINEの本当の意味での競争は上場後からスタート、と言えます。日米同時上場で日米の投資家の期待を集めるLINE、結構責任重大です。

まとめ

 業績の問題、親会社の問題、LINEの収益源はLINEでなくてゲームだった等の突っ込みを入れることはできますが、ともあれ無事に上場目前までたどり着いたLINE。ここまで来たからには、IPOの成功をお祈りします。

 日米同時IPOですかぁ、夢のある話だよなぁ、と思います。一昔前には考えられませんでしたし。

 さて注目すべきはLINEの初値。初物好きな株式市場が果たしてLINEに対してどんな評価を下すのか。LINEの上場は7月15日(金)。IPO投資に興味がある方もない方も、是非ご注目ください。

PS1 7月15日にIPOしたLINE、注目の初値は4,900円。公開価格3,300円を1,600円(48.5%)上回る結果となり、IPOは大成功でスタートを切ることができました。そして直近のLINEの株価は下記をどうぞ


※ヤフーファイナンスより

PS LINEの次に来る話題のIPO銘柄と言えば、秋に上場予定のJR九州になりそうです

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