2016年の株式市場で注意しておきたい3つのこと

 郵政3社上場という、メインイベントが成功裏に終わった2015年の株式市場も残りあとわずかで、もうすぐ2016年がスタート。2016年の株式市場はどんな年になるのでしょうか?
 2016年の株式市場で注意しておきたい3つのポイントをピックアップしてみました。主に海外要因を取り上げましたが、リーマンショックや2015年のチャイナショック等、株式市場にとって大変な事態は海外からやって来るケースが多いんです。
 国内要因は当サイトの日常の記事でも取り上げていますが、年末なのでもう少し大きい視点で2016年の株式市場のポイントを3点考えてみました。

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①イギリスはEUから脱退?それとも残留?

 日本ではあまり報じられていませんが、2016年にイギリスがEUから脱退するか、それとも残留するかの国民投票が実施される予定です。

 1973年にEUに加盟したイギリス。通貨ユーロは導入せず独自通貨のポンドを維持という、独特のスタイルでEUに加盟していましたが、移民問題をめぐり国内はEU脱退と残留で意見が真っ二つに分かれています。そこにフランスのテロ事件が発生し、世論調査で遂にはEU脱退派が過半数を占める事態に。

 イギリスがEUを脱退したとしても、日本経済への直接的な影響は殆どありません。しかしながら、ヨーロッパの金融市場の中心ロンドンを抱えるイギリスがEU脱退、となると金融市場が混乱する可能性があります。特に為替市場への影響は避けられそうにありません。

 大英帝国の時代に比べれば経済力は衰えているとはいえ、それでもヨーロッパ内では相対的な強さを持っているイギリス。EU脱退となれば、その影響はEU各国にも及ぶ可能性があります。またEU脱退となれば、なだめすかしてイギリス連邦残留を飲ませたスコットランドで再び独立運動の火の手が上がる可能性が大、何せスコットランドはEU残留に賛成している訳ですから。

 ヨーロッパの金融市場の中心地たるロンドンを抱えるイギリス。果たしてEUから出て行ってしまうのか、それとも残留を決めるのか。2016年に予定されているEU残留を決める国民投票、結果次第では金融正常に大きな影響を与える可能性があります。

 尚、イギリスのEU問題、詳しい経緯等は下記の記事をご覧ください。

原油価格の動向

 一般市民にとってはありがたい原油価格の下落ですが、デフレ脱却を目指す日銀にとっては困った現象の原油価格の下落。

 先日アメリカが遂に原油の輸出解禁を決定。コレって実は、相当大きな出来事です。2014年の原油生産量の上位5ヵ国を見ると分かります。

1位アメリカ11,644千バレル/日
2位サウジアラビア11,505千バレル/日
3位ロシア10,838千バレル/日
4位カナダ4,292千バレル/日
5位中国4,246千バレル/日
「世界経済のネタ帳」

 
 アメリカ=産油国、というイメージはここ20年で言えば殆どないと思いますが(それ以前のジェームズ・ディーンの映画「ジャイアンツ」の時代までさかのぼれば話は別)、シェール革命によって、今やアメリカは世界ナンバーワンの産油国となりました。

 これまではアメリカ産の原油は国内での消費が義務付けられていましたが、遂に2016年からアメリカ産原油の輸出が解禁されスタート。

 簡単に言えば、これまで原油輸入国だった国が原油輸出国になるんです。

 これって本当にエポックメイキングな出来事なんです。

 そんな訳で世界的に原油の需給は緩むことが確実視されており、となると、原油価格の下落傾向も継続する、少なくとも大幅な上昇は、アメリカが大きな戦争でもはじめない限りなさそうな状況。

 資源国通貨、原油関連銘柄にとっては、2016年も大変な年になりそうです。そして物価上昇を政策目標に掲げている日銀にとっては2016年も引き続き原油価格に頭を悩ます年となりそうです。

15.12.25原油価格
原油価格の月足チャート(Trading View)

 2015年100ドル代から30ドル代へと大きく下がった原油価格ですが、1998~1999年は10ドル代の時代もあり、原油価格はテクニカル的にもまだ底が見えていない状況となっています。

<関連記事>
「原油価格は今後まだ下がりそう、出光と昭和シェルの合併と欧米メジャーの設備投資減」

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アメリカのジャンク債市場

 そして最後に相当マニアックなポイントを。アメリカのジャンク債市場、ここがどうなるのか。殆ど日本では注目されることのない市場ですが(日本には全く縁が無いし)、アメリカの金利引き上げを見越して、実はジャンク債市場、既に荒れ始めています。

 ジャンク債とは、簡単に言えば格付けの低い会社=信用力の低い会社の発行する債券。アメリカでは古い歴史があり、債券のハイリスクハイリターン投資の1つの商品として認知されています。
 債券なので当然金利はもらえる訳で、信用力が低いということは、金利も高い=倒産リスク、があります。それを分かった上で投資家はジャンク債を購入するのですが、このジャンク債市場(のETF)、チャート的に2015年は既にダウントレンドに入っています。

 注目すべきはまさに今月の2015年12月で、出来高が急増して価格が急落しています。チャートパターン的には、出来高急増+大きな値動きは、ブレイクサインであり、ジャンク債市場は更に下落トレンド=悪い方向に向かう可能性が。

2015.12.25ジャンク債ETF
アメリカのジャンク債ETFの月足チャート(Trading View)

 上記のチャートはジャンク債のETFの月足チャートなので、価格が下がったという話となりますが、その後ろにある生のジャンク債の世界では、お金が返せない、という話になっている訳で、2015年12月に大幅に下落したジャンク債のETFチャートから考えると、2016年はジャンク債のデフォルトが相次ぐ可能性が。

 ファンダメンタル的にはアメリカFRBが金利引き上げを決定し、2016年も何度かに渡っての利上げが見込まれており、金利上昇→借金をしている企業にとっては厳しい時代到来、というのが確実視されています。

 ジャンク債市場の悪化→金融市場への多大な影響、とそのままイコールになるかどうかは分かりませんが、世界最大の金融市場のアメリカでジャンク債市場とは言え、一大事が発生すれば、世界の金融市場に少なからず影響があると考えられます。

 ちなみに日本の年金を預かるGPIFがジャンク債への投資も開始しており、日本にとって実はジャンク債市場の動向、実は他人事ではありません。

まとめ

 本当はFRBの金利引き上げやブラジルのオリンピックを取り上げるべきかもしれませんが、そういったメジャーなことは新聞や雑誌にお任せして、若干マニアックとも言えるポイントをピックアップしてみました。

 個人的にはジャンク債の市場でイヤーな感じがしています。今後どんな影響が発生するか分かりませんが、アメリカ自体は金利引き上げをもう決めてしまっており、何をどう考えても金を借りている企業にとってはシンドイ時代に突入し始めています。でその最初の段階で既にジャンク債ETF価格は出来高を伴って急落。ETFだけでなく、ジャンク債のデフォルトも既に始まっており、ジャンク債という観点では既によろしくない出来事が12月の時点で多々発生しています。
 リーマンショックの再来、という話もあるようですが、さすがにそこまでの影響は現実味が無いとしても、影響なし、とは言い切れませんし。

 いずれにしても2016年の株式市場、アベノミクス相場の初期の頃のように、どんな銘柄買っても儲かった、という時代にはならないかと。その意味では銘柄選別力と投資タイミング、というのが2015年同様、必要とされる年になるのではないかと考えています。

 当サイトでは、2016年も引き続き株価や株に関する話題を提供していく予定です。読者の方のお役にたてる記事をアップしていきたいと思っています。

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