2016年11月に、ブログ界隈で良くも悪くも話題になっていてたキュレーションサイトのWelq(ウェルク)が炎上する事態となったDeNA。問題が大きくなる前にWelqの全記事を一旦閉鎖、という措置を取り鎮火を計ろうとしています。
ただしDeNAにとってみればキュレーション事業は投資はしているものの、まだまだ本業と言える状態ではなく、やはりDeANの本業はゲーム事業、と言うことに変わりはありません。
そんなDeNAですが、2016年の株価は極めて順調に推移しています。目指せ最高値4,330円も目指せる値位置となっているDeNAの株価。ただし株価の値位置的には、ここから先は上昇も下落もどちらの方向も可能性を有しています。Welq騒動をきっかけにDeNAの株価は下落してしまうのか、それともWelq騒動をエネルギーに株価は上昇を図ろうとするのか?
最高値を目指す展開となるかどうかに御注目。(2016年11月30日更新)
概要
DeNAの株価分析について
丁度当サイトを立ち上げてスグにDeNAは任天堂との提携を発表しています。そのニュースを期に、任天堂とDeNAの株価分析記事を作成しています。しかしながら任天堂の記事はコンスタントに読まれていたのですが、DeNAはそれほどニーズもなかったようで、特に構成せずにほったらかしにしてありました。
そんな最中にDeNAが運営するキュレーションサイトのWelqが大炎上。当初は強気のスタンスだったDeNAも、遂にはWelqの全記事を一旦閉鎖、という事態に。
で、DeNAの株価はどうなのさ、と思って見てみると、結構面白い値位置にあったので、過去更新もせずにほったらかしだった記事を、改めて更新しようと思った次第です。
ちなみに一番最初にDeNAの株価分析記事を書いたのは、2015年3月26日。1年半以上前です。思えば遠くに来たもんだ、と若干思わないでもありません。
関連記事:DeNAはウェルク(Welq)が炎上、でも50億円以上投資のキュレーション事業は止められない?
DeNAの業績推移
いつもですとエクセルに数字を打ち込んで、業績推移はこんな感じ、とやるのですが、先に書いているWelqの記事でDeNAの業績について触れているので、詳しくはそちらをご覧ください。
関連記事:最近のDeNAの業績推移
成長企業のイメージのあるDeNAですが、業績的には頭打ち。これまで成長を引っ張てきたゲーム事業の成長がストップしており、会社としては非常に頭の痛い所(成長はしてませんが、利益はとっても出てますが)。
更なる成長のためにキュレーション事業に邁進しようとして、勇み足の結果Welqで地雷を踏み抜いた形となっていますが、DeNAにとっては新規事業の立ち上げで成長路線に戻ることが急務になっています。
まぁゲーム事業は水物なので、一気に再成長へ、と言うことが無きにしも非ず、という部分が怖い=面白い所でもありますが。DeNAの場合、任天堂との提携内容の具体化が、それに該当しそうな気がします。
DeNAの株価推移と高値と安値
まずはDeNAの株価を10年の月足チャートで見てみます。
「画像出典:マネックス証券/日本株取引ツール トレードステーション」、以下同様
※関連記事:マネックス証券のトレードステーション発表会に行ってきました
最高値4,330円(2011年8月)
最安値644円(2008年10月)
2016年に入ってからDeNAの株価は非常に好調。11月29日時点、Welq騒動の最中ですが終値は3,515円(ちなみに11月29日の晩にDeNAはWelqの全記事を非公開にしています)。
トランプ相場無しでも好調な2016年のDeNA株価、たいしたものです。
DeNAの株価のポイント
DeNAの株価のポイントは週足チャートにフィボナッチ・リトレースメントを引くと一目瞭然です。

DeNAの株価のポイントは大きく分けて2つ。
1点目はフィボナッチ・リトレースメント76.4~88.6%のゾーンに位置しており、反転しやすい値位置にある、という点。
2点目はハーモニックパターンを形成しており(リトレースメントの88.6%にはギリギリ届いていないのですが、実質的にはBat:蝙蝠パターン)、こちらも反転しやすいパターンとなっている、という点。
簡単に言って、ハーモニックパターンの出来上がりです。後は下落に一直線、と短絡的に言うことができなくはありません。
ただね、気を付けたほうがよいパターンではあります。なぜって、一度リトレースメント88.6%の手前で下落し、現在再度上昇している所。この場合、再度下落して本格下落の場合もありますが、そのまま76.4~88.6%のゾーンを上に抜けてしまうこともあります。現在は2回目の下落がなされるかどうか、という状態。
何も考えるにショート(売り)で逆張りすると、大けがしかねません。ここはハーモニックパターンでトレードしていくと、経験的に分かっていく所です。
それでは次に、DeNAの株価が上昇するケースと下落するケース、2つのパターンを考えてみます。
DeNAの株価が上昇の場合
今後DeNAの株価が上昇、と考えればハーモニックパターンは既に1度目の下落で下落は終了し、そのまま目指せ最高値、という状況となります。

今の所、Welqの炎上騒動はあったものの、チャート的にはDeNA株価の上昇パワーが消えたとは、少なくとも週足からは見えてきません。よってこれまでのトレンド通りに相場が進む、と考えれば、このまま上昇して最高値4,330円を目指すというのが、一番素直な見方となります。
前述しましたが、ハーモニックパターンとしては既に1回下落にトライしている形となっているので、今後株価が上昇して直近の高値を上に抜けるのが確定したら、ダウ理論の観点からも買い目線でいいのかな、と思います。
DeNA株価が下落の場合
週足チャート的にはWelqの炎上騒動、それほど影響がないように思えるDeNAの株価ですが、ともあれ反転しやすい値位置にいるのは事実。理由はさておき、今後株価が下落した時のことも考えてみます。

下落の場合、まずポイントになるのはフィボナッチ・リトレースメント50%であり+過去にサポレジを形成していた2,700円付近。一旦、ここで止まる可能性が高いです。
そしてそこから先は、再度上昇に転ずるか、そのまま下落するか。そのまま下落の際は、リトレースメント23.6%の2,000円付近がポイントかとも思いますが、2,700円付近に落ちてきた時に再度分析する必要があります。
2016年は一貫して上がって来たDeNAの株価なので、この辺りで2,700円まで下落して押し目を付けて、その後に本格上昇再スタート、というのはシナリオとしては結構キレイなので、その可能性は考慮する必要があります。
3本RCIでDeNAの株価を見てみる
伝説のテクニカルとも言われる3本RCIでDeNAの週足チャートを見てみます。

白い四角で囲った部分が3本RCIでエントリーできそうな部分。レンジ相場に弱い3本RCIですが、上昇も下落も比較的トレンドが出ているDeNAの場合、うまく戻りや押し目が取れているケースが多数あります。
3本RCIは使いこなすことができれば、トレードのよき相棒となるので、ご興味あればマネックス証券のトレードステーションで3本RCIを設定して使ってみてください。下記で詳しい設定方法も記事にしています。
DeNAの株価まとめ
Welqが炎上してしまったDeNAですが、財務体質良好であり、Welqが炎上しても屋台骨はビクともしません。日々の値動きが反映される日足はさておき、週足ベースではWelq騒動、株価的にはそれほど影響があったとは言えません。
DeNAは創業以来、結構な修羅場をくぐって現在に至っているので、Welq騒動も問題なく切り抜けるのではと個人的に思っています。だからダメですよ、Welq騒動を見て、DeNAを長期的に”売り”と思いカラ売りを仕掛けては。良好な財務体質、経験豊富な経営陣とくれば、何かあればスグに踏みあげられてしまいます。
Welq騒動さておき、チャート屋的観点ではDeNAはハーモニックパターンを崩して、最高値4,330円を目指していくかどうかが非常に興味のある所。トランプ相場なくとも上昇してきた2016年のDeNAの株価、最高値までもう少し。最後の踏ん張りを見せるかどうかに注目です。
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