富士重工業(東証1部7270)、いわゆるスバル自動車の株価の今後の見通しについて、「買い」と「売り」の視点から、株価の分析と予想を行いました。米国事業が好調の富士重工業、株価推移も堅調。現在はスクイーズ=停滞状態の株価は、再度上昇軌道に乗ることはできるのでしょうか?
今回は富士重工業、いわゆるスバル自動車の株価を分析と予想を行ってみます。
富士重工業というと、スバル自動車、車好きにはレガシーですが、昔の方には中島飛行機。え?古すぎる?もう戦前からの名門メーカーです。長らく国内でのレガシィ一本足打法でしたが、ここ最近は米国事業が好調で、株価も堅調です。
現在は株価が停滞=スクイーズ状態で、エネルギーを溜めている状態ですが、果たして今後再度上昇軌道に乗ることができるのか?
富士重工業の株価、一旦下がったとはいえ、フィボナッチリトレースメントで言えば、まだまだ戻りの範囲と言えそうです。ただし窓を空けて上昇した後なので、今後の株価の動きには注意が必要です。
動画と説明文の両者でより理解が深まる構成となっています
概要
富士重工業株価の最高値と最安値
まずは最初に富士重工業株価の最高値と最安値を確認します。(動画0:40~)

・最安値→402円(2011年11月24日)
・最高値→4,584.5円(2014年12月8日)
何と富士重工業クラスの会社でも、最安値から最高値まで約3年で株価が10倍以上になっています。株価急騰の銘柄、とかく新興市場銘柄に注目が集まりますが、ドッコイ東証1部にも、株価10倍オーバーの銘柄がある、ということです。
2011年内に富士重工業の株を買って、2014年末まで持っておられる方、オメデトウゴザイマス。けど、これだから株はやめられないんでしょうね、ホント。
富士重工業の株価の現在位置
次に富士重工業の株価の現在位置を確認します。2015年4月14日(火)終値は3,960円でした。(動画2:00~)
<ポイント>
①最高値と最安値のフィボナッチリトレースメント23.6に未達
②ペナントを形成し、下落のトレンドラインに沿いながら下落中
③3,650~3,900円近辺に窓が存在
富士重工業の株価の現在位置を考える上でのポイントは3つあります。
1つ目は、最高値と最安値のフィボナッチリトレースメントの23.6をまだつけていない、という点。最高値4,584.5円をつけた後、下落基調の富士重工業の株価ですが、最高値と最安値にフィボナッチリトレースメントを引くと、下落基調とは言えまだリトレースメント23.6には到達していません。

トレンド相場の際も、リトレースメント23.6に戻りをつけてから再度トレンド方向に行く相場が多いです。しかしながらトレンドが強いと、リトレースメント23.6を付ける間もなく、再度トレンドに入る場合もありますので、悪しからず。
2つ目は、ペナント(三角保ち合い)を形成し下落のトレンドラインに沿いながら株価は下落中、という点。

最高値の4,584.5円を付けた後、ペナント(三角保ち合い)を作りつつ、トレンドラインに沿って株価は下落しています。またペナントを形成ということで、現在の富士重工業の株価はスクイーズ=次の値動きのためのエネルギーを溜めている状態、と言えます。
3つ目は、3,650~3,900円近辺に窓が存在しているという点。
開いた窓は必ず埋まる、というものではありませんが、窓は埋まる可能性は高いので、今後の富士重工業の株価の値動きを考える時に、窓の存在は十分に認識しておくべき存在となります。
富士重工業の株価は上がる?買い目線での株価予想
富士重工業の株価は、再度上昇トレンドに入って上がるのか?まずは「買い目線」で富士重工の株価の分析と予想を行います。(動画5:40~)
<ポイント>
①最高値4,589.5円
②5,000~5,300円近辺
買い目線で富士重工業の株価を見た時のポイントは2つ。
1つ目は、最高値の4,584.5円という価格。

すぐ上に過去の最高値があるので、当然と言えば当然ですね。現在のペナントを上にブレイクすれば、目指せ最高値、という状態です。
2つ目は、5,000~5,300円近辺という価格。

上記の図のように、最近の安値から2本のフィボナッチエクステンションを引きます(茶色と赤色)。すると、ペナントの安値から引いたエクステンション(赤色)161.8が5,000円近辺、2014年5月21日の安値から引いたエクステンション(茶色)128.2が5,200~5,300円の間にひかれます。
この2つでフィボナッチエクステンションのクラスター(固まり)が形成されているので、富士重工業の株価が最高値4,584.5円を上にブレイクすると、次なるポイントは、5,000~5,300円近辺となると考えられます。
富士重工業の株価は下がる?売り目線での株価予想
富士重工業の株価、もう上がりすぎたので、このまま下落だろう、という「売り目線」で株価の分析と予想を行ってみます。(動画8:43~)
ポイント
①窓下限とフィボナッチリトレースメント23.6がほぼ同位置
②フィボナッチリトレースメント38.6の3,000円近辺
売り目線で富士重工業の株価を見た時のポイントは2つ。
1つ目は、下に存在している窓の下限と最高値と最安値のフィボナッチリトレースメント23.6がほぼ同位置にあること。

富士重工業の現在の株価の値位置から、株価が下がる=窓を埋める、ということになります。となると既に指摘したように、リトレースメント23.6をまだつけていない富士重工業の株価は、窓埋め+リトレースメント23.6の到達が同時に行われる可能性が高いと考えられます。
2つ目は、フィボナッチリトレースメント23.6の下にある、リトレースメント38.2の3,000円近辺。
3,000円というピタットくる数字でもありますし(案外効くんですこういうのが)、このリトレースメント38.2のライン、過去最安値から立ち上がる際に、サポートとレジスタンスとなったラインです。

となると、次に下落の際も意識されるポイントとなってきます。リトレースメント38.2というライン、3,000円という数字、過去効いてきたラインという実績から、窓埋め+リトレースメント23.6を下に抜けると、要注意となります。
ペナントブレイク後、Wトップの可能性もあり
毎回、買い目線と売り目線の2つの見方の紹介としていますが、今回はもう1つの見方もご紹介させていただきます。(動画11:05~)
富士重工業の株価については、最高値近辺でM字のパターンとなり(Wトップ)そのまま下落、という可能性もあります。
「ジャパンディスプレイ」の際に説明した、ハーモニックパターン程、理論化されたパターンではありませんが、天井を2つつけてM字となって株価が下落するパターンの可能性もあります。

富士重工業の株価が上昇した場合でも、ペナントの下辺から引いたフィボナッチリトレースメント(赤)の78.6~88.6までの上昇にとどまり、その近辺で下落、というのは、リトレースメント的には教科書的な値動きとなります、
更に言えば、そうなった場合の株価の値動きは、典型的なペナントのだましパターンとなります。上に行きますよ、と見せかけて、最終的に下落する、という。そうなると、リトレースメント78.6~88.6まで一旦上昇、その後、ペナントまで逆戻り、そしてその後に下落して窓埋め、というパターンも考えられます。
今回の富士重工業の株価、下に大きな窓が空いているるので、上に一旦行っても戻される可能性もあり、注意が必要なペナントブレイクと考えます。
富士重工業の株価予想のまとめ
今回は以前の「ホンダ」に続き、自動車業界第2弾として、富士重工業の株価を取り上げました。
素の目で富士重工業のチャートを見れば、上昇トレンドの途中の停滞中、と見る方が殆どだと思います。そして、現在のスクイーズ=停滞を抜ければ、再度株価は上昇、と考えるのが一番スマートではあります。
ただし、日経平均株価等の全体の株価が過熱気味になっており、今後株価全体が調整の入る可能性も否定できません。また富士重工業の場合は、下に大き目な窓も空いており、買い一辺倒というスタンスは注意が必要。スクイーズ(停滞)の後の値動きは読めない、と元々管理人は考えているので(と言うより、スクイーズの後の動きを読むノウハウが無いだけかもしれませんが)、富士重工業がペナントをブレイクした後の株価の動きは、上昇or下落は五分五分と考えています。
ともあれ、今後の富士重工業の株価の動きで見ものは、下の窓を埋めるかどうか。富士重工業の好調の背景にある、米国経済は引き続き好調のようであり、株価チャートに関係なく、富士重工業の株価は上昇を再開する可能性もあります。
果たして富士重工業の株価は今後どう動いて行くのでしょうか?今後も注目したいと思います。
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