GMOの仮想通貨マイニング事業が赤字転落、ビットコイン価格下落でビジネスモデル変更

Sponsored Link

総額100億円を投資すると表明したGMOインターネット<9449>の仮想通貨事業。事業開始の当期はビットコイン価格の下落の影響から、マイニング事業においてQ2は赤字に転落。GMOはマイニング事業のビジネスモデルを、マイニングからマイニングマシン販売に方向転換することになりました。

低迷が続く仮想通貨の価格、仮想通貨ビジネスを行う企業にとって厳しい状況が継続しています。

PS 2018年12月最終週にGMOは仮想通貨事業について▲350億円の減損を発表!マイニングマシン事業は損切りして撤退することになりました。
GMOが▲350億円でマイニングマシンを損切し自社マイニング事業も減損、倒産はないが非常に痛い

GMOの仮想通貨マイニング事業がQ2に赤字転落

GMOインターネットは昨年度から仮想通貨事業に結構な額を投資しています、昨年9月の仮想通貨事業の説明会では総額100億円を投資すると発表していました。。元々FXビジネスやっていているので、仮想通貨交換事業はお手の物と考えられますが、もう1つ力を入れているのが仮想通貨のマイニング事業。

GMO自らがマイニング事業者として、北欧にマイニング施設開設して、更に自らマイニングマシーンを開発してと、相当力を入れて準備してきた事業です。

所が2018年に入りビットコインを始め、仮想通貨の価格は軒並み下落。7月にようやく回復に向かうか、と思う値動きを見せましたが、8月に入って7月分の上昇は殆ど帳消しに。

そんな中で発表されたGMOインターネットの中間期決算、注目していた仮想通貨部門のマイニング事業はQ2は売上自体は増加したものの、3.6億円の赤字に転落(Q1は1.9億円の黒字)。同社のIR資料自体に、赤字は想定外、と記載される事態となりました。


GMOインターネット2018年12月期Q2決算発表会資料

マイニング事業の赤字の原因はビットコイン価格の下落

GMOのマイニング事業の赤字の原因は明白で、ビットコイン(BTC)価格の下落です。

昨年末20,000ドル目前の水準にあったBTC価格(ドル建て)は、2018年に入り急落。GMOのQ2期末の6月末には6,000ドル付近にまで下落しています。

Q1は6,500~17,000ドルの間で推移(というより下落)していたのでマイニング事業で約2億円の営業利益を上げていましたが、Q2は6,000~9,900ドルの間で上下しておりQ2の平均BTC価格はQ1に比べると、ザックリ計算して7割程度に落ち込んでいます。6,000ドル付近で価格が低迷していた期間が長かったので、6割程度に落ち込んでいても不思議ではありません。

ともあれGMOが昨年度から注力して投資してきたマイニング事業は、Q2から約4億円の赤字を計上する事業に。

GMOとしてもさすがに赤字は想定外として、ビジネスモデルの変更を余儀なくされました。

今後はマイニングマシーンの販売に注力

GMOの仮想通貨事業の入れ込み方が本気なのは、自らマイニングマシーンを開発してしまった所に見て取れます。

そして今回、BTC価格の低迷を背景にマイニング事業が赤字となってしまったのを契機に、GMOはマイニングマシンの販売に注力することを決定。

既に10月発売予定の第一弾マシン(1,999USD)は売り切れ。第二弾のマシン(1,999USD)が10月に再投入される予定です。

GMOが電気代の安い北欧を探して展開していたマイニング事業が赤字の中、個人や他の法人がGMOのマイニングマシン使って黒字になるのか?、という素朴な疑問は残りますが(笑)、ともあれGMOグループとしては投資額の回収を図る意味で、マイニングマシンを自分で使うより外販に力を入れる事を決断。ま、中国のマイニングマシンの会社・BitMainは営業利益3000億円水準のとんでもない会社になっているので、GMOの方針転換はビジネス的には“あり”ではないかと。

まさかGMOがハードを売る会社になるとは、PC好きとしては思いもよりませんでしたが。

Sponsored Link

仮想通貨全体としては9月のSECのビットコインETFの判断待ち

7月に上昇したビットコインを始めとする仮想通貨ですが、上昇の理由はSEC(アメリカの証券取引委員会)が8月にビットコインETFの承認判断を行う、という材料。

ところがSECは判断を9月に延期すると発表し、それまで期待感で上昇していた各仮想通貨が一気に下落する事態となっています。

足元は完全にSECの判断に振り回されている仮想通貨の価格ですが、9月にビットコインETFをどうするか判断するとSECが発表しているので、仮想通貨市場全体としてSECの判断待ちとなっています。

もしSECがビットコインETFに対してNo、としてしまうと、更なる下落の可能性は否定できません。Yesとなるのがベストシナリオですが、一寸先は闇ですので、楽観視は禁物。

ビットコインの価格もこれ以上下がると、マイニングでは何をどうしても利益が上がらない状態になりかねません。よってマイニングマシーンのハード売りに方針転換したGMOですが、ここから先更にビットコインの価格が下落すると、そもそもの仮想通貨ビジネス自体が成り立たなくなる可能性もあります。

9月に予定されているSECのビットコインETFの可否判断、関係者一同固唾を飲んで見守る状況です。

まとめ

気が付けば2018年も既に半分以上が経過しており、ビットコイン価格は低迷の期間が既に半年以上続いています。7月の上昇は8月早々既に効力を失っており、結局元に戻ってしまいました。

GMOの仮想通貨事業も、マイニング事業は特に想定外の事態に襲われおり、赤字に転落しています。当初予定されていた個人向けのマイニングサービスも、Q2の決算説明会資料では言及が無くなっています(自分の所の赤字の事業、まさか個人向けサービスとして募集する訳にはいきませんので)。

やはり仮想通貨ビジネスは仮想通貨の価格に大きく左右されます。果たしてビットコインを始めとする仮想通貨の価格は、回復して有望なビジネス分野としての再度注目を浴びることになるのでしょうか。

まずは9月のSECのビットコインETFの可否判断に注目したいと思います。

仮想通貨のライティング承っています、お気軽にお問い合わせ下さい。
Webライター始めました

ビットコインの関連記事
GMOが▲350億円でマイニングマシンを損切し自社マイニング事業も減損、倒産はないが非常に痛い

ビットコインのテクニカル分析もできるトレードステーション

スポンサードリンク
スポンサードリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です