NVIDIAが仮想通貨のマイニングに見切りをつける、マイニングブームの終焉

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NVIDIAが仮想通貨マイニングビジネスの売上は読んでない、と決算発表の際に宣言。2018年に入り下落する仮想通貨価格に、マイニングマシン向け半導体を提供するNVIDIAは見切りをつけた形となりました。

仮想通貨価格にダイレクトに左右されるマイニング事業、今後の行方はどうなるのでしょうか?

悪くないNVIDIAの2019年Q2決算

PCのグラフィックチップ(GPU)メーカーとして知られていたNVIDIAですが、気が付けば自動車の自動運転には欠かせない会社となり、株価も急騰、今や株式市場でその名を知らない人はいない会社となりました。

そんなNVIDIAが2019年Q2決算を、遅めに発表。売上高31.2億ドル(対前年同期比+40%増)と良好な内容。またEPSも市場予想1.84ドルのところが1.94ドルとなり、好調を維持。

さすがはNVIDIAと思わせる数字ですが、非常に興味を引いたのは仮想通貨マイニング向けの売上の減少。マイニング向けの事業を含むOEM&IP部門は売上を前年同期比で▲54%減と半減しています。

全体で見れば増収増益で良いな内容なのですが、やはりここにも仮想通貨価格の下落の影響が・・・、と思ってしまったので取り上げてみます。

仮想通貨の下落とともにマイニングブームも終焉

2018年に入り一気にビットコインを始めとする仮想通貨の価格が下落しています。仮想通貨はその仕組み上、仮想通貨の発掘する(といってもツルハシでやる訳ではなく常時PCを走らせる)マイナー(発掘者)の存在が必要不可欠です。

マイナーがマイニング用のPCを四六時中走らせることによって、仮想通貨はそのインフラを維持できる訳ですが、マイナーはPC代や電気代がかかる代わりに報酬として仮想通貨を得ることができます。(相当大雑把な説明ですが)

仮想通貨の価格が高ければいくらコストを払っても、発掘すればするほどもうかる訳で、昨年の仮想通貨価格が急騰した際は、日本ではマイニングブームとも言うべき現象が発生しました。PCパーツ屋でGPU(マイニングに必要不可欠)が品薄になる等、影響がでており、PC雑誌以外の雑誌でもマイニングの特集が組まれる程でした。

ただしマイニングを行うためには常時PCを動かし続ける必要があり、PCの初期コストに加え電気代が必要不可欠。PCの減価償却を何年(何か月?)にするかの問題はありますが、PC代+電気代<仮想通貨価格、の場合は、マイニングすればするほどもうかります。

一方で仮想通貨の価格が下落して、PC代+電気代>仮想通貨価格、となると単なる赤字の垂れ流しであり、だれもマイニングなんて新たにしようとは思わなくなります。

ドル建てで見て昨年末20,000ドル目前だったビットコインが今や6,000ドル台なので、マイニング業者も古参組を除くと大半が赤字と考えられます。現状新たにPCを買ってマイニングを行おうとは、趣味の世界以外では思えない状態です。


・2017年12月には20,000ドル目前だったBTC/USDは今や6,000ドル台

NVIDIAは仮想通貨関連の売上を見込まないと宣言

マイニングマシンにはGPUというNVIDIAが最も得意とする半導体が必要不可欠であり、NVIDIAは昨年仮想通貨銘柄として取り上げられる機会もありました。しかしながら今年に入っての仮想通貨価格の下落により、仮想通貨関連ビジネスは大幅に減少。

更に驚いたのはCFOのコメント。

「当社収益の見通しでは、仮想通貨関連の商品はおよそ1億ドルまで下落することを予測していた。しかし実際のその収益は、1800万ドルという結果だった。仮想通貨が今年の重要な収益源になると以前は予測を立てたが、今後に関してはそれに何の貢献も見込んでいない」(コインテレグラフより

NVIDIAはもう仮想通貨のビジネスはほとんどスルー状態。そうかここまでマイニング需要が減退しているのか・・・、と少々驚き。

NVIDIAが選択と集中で仮想通貨ビジネスを切る決断を下しているのかもしれませんが、それにしてもマイニング市場の厳しさを改めてNVIDIAの決算で知る事となりました。

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GMOもマイニング事業がQ2に赤字転落しビジネスモデルの変更を余儀なくされる

国内で仮想通貨ビジネスに大きな投資を行い事業の柱としようとしている会社の1つがGMOインターネット。自らマイニングマシンの開発を手掛け、マイニング施設まで北欧に開設し、当期より意気揚々と事業をスタートさせています。

しかし予想外の仮想通貨価格下落により、先日発表したQ2決算ではマイニング事業がいきなり赤字に転落しています。

関連記事:GMOの仮想通貨マイニング事業が赤字転落、ビットコイン価格下落でビジネスモデル変更

さすがにGMOもマイニング事業での赤字は読んでなかったようで、ビジネスモデルの変更を発表。これまでのマイニング中心のビジネスモデルから、マイニングマシーン販売へ方針を若干変更しています。

GMOのマイニングマシンの評価は高いようですが、マイニングマシン向けの半導体を作っているNVIDIAはもうやめた、と言っている訳で、厳しい状況が続く気配があります。

世界最大のマイニング会社のBitMainのIPOはどうなる?

世界最大のマイニングマシンメーカーは中国のBitMain。BitMainの存在もあり、中国は世界最大のマイニング大国となっています。

このBitMainはユニコーン企業として知られており、香港市場にIPOを計画中。約180億ドルの資金調達を予定しています。

BitMainはマイニングマシンの製造販売を行うのみならず、自らも世界最大級のマイニング事業者となっています。

中国国内ではマイニング施設を内陸部に異動させる等で電気代のコストを抑え、マイニングのコストが下落しており採算的には問題は生じていないようです。しかしながら、仮想通貨価格の低迷が続けば、会社の維持は可能であっても成長は望めないため、仮想通貨価格の低迷はBitMainのIPOにも大きな影を落とすことになりそうです。

関連記事:マイニングメーカーのBitmainが香港市場へIPOを申請、成長性はスゴイが腑に落ちない点も

まとめ

GPUと言えばNVIDIAというほどの会社であり、仮想通貨のマイニングにGPUが必要不可欠、と知った時は、面白いなーと思ったものです。

ただし仮想通貨の低迷を理由に、NVIDIAがもう仮想通貨関連の売上は読まない、宣言をしており、やはりIT業界は流れが速い、と再認識してしまいました。GMOもマイニング事業は赤字になってますし、マイニング事業は仮想通貨の価格が上がらないと、少なくとも成長事業とはなりえない状況下にあります。

NVIDIAは仮想通貨ビジネスがなくとも、ゲーム関連及び自動運転ビジネスでその成長性は投資家から期待感を今も抱かれ続けています。

NVIDIAに見放された形となった仮想通貨のマイニング事業、果たして今後どのような展開をたどるのでしょうか。簡単に言えば仮想通貨価格がその命運を握っており、マイニングビジネスという観点でも仮想通貨の今後の価格推移に注目したいと思います。

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