フィスコがハッキングのあったZaifに50億円を支援表明、しかしお金はどこにある?

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仮想通貨取引所Zaifでハッキングにより67億円の資金流出が判明!そして50億円の支援を表明したのが金融情報サービス提供で自らも仮想通貨取引所を運営するフィスコ。

しかしフィスコの決算を見ると即座に50億円を出せる程のの体力はなく、先行きに不透明感が残ります。

既に当局から2度の業務改善命令を受けており、更に今回のハッキング発生で、Zaifはどこかの企業グループに支援を求めざるを得ない状況です。果たしてZaifを支援するのはフィスコですんなり収まるのか?今後の展開が注目されます。

Zaifでハッキングによる仮想通貨流出が発覚

当局から既に2度の業務改善命令が出ていた、大手仮想通貨取引所の一角Zaifでハッキングによる仮想通貨流出が発覚しました。

ビットコイン、ビットコインキャッシュ、モナコインの3種類で計67億円が流出。その内で顧客資産が45億円であり、コインチェックの顧客への返金額463億円に比べれば約10分の1の金額ですが、やってしまったことに違いはありません。

Zaifを運営するテックビューロはこれまで当局から2度の業務改善命令を受けており、それ見た事か、と金融庁方面は冷たい視線をZaifに送っていることは容易に想像できます。Zaifも遂にやってしまったか、とトレーダーからの評判は決してよろしくないZaifに対しては管理人も同感だったりします。

フィスコがZaifの支援を表明

そしてやってしまったZaifに対して支援を表明したのが金融情報提供会社のフィスコ<3807>。フィスコは仮想通貨関連ビジネスに積極的でグループで自前の仮想通貨取引所(フィスコ仮想通貨取引所)を設立してしまった程。ただしビットフラヤー、コインチェック、Zaifに比べると2番手集団の位置付けで、そんなに仮想通貨取引所としては名前を知られている訳ではありません。

大手がやらかしてしまった後はM&Aの絶好のチャンス到来な訳で、フィスコがZaifに救いの手を差し伸べるという行為自体は、シェアを取りに行く千載一遇のチャンスです。そう考えればフィスコがZaifの支援表明するのはビジネス的には何ら不思議ではありません。

Zaifを運営するテックビューロ社では下記のようにプレスリリースが出ています。

JASDAQ上場企業である株式会社フィスコのグループ企業である株式会社フィスコデジタルアセットグループの子会社を通じて、弊社に対して、50億円を提供する金融支援、弊社の株式の過半数を取得する資本提携、過半数以上の取締役及び監査役の派遣、を検討する内容とする基本契約を締結するに至りました。(テックビューロのプレスリリース

50億円の金融支援に、株式の過半数の取得、取締役の過半数の派遣、ま当然と言えば当然の内容です。

ふーんこれでZaifはフィスコの傘下入りかな、と何気に思ったのですが。チョット待て、フィスコって50億円もポンとお金出せる会社なのか???それを考えるとZaifがフィスコの傘下入り、すんなり行くとは言い切れない可能性があります。

フィスコの業績推移

フィスコの業績推移は下記となっています。

2015年12月期 売上高102億円、経常利益▲10億円、当期純利益▲1億円
2016年12月期 売上高140億円、経常利益▲10億円、当期純利益▲12億円
2017年12月期 売上高146億円、経常利益▲0.6億円、当期純利益6億円
2018年12月期予想 売上高136億円、経常利益9億円、当期純利益6億円

経常利益ベースだと3期連続の赤字の会社なのね・・・。2017年12月期は投資有価証券売却益29億円(一方で減損が17億円発生)があり、当期純利益は6億円の黒字化。

仮想通貨・ブロックチェーン事業は営業利益8億円としっかり利益が出ていますが、実は自己勘定のトレードだったりします・・・

フィスコ仮想通貨取引所が運営する仮想通貨取引所においては、未だ取引手数料が実装されていないため、主にサンダーキャピタルなどの仮想通貨に対する自己勘定投資によって売上と収益を計上しております。この結果、仮想通貨・ブロックチェーン事業の売上高は900百万円、営業利益は750百万円となりました。(フィスコの2017年12月期決算短信

しかし久しぶりにフィスコの決算短信見ましたが、金融情報から仮想通貨取引所、ネット旅行代理店に農業事業(ミニトマトの栽培)と色々な事してますね・・・、驚きました。

金融情報の提供だけではシンドイだろうなー、と思って2006年の新興バブル時にIPOを見てましたが、こんな姿になっていたとは。

フィスコは50億円をどこからひねり出すか?

フィスコの足元の業績は分かったとして、Zaifに50億円支援するって、そんなお金をフィスコが持っているかと言えば、正直分かりません。

2017年12月期末時点の現預金23億円、2018年6月中間期の現預金12億円と、とても自身で50億円を出せる財布は持っていません。

9月に転換社債型新株予約券付社債で10億円の資金調達を実施していますが、それでも50億円には足りない・・・。

うーむ50億円をZaifに突っ込むと言っているフィスコですが、そのお金は一体どこから出すのでしょうか?素朴な疑問です。

9月の資金調達はファンド(投資事業有限責任組合デジタルアセットファンド)から調達しているので、そこから再度調達するのか???

いずれにしても正直お金の裏付けに乏しい支援表明なので、今後一波乱あってもおかしくはありません

それに金融庁が、ハイそうですか、と認めるとも思えず・・・。ネット証券業界ではシンドい立場になりつつあっても、コインチェックを支援したマネックスグループは黒字で企業体力もあるしっかりした会社でした。しかしフィスコは正直他人の面倒見ていられるほど体力のある会社ではないような・・・。

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影の主役はマネーパートナーズ?

Zaifを運営するテックビューロの会社概要で株主の名前を見ると、フィスコの名前もありますがFX会社のマネーパートナーズ<マネーパートナーズグループ:8732>の名前も存在しています。

テックビューロの会社概要

マネーパートナーズは中堅のFX会社ですが、いちはやく仮想通貨事業への進出を発表しています。しかしながら具体的に何かしているかと言えば、現状形になった事業はなく、それでも同社の奥山社長は、仮想通貨の業界団体の日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)の会長だったりと、不思議な状況にあります。

日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)のサイト:https://jvcea.or.jp/

マネックス程ではないにしても、2018年3月期末に125億円の現預金を持っているマネーパートナーズなら、Zaifを支援する体力は持っています。

仮想通貨取引所業界は既に陣取り合戦状態なので、マネーパートナーズはどうするんだろ、と思っていましたが、ちょうど規模的に手ごろな案件が出た状態じゃないかと。それも出資先ですし。

Zaifの支援はフィスコで決まり、とすんなり行ってしまう可能性もありますが、フィスコの財布的に一波乱ある可能性もあるので、一波乱あった時にはマネーパートナーズの名前が出てくる可能性が高いのではないかと。

テックビューロはジャフコはじめVCが多く出資しているので、最後は高いお金で株を買ってくれる先が支援先になります。さてどうなりますか。

まとめ、仮想通貨取引所の再編が着実に進んでいる

Zaifの不祥事でまた国内の仮想通貨取引所の再編が、もう一歩進む可能性大です。金融庁の業務改善命令を2度も受けていたZaifであり、今回のハッキングで身売りは免れないと考えられます。

8月に楽天がみんなのビットコイン(トレイダーズHDのグループ会社)を買収して、9月に入って世界的大手取引所Huobi がbitTrade(FXトレードフィナンシャルのグループ会社)を買収して、そして今回のZaifの不祥事によるフィスコの支援表明。国内の仮想通貨取引所は2018年に入り、マネックスグループのコインチェック買収に始まり、結構なスピード感で再編が進んでいます。

足元ビットコインを始めとする仮想通貨の価格は低迷を余儀なくされていますが、次に価格が上昇の際は、健全な取引環境下で仮想通貨取引がなされる状態に少しずつ進んでいると考えられます。

しかしZaifは最終的にどこの企業が傘下に加えることになるのか。フィスコの企業体力がそんなにないだけに、今後の展開に注目したいと思います。


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