2015年のGPIFの赤字は5.5~9兆円の見通し

 どうやら2015年のGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は通年で赤字決算となる様子。昨年度15兆円と最高益を達成してGPIFでしたが、リスクを取る運用にシフトした結果、2015年夏のチャイナショックと2016年初の株価急落の影響をもろに受け、残念ながら赤字決算に陥る可能性大。

 2015年の赤字は特殊な年になるのか、それとももう株でパンパンのポートフォリオのGPIF、後の成績は相場次第になるのか。アベノミクス相場を演出したGPIF、宴の後をどう始末をつけるのか。今後難儀な舵取りが予想されます。(2016年4月12日更新)

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2015年9~12月は4.7兆円の黒字を計上

 チャイナショックで7.8兆円の運用損を計上し話題となったGPIF。ただし相場は平常モードに戻れば、さすが当然のように利益を出してきます。チャイナ・ショックの後の9~12月は4.7兆円の運用益を計上、さすが。

「GPIF 平成27年度第3四半期運用状況」

 チャイナショックのあった第2四半期が▲7.8兆円だったので、確かに第3四半期黒字ではありますが、残念ながらチャイナショックのカバーはできず。当期の収益額は以下の通り。

1Q→26,489億円
2Q→▲78,899億円
3Q→47,302億円
累計→▲5,108億円

16.3.2GPIF運用成績-min

 3Q(第3四半期)は1Q以上の運用益を上げたGPIFではありましたが、7.8兆円の運用損を計上したチャイナショックの影響は大きく、通期の累計で見ても当期は5,000億円以上の赤字。黒字まであと一歩ではありますが。

 3Qの数字が見えた2015年末、GPIF関係者一同は、何とか2015年度も黒字化しそうだ、とホットしたのでは?しかしながら2016年初の相場が株価急落に見舞われるとは誰も予想していなかった訳で、残念ながら2015年度は通期での赤字はほぼ確定と言えそうです。

 ちなみにチャイナショックの際の記事は下記です。

2015年度は5.5~9兆円オーバーの赤字の予想

 2016年初の株価急落で運用関係者はいずこも頭を抱えている訳ですが、GPIFも例外ではありません。特にGPIFは図体がデカイので、相場から逃げたくても逃げられません。詳しくは下記をどうぞ。

 2016年初の株価急落でGPIFもやられているだろうなぁ、と思っていましたが、2015年は通期で9兆円オーバーの赤字になる予想が出ていました。

日経平均株価は年初から約15%下落し、為替相場は約7円の円高・ドル安になった。現在の相場水準が3月末まで続くと、野村証券の西村昌宏チーフ財政アナリストの試算では、15年度は9兆2787億円の大幅な運用損失が出る計算になる。(2016/3/2日本経済新聞)

 2015年は3Qまでの累計で5,108億円の運用損を出しているGPIF、年度で9兆2,787億円の運用損となると、4Qは8兆7,679億円の赤字、という予想になります。
 4Qの赤字はチャイナショック超え、ということになりそうです。まぁ、チャイナショックの際はオッと思っていたら相場は戻りましたが、2016年初の株価の下落は3月に入っても戻っていないので、相場が現行水準で推移すれば、チャイナショックを超える赤字計上、というのは納得のいく数字ではあります。

 一方、4/5には5.5兆円の評価損、という報道もありました。

「GPIFの評価損は5.5兆円か、参院選後に公表先送りとの見方も」(ブルームバーグ)

 5.5兆円説はSMBC日興証券の試算。
 
 5.5兆円とか9兆円とか、庶民には訳の分からない数字ですが、ともあれ巨額損失(正確には含み損)がGPIFには生じている、ということは間違い無さそうです。

7月29日に運用成績は公表予定

 例年7月上旬に公表されるGPIFの運用成績ですが、2015年度のGPIFの運用成績は7月29日に公表予定。

 今年は7月10日に参院選が予定されており、参院選前にGPIFの赤字を公にできないとか何とか言われています。真相は分かりませんが、公表時期にかかわらず、GPIFが2015年度に一体いくら損を出しているか、注目せざるを得ません。

評価損とは言うけれど・・・

 GPIFの損失、確定した損ではなく評価損です。評価損だから目先は大丈夫・・・、という説明が今後なされるかもしれません。

 ま、確かに評価損なので目先慌てる必要はない、というのは正しいです。けど、既に支払超過=資産の取り崩しが始まっている年金、相場が反転しないといずれ含み損は現実損として計上せざるを得ません。(これが「積立>支払い」であればナンピンで相場の反転も待てます)

 ちなみに運用の現場で、ファンドの出資者に結構な額の評価損を「評価損だから大丈夫ですよ」と涼しい顔して説明したら、大丈夫かこの運用会社・・・、と思われます。

 確かに評価損、されど評価損。目先の評価損に一喜一憂するのも考えものですが、じゃあその評価損の推移がどうなっているのか、というのは注視する必要があります。

自主運用を開始した2001年度以降赤字は過去5回

 2016年初の相場で利益を上げられれば本物ですが、まぁそうは問屋が卸さない訳で、残念ながら2015年度は赤字の見込みのGPIF。この相場だからしょうがない・・・、との声も聞こえてきそうですが、過去赤字の年度があったかと言えば、過去にも年度ベースで赤字を計上しています。

 GPIFが自主運用を開始した2001年度以降、日本及び世界の株式市場は何度も波乱があった訳ですが、当然GPIFもその影響を受けています。過去の数字を見ると、過去の保守的運用スタンスの際にもGPIFは赤字を計上した年度が存在しています。

・2001年度▲5,874億円
・2002年度▲24,530億円
・2008年度▲55,178億円
・2009年度▲93,481億円
・2011年度▲2,999億円

 2001~2002年のITバブル崩壊の際と、2008~2009年の際にもGPIFは2連連続赤字を計上しています。
 
 年金とは言っても相場を張っている訳で、そりゃ絶対的に毎期毎期儲けるのは無理、と思ってみれば損が出る年も仕方ないです。要は累計でどうなっているのか。その意味では累計で、自主運用開始後50兆円超の運用益を出しているので、タマにやって来る相場の嵐に遭遇して赤字を出すのは仕方ないと言えます。

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問題は来年度の成績

 GPIFの運用損、評価額だからガタガタ騒ぐでない、というお話も耳にします。確かに目先は評価損ということでスルーもできますが、年間通して損だとさすがにマズイ。それに既に支払い超過となっている日本の年金制度、GPIFの保有資産も徐々に取り崩している訳なので、評価損のモノはそのままで・・、という訳には当然参りません。

 確かに四半期ベースで赤字で大変、と言うのは少々騒ぎ過ぎの感はありますが、年度ベースで赤字となると黄色信号ではあります。過去2期連続赤字を計上した年もあるので、その意味では2016年GPIFの運用成績がどうなるのか、が最大の試金石。
 2015年度が試算通り9兆円を超える運用損として、じゃあ来年どうなるのか?

 2015年度の運用損が2009年度のリーマンショックの際の損より多くなってるじゃないか、と言われれば当時と比べてリスクを取りに行っているので当たり前。それはいいとして、2年連続で結構な赤字となると、そもそも運用体制の見直しとは何だったのか・・・、となりかねません。

2016年度はGPIFの運用力の実力が試される年

 2015年度のGPIFの赤字はほぼ決まりとして、GPIFの鼎の軽重が問われるのは2016年度。

運用資産に占める国内株式の割合は15年末時点で23.35%。同年9月末から2ポイント上昇した。外国株式は22.82%で過去最高。いずれもGPIFが目安にする25%に接近した。現在は買い余地が乏しくなっており、野村証券の西村氏は「1年前に比べ、円安・株高に働きかける力が弱まっている」とみている。(2016/3/2日本経済新聞)(

 クジラと言われているGPIF。要はこれまで利益を上げられたのは、自らの買いが買いを呼ぶ、という力技で運用パフォーマンスを上げてきた面が大きいです。後場の終わりにかけて、ありゃーなんじゃこの買いは、というのが昨年は多かったのですが、クジラさんの仕業でしょう、恐らく。(まぁその筋の人から見れば、バレバレだったようですが)

 そして、すでに買い上げ余力が乏しくなっているGPIF。運用機関として試されるのは、クジラ買いが出来なくなった後、そのスタートが2016年度ということになりそうです。今までの力技が使えなくなった後、果たしてGPIFは自らの知恵と能力でどうパフォーマンスを上げていくのか、トレードに関わるものとして管理人は興味津々です。

まとめ

 GPIFの赤字を捉えて批判するのは簡単ですが、管理人もサラッとしか知らない世界。チャイナショックの赤字の際は、評価損だから・・・、との説も多かったのですが、相場が戻らなければ評価損もいつか実現損を出さざるを得ないのでは?、とも思いました。まぁ、四半期での赤字で運用会社に冷たくするのは少々かわいそうですが、年度の赤字だとさすがに黄色信号。ちなみに2期連続赤字だと、廊下に立ってなさい(最近こーいう場面は漫画でもないだろうなぁ)、とファンドであれば出資者に言われかねません・・・。

 果たしてGPIFの2015年度の損はいかほどになるのか?成績が明らかになるのは7月29日。しばし待つと致しましょう。

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