三菱商事と三井物産が赤字転落、資源価格チャート下落は想像以上だった

 三菱商事と三井物産が揃って2016/3期は赤字に転落する様子。赤字の原因はズバリ、資源価格の下落。

 リスク管理で定評のあった両社ですが、資源とは言え相場に見事にやられてしまった格好。そして改めて原油他の各資源価格のチャートを確認すると、その下落は想像以上。

 けどさすがにここで下げ止まりかも。これを機会に資源価格のチャートを見てみました。

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2016/3期は三菱商事と三井物産が最終赤字転落へ

 日本を代表する商社・三菱商事と三井物産が、2016/3期は揃って赤字に転落するようです。

 赤字の原因は、過去に投資した資源分野の資産の減損。油田であったり、鉱山であったり等々。三菱商事は約4,000億円、三井物産は約2,600億円の減損を行う様子。
 ここ数年商社は資源分野への投資に注力してきましたが、見事に裏目に出た格好です。

 資源分野の投資は、いい時もあれば悪い時もある、ということで超長期での投資スタンスが実は大切(あくまでも事業でのお話、資源相場は全く別物)。その意味では、資源分野に関わる企業としては避けて通れないのが減損ですが、それでも両社合わせて6,000億円以上の減損ですから、その額の巨大さは驚き。

 しかし数年前の資源バブル華やかなりし頃とは風景が一変しましたね。時の流れの速さを感じます。

資源価格の下落、チャートを改めて見てみる

 三菱商事、三井物産という日本を代表する大企業が雁首揃えて大赤字を計上した資源価格の下落。じゃあ一体どれくらい下がっているか、改めて見てみます。
 
 改めて調べると、そりゃそーなるよね・・・、と納得できる部分も多いです。。。

 以下、基本的に2010年以降のチャートを並べてみました。

原油価格

16.3.24原油価格
https://jp.tradingview.com/x/8l9FUbyu/
※チャート画像はTrading Viewを利用、以下同様
※画像には「分」と表示されてますが、月足チャートです。

 原油先物(WTI)のチャートとなります。
 2011年に最高値115ポイントだった価格が、2016年2月は28ポイントへ。下落率約75%。

天然ガス価格

16.3.24ガス価格
https://jp.tradingview.com/x/JV5leUjF/

 天然ガスの先物チャートとなります。
 天然ガスの価格は2010年から高値が続いていますが、2011年4月に押し目のピークをつけた時は6.3ポイント。その後、価格は真っ逆さまに下がり続け、まさに足元の2016年3月に安値1.6ポイントをつけています。下落率は約75%。

鉄価格

16.3.24鉄価格
https://jp.tradingview.com/x/uinYD27G/

 こちらはロンドンの商品相場の鉄価格のチャート。チャートは2012年以降しか取れませんでしたが、2013年2月の最高値157ポイントから、2016年1月に最安値36ポイントまで下落。下落率約77%。

 チャート的には漸く立ち直りの兆しが見えていますが、チャート屋的にはWボトムをつけに行くのでは?、と思わないでもありません。

銅価格

16.3.24銅価格

 鉄と同じくロンドンの商品相場のチャートです。
 2011年5月以降のデータしか取れませんでしたが、2011年7月の最高値4.1ポイントから、2016年1月は最安値1.9ポイントに。下落率約53%。

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一気に減損が発生する国際会計基準の怖さ

 三菱商事も三井物産も国際会計基準の導入企業。国際会計基準の怖い所は、減損が発生する時はドカンと発生する所。

 極々簡単に言えば、企業買収や資源権益の獲得の際、最初の支払ったお金、国際会計基準だと費用計上せずに済むんです。その額は貸借対照表(B/S)に資産(のれん代)として計上。買った事業が順調であればそれで良いのですが、事業がうまくいかなくなると、資産計上したものを一気に損失計上=減損する必要が生じます。(減損するorしないで、会社側と監査法人で激烈なやりとりがありますが)

 今回の三菱商事と三井物産は典型例です。

 キャッシュフローベースの欧米流の会計の考え方を日本はここ20年取り入れて来て、日本の企業の決算書も信じるに値するものとなったのは否定しませんが、個人的にはどーもコノ企業買収等の際の「のれん代」を巨額に計上して、事業がうまくいかないとドカンと損を計上する、というやり方だけは違和感があります。
 日本の会計制度のように、のれん代を何年かに分けて償却していればこんなことにはならなかったのにね・・・、という例は今回の両社に限らず、東芝含め多くの企業の減損発表を見て思う所であります。

まとめ

 各チャートを見ると、そろそろ資源価格も下げ止まりかも、と思わないでもないチャート形状とはなっています。ただし商品価格は、需要と供給で決まる面が大きいため、となると資源を消費する対象が増えないと価格の反転というのは本格化しません。これまでは中国が資源価格上昇に一役も二役も買っていたわけですが、中国の後に資源を爆買いするような国は見当たりません。

 その意味では、仮に資源価格が底値っぽいチャート形状であったとしても、当面は現状維持のレンジ相場がせいぜいではないか、とチャート屋としては考えます。(管理人、商品相場は全くの素人なので悪しからず)

 ともあれ改めて各商品価格のチャートを見ると、三菱商事も三井物産もこれじゃ赤字を計上する訳だ、というのがよーく分かりました。体力のある両社、今回の減損で会社がどうにかなってしまう訳ではありませんが、商品価格の急騰も当面望めそうにないため、減損で負担は軽くなったとはいえ、両社ともに悩ましい時期が当面続くことになりそうです。

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