IPO投資については勝率も高いと言われ、なかなか面白そう、と思われる方も多いようです。じゃあ、IPO投資ってどうやったらいいの?
今回はズバリ、IPO投資の始め方、コレを読めば少なくともIPO投資の入り口には立つことができます。そこから先に進むかどうかは、あなた次第。そしてIPO投資を行うなら、様々な証券会社に複数の口座を持つことが必須です。
実際IPO投資を手がけようとしている方も、とりあえず興味はあるけど・・・、という方も、IPO投資の始め方についての基礎的内容を記しました。まずはご覧ください。
概要
IPO投資を始めるには、IPOに強い証券会社の口座が必須
IPO投資に限らず株式投資をしようと思うのであれば、証券会社の口座が必須です。ただし証券会社にも色々な証券会社がありますが、一般的には下記のように証券会社は分類されます。
①大手及び準大手証券
②ネット証券
今時はインターネットで株の売買をされる方が大半なので、ネット証券で口座開設して株の取引を行う方が殆どですが、どっこい大手証券でもネット事業に力を入れている会社もあり、実は以前ほどインターネット売買という観点では、大手証券とネット証券の差はなくなっています。ただしやはり大手や準大手証券会社は正直敷居が高いです。よって最初の第一歩はSBI証券やカブドットコム証券のような、ネット証券から株式投資の第一歩をスタートされる方が多いです。
ちなみに大手・準大手証券の個人営業部門の収益を支えているお客さん、実は高齢者の方が非常に多いんです。高齢者の方が、皆が皆お金を持っている訳ではありませんが、大手・準大手証券会社はお客さんの高齢化、実は結構悩ましい問題だったりします。
ただしIPO投資を行う際は、大手や準大手そしてネット証券というくくりではなく、IPOに強い証券会社に口座開設をする必要があります。
IPOに強い証券会社とは?
IPOに強い証券会社とは何かと言えば?、IPO=新規公開の際に取りまとめ役の主幹事証券や幹事グループによく名前が出ている証券会社のことです。(IPOの際は、複数の証券会社が幹事団を形成して、株を引き受けます、その代表で最も株を引受けて+IPOのお世話係をするのが主幹事証券)
企業のIPOの際に証券会社は企業の発行する株を買い取り(=引受け)ます。(※公募増資の場合)
この証券会社が引受した株が株式市場に上場されて、流通する訳です。よってIPO投資を手がけるためには、証券会社から株を手に入れる必要があります。
だからいくらガリバーの野村証券の大口顧客であっても、IPOの主幹事や幹事団に野村証券の名前が入ってなければ、IPO株を手に入れることはできませんし、逆に名前も聞いたようなことのない証券会社が幹事団に名前があって、その証券会社の口座を持ってさえいれば、IPO株を手に入れられる可能性があります。
だからIPO投資を手がける際には、少なくともIPOに強い証券会社=上場する企業の主幹事や幹事団に名前をよく見かける証券会社に口座を開設しないと、そもそもIPO投資は始まりません。
証券会社は主幹事となり将来有望な法人顧客を確保する
証券会社の仕事は、個人投資家相手に株や投資信託を販売するだけではありません。法人顧客相手に資金運用のアドバイス、資本市場での資金調達の提案、M&Aの提案等、法人顧客を相手にする部門も存在しており、大手証券になるほど法人部門の収益に占める比率が高くなります。
証券会社はIPOの主幹事を務めることで、IPO企業のメインバンク的な立ち位置を得ることができます。IPO企業がその後、大きく飛躍した際の、資金調達の手伝い等で証券会社は多くの収益機会を得ることができます(中にはIPOがゴールになってしまう企業も存在しますが)。銀行と異なり、融資取引と言う継続的なお金の関係は証券会社では存在しないものの、上場企業と主幹事証券会社の関係は切っても切れない関係となります。
証券会社にとってIPOの主幹事を務めることは、個人投資家に対するIPO株提供と言うだけでなく、将来の法人顧客獲得のためにも重要な営業活動となっています。
ただしIPO株はプラチナチケットで手に入れるのは困難
ではIPOに強い証券会社に口座を持っていれば誰でもIPO株を手に入れられるかと言えば、そんなことはありません。
一般的にも、過去の統計的にもIPO株は利益の出る可能性が高いです。よって基本的に証券会社はIPO株を大口のお客さんに優先的に分配します。特に店舗を持っている大手・準大手証券会社は。
そりゃそうですよ、証券会社は大口のお客さんに損させることもある訳で、そのせめてものお返しに、IPO株は使われます。口座だけあって、預かり資産も少なくて、投資信託も買ってくれない新規の若いお客さんにはまずIPO株は回ってきません・・・。
よって、いくら主幹事を多く務めている証券会社に口座を持っていても、単に証券口座があるだけではIPO投資はできません。
これがこれまでのIPO株の姿。正直、普通の一般個人投資家には非常に縁遠い存在で、だからNTT民営化や郵政民営化のように、タマにある超大型のIPOがあると、一般個人投資家にもIPO株が回ってきて話題となる訳です。
何と抽選でIPO株を分配する証券会社が出現
そのまま歴史が進んで行けば、IPO株は一般個人投資家に殆ど縁のない存在だったんでしょうが、そんな中で、何とIPO株の一部or全部を申込者に対して抽選で割り当てる証券会社が出現。
これまで証券会社と持ちつ持たれつの関係が必要だったIPO投資が、何と当たりクジさえ引くことができれば、誰でも参加可能な状況が一部では実現しています。この抽選でのIPO株の割当によって、IPO投資は一般個人投資家にグッと身近なものとなりました。
よって、
IPO投資の第一歩は、IPOに強くて+IPO株を抽選方式で分配している会社に口座を作る
、ここが全ての始まりとなります。
新規上場会社が発表される→口座を持っている証券会社で公募株の申し込みを行う→抽選に当たれば購入・ハズレたら次の機会に再度申込み、この繰り返しとなります。
多くの証券会社に口座開設を行うこと
IPOの際の幹事団は複数の証券会社で構成されるため、IPO株を抽選方式で分配する証券会社すべてに口座開設をしておけば、それだけ公募株を手に入れるチャンスは広がります。え?面倒くさい?けどココまでしないと、なかなか公募株手に入りませんよ。IPO投資をするのであれば、なるべく多くの証券口座の開設をオススメします。
IPO投資で成功するには、証券会社の口座数がモノを言います。IPO株を抽選形式で分配する証券会社も多数存在しており、多くの証券会社に口座を持っていれば、それだけ当選の確率が高まります。
IPOする会社の主幹事証券及び幹事団にまずは注目すべし
以上のような状況であり、IPO投資を手がけるのであれば、まずはIPOする会社もさることながら、これまでどの証券会社がIPOの際に主幹事や幹事団に加わっていたかにご注目。
主幹事はIPOの何でも係で会社としてのパワーも必要なので、大手や準大手証券会社が務めることが殆どですが、タマにネット証券が主幹事を務める時もあります。
また幹事団の名前を見ると、結構ネット証券の名前が出ていることにも気付くハズ。このご時世、株の売買する人は殆どネット証券で取引する訳なので、IPOする会社も多くのケースで一部は公募株をネット証券に割り当てて、流動性を確保しようとします。(ネット証券で売買する方は、長い期間株を持ちませんので)
売りたい時に株を売れて・買いたい時に株が買えるという”流動性”は上場株にとって非常に重要であり、特にIPO直後は流動性が無くなって株価が付かない、何てことも発生しかねないので、主幹事証券及びIPO会社はなるべく株に流動性を持たせようとします。ネット証券への割当はまさに、その流動性の確保が主眼となっています。
番外編、証券会社のお客さんになるという正攻法
抽選なんていうチマチマとしたことなんぞやってられるか!、と仰る方で+お金があれば、証券会社のお客さんになる、というのがIPO株を手に入れる正攻法です。
相応の資産を証券会社に預けて、担当者からかかってくる日頃の営業電話の相手をしてあげて、そして消し込みに追われる月末のノルマ達成に協力すべく投資信託を買ってあげて・・・、としていればいずれIPO株が回ってくる可能性があります。
持ちつ持たれつの関係が必要なので、この投資信託買ったら損するだろうなぁ、という投資信託だってお付き合いで買ってあげる気遣いも大切。(簡単に売れる=儲かる商品であれば、月末まで売れ残りませんので・・・)
正直、普通の個人投資家には手の出ない世界ではありますが、まずは抽選型のIPO投資で儲けて、その後は証券会社から直接IPO株を割り当ててもらう、何て事ができれば理想ではあります。
IPO投資の始め方まとめ
IPO投資を始めるには、下手な鉄砲数打ちゃ当たる、コレです。よって多くの証券会社での口座開設は必要不可欠。
証券会社の口座開設料は無料ですし、公募株の抽選の申し込み自体も無料なので、そもそも鉄砲を打つのは無料。そして鉄砲=証券口座がなければ、そもそも鉄砲を打つことすらできません。
そんな訳で、IPO投資を始めるには、まずは何より証券会社の口座開設。それもIPO株を抽選方式で分配している証券会社で。ココが全てのスタートとなります。
ただしIPOの幹事団で殆ど名前の出てこない証券会社もあるので、事前の下調べはお忘れなく。
IPO投資を始めるなら、まずは証券口座の開設から始めてみてください。
・SMBC日興証券は大手証券ながら公募株の一定の数量を抽選で分配しています。IPO投資に際してネット系証券の口座開設は殆どの方がされますが、大手のSMBC日興証券は盲点となります。口座開設がまだであればSMBC日興証券にも口座開設してはいかがでしょうか?
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IPOの基礎知識は合わせて下記もご覧ください
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・IPO及びIPO投資とは?意味、仕組み、ルールについて解説