2017年のIPO投資の基本と儲け方

 利益が出やすいと言われるIPO投資ですが、”投資”には変わりないので、当然損することだってあります。では、なるべく損を避けてIPO投資で勝つ方法はあるのか?

 IPO投資の攻略法は、大きく分けて2つあると管理人は考えています。1つ目は変に裁量を入れて相場を張らずシステムトレードに徹すること、②IPO銘柄の目利き力を上げること。

 ある意味システムトレードとも言えるIPO投資。ちゃんとルール通りに売買できれば、うまく利益を得られる可能性も高いですが、中途半端に裁量を入れると、実は結構やられるリスクがある投資手法でもあります。

 よほどIPO銘柄の目利き力に自信る方は別ですが、普通の個人投資家は、当った銘柄は公募で買って初値で売る、というルールの徹底が自分の身を守るりつつ利益を上げることにもつながると考えられます。

 本記事では2017年第1四半期のIPO動向を踏まえて、2017年のIPO投資で勝つための方法について考察しました。王道的ですが多くの証券口座を作り抽選に申し込む、ファンド傘下のIPOは避ける、という方法で2017年のIPO投資を攻略できる可能性があります。

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IPO投資基礎と大前提

 大前提として、IPO投資で勝つためには”初値付近で売る!”、コレが鉄則です。証券会社には思いっきり嫌われそうですが、ココを徹底しないと始まりません。

 公募価格で買った株を初値付近で売る、コレがIPO投資とまず心得てください。初値が付いた後まだ株価が上昇しそう、とか、初値で損が出た、と言い訳して、ダラダラIPO株を持っていてはダメですよ。初値で売却せずそのまま持ち越す株については、少なくとも当サイトではIPO投資とは言いませんので、ご注意を。

 全部が全部とは言いませんが多くのIPO銘柄は、IPOの後しばらくすると、株価が下がってきます。グイーンと初値の後で株価が上昇する銘柄があることは否定しませんが、全体的に言えば、それは圧倒的に少数派。であるならば、投資家の期待と不安が交錯する中、記念すべき一番最初の価格=初値、で株を売り払ってしまって、その後にダラダラ株価が下がるリスクを取る必要はありません。

 申し訳ないのですが、IPOする銘柄の殆どは一番注目されるのIPO前後。出来高も上場後数日が一番多いです。よって上場後、日がたつほど出来高が減少して、株価下落のリスクが増すのは道理です。

 公募株が手に入ったら上場の初値付近で売る、コレが鉄則です。

セカンダリー投資について

 IPO投資は後述しますが、公募株を手に入れるのに苦労します。その苦労を避けるために、IPOした銘柄をIPO後に株式市場で買う”セカンダリー投資”も最近は耳にするようになりました。
 セカンダリー投資は、ほぼシステマティックにトレードできるIPo投資とは異なり、どこでエントリーするか+どこで決済するか(利益確定or損切)については、自らで判断=裁量を入れる必要があります。
 テクニカルやPER、PBRと言った指標を使いエントリー場所を探ることができますが、コレって要は通常の上場株投資と同じことになります。

 別にセカンダリー投資自体は否定しませんが、セカンダリー投資はIPO投資と言うより通常の上場株投資と同じ形となります。IPO後に売られ過ぎている(と思われる)株を買う、と言うことになりますが、売られ過ぎているかどうかの判断をするのは慣れが必要ですし、慣れても100%当てることはできません。

 よって公募株に当たらないからセカンダリー投資、という流れで安直にセカンダリー投資を行うと、結局通常の上場株投資と同じパターンで、いつまでたっても塩漬け・・・、と言うことになりかねません。IPO後の銘柄なのでマザーズ上場等の新興株が対象となるケースが多いのですが、新興銘柄だけにひたすら下げ続ける、何て事態も容易に想像できます。

 損切ができる!、と自信を持って言い切れる方はセカンダリー投資でも充分収益を上げられる可能性はありますが、株だからそのうち上がるでしょ、的な考えの方が、IPO投資ではそもそも公募株が手に入らないからと言って、中途半端にセカンダリー投資をすると大怪我する可能性があります。セカンダリー投資を行うなら中途半端な気分でやってはダメで、セカンダリー投資をしっかりやる、と言う決意を持って自らエントリーと決済のルールを作る必要があるのでご注意ください。


公募株が手に入らないからと安直にセカンダリー投資をすると大怪我する可能性も

IPO投資で勝つ2つの方法

 公募株を手に入れて初値付近で売るというIPO投資。最初にも申し上げましたが、IPO投資とはいえ”投資”には変わりありません。当然、損するリスクもあります。ではなるべく損を避けて、利益を上げる方法はあるのか?
 管理人が考えるIPO投資で勝つ方法は下記の2つです。

①銘柄は選ばず全て申し込んで買う
②IPO株の目利き力を上げる

 
16.2.17IPO投資-銘柄を選別
IPO投資で勝つための方法論を考えてみました

①銘柄を選ばず全て申し込んで買う

 IPO投資をするためには、そもそも公募株を手に入れる必要があります。よって申し込みをしても、手に入らないケースの方が多いのですが、当っても「この銘柄はチョット・・・」、という銘柄も存在します。

 ここで裁量を入れて、買うor見送る、を考えた方がよいか、それとも何も考えずに買った方がよいか・・・。

 後述しますが、IPO銘柄が目利きできる方はどうぞ買うべきかor見送るべきかご判断下さい。そんな自信ありませんわ、という方は、下手に裁量を入れずに、公募が当ったら買う→初値で売る、これで結構です。

 正直、公募と初値の差なんて神様しか分かりません(当然、場数を踏めば何となしには分かるようになりますが、それでも100%当てるのは無理)。この銘柄じゃ初値は公募割れでしょ、という銘柄が思いもよらない初値を付けたり、この銘柄なら固い、という銘柄が公募われしたり・・・、というのはザラにあります。だから下手に裁量を入れると、本来利益が出た銘柄を外して、ババのみ掴んでしまった、なんてことだって発生します。

 だからもう素直に、初値がどうなるかなんて分かりません、と腹を括って、公募株が当ったら全部買う。

 証券会社にとって、公募価格>初値、というのは正直恥ずかしい事態。大手証券で主幹事銘柄であれば、IPO株を配った自分のお客さんに損させてしまう事態であり、極力避けようとします。(この辺りの証券会社の社内メカニズム、なかなか面白いです)タマの公募割れは相場なので、やむを得ないとしても、公募割れが頻発すれば、社内で責任問題となります。
 証券会社にとっても、公募価格>初値、というのは避けるべき事態、これは頭に入れておいて損はないです。

 そんな証券会社内のメカニズムもあるので、変に当たった公募株を買ったり・見送ったりするのではなく、IPO投資は儲かると考えて(信じて?)、継続的に申し込んで買うこと、継続は力なりです。

 これが一番簡単なIPO投資の勝利のための方法と考えます。

②目利き力を上げる

 投資家としてはIPO投資に限らず、銘柄の目利き力を上げる、というのが王道。
 IPO投資であれば、目論見書を読み込んで、事業内容・財務状況・今後の事業展開・株主状況・経営者・ロックアップ・想定価格の妥当性等を調べ上げた上で、Goするかしないかを判断。できるかどうかはさておき、これが本来あるべき姿です。

 目利き力を上げるためには、目論見書を読み込むだけではなく、類似会社を分析したり、業界動向を分析したりといった+αの努力もしなければ、容易に目利き力はあがりません。
 まぁ考えてみれば、お金を儲けようとしている訳で、それには努力が必要、というのは理解できるかと。新入社員が戦力になるのに何年かかりますか?投資の世界だって本来は一緒。濡れ手に粟なんて、そうそう転がっていません。

 だから努力無しでお金儲けをしよう、というのはそもそもナンセンス。目利き力を鍛えてIPO投資でババを掴むことなしに儲けるぞ!、と決心された方は、どうぞその道を極めてください。ホント、それが王道ですので。

IPO投資は最も容易に実行可能なシステムトレードでは?

 管理人は、IPO投資は最も容易に実行可能なシステムトレード、と考えています。

 システムトレードとは、感情を入れずにルールに従ってトレード=投資を行うこと。例えば、株を買って10営業日経過したらその株を必ず売る。テクニカル分析が分かるのであれば、移動平均線のクロスで必ず売買する、といったような。

 システムトレードで大きな利益を上げておられる方もいるようですが、そのシステムのロジック=ルールを作り上げるのに莫大な手間とお金がかかります。そして、そんな利益の出るロジックはそうそう出回っていません。その点、IPO投資は、公募株を手に入れて初値で売る、というルールは簡単極まりありません。

 そしてシステムトレードは、利益の出るルールが出来上がった後に、次なる壁が待っています。それは・・・、

 人間はルールに従わない!

 FXだと全自動で売買してくれるソフトがあったりしますが(継続的に利益を出すのは相当難度が高いので、ご注意を)、株の場合はシステムを作った後の売買の発注は基本的に当事者が行う必要があります。実はココがくせもの。
 人間って決めたルール通りにトレードできない生き物なんです。今回だけ、とか、今の損はタマタマだから、とか、この銘柄はパワーを感じる、とか言い訳して、折角作ったルール通りに売買できない。コレは経験しないと分からない部分ですが、まぁいいじゃないか、とやってしまうんですよ、ホント。

 この部分は、IPO投資から若干離れてしまいますが、システムトレードの大いなる盲点です。

 だから管理人は人の手によるシステムトレードは、どんなにルール自体が優秀でも、本当にそれが実行できるの?、と思ってしまいます。当然、ルールに従って淡々とトレードできる方もおられますが、そんな方以外はシステムトレードをしてはいけないと思います。

 ちなみに最近流行りのフィンテック、自動売買っぽいサービスも海外では提供されて話題となり国内でもサービスが開始されていますが、ホントに日本の投資家はシステムにお金を預け切れるのか、管理人としては非常に興味深い所です。

 一方でIPO投資の場合は、公募価格で株を買って初値が付いたら成行で売る、これだけです。そこにチャート分析はありません。この銘柄はタマタマとか、パワーを感じる等の言った言い訳が入る余地は、通常のシステムトレードに比べれば殆どありません。

 極論すれば、上場日の株式市場が開く前に成行で売却注文を出しておく、これでOKです。

 つまらない話ですが、IPO投資で手軽に儲けようと思うのであれば、夢もロマンも必要ありません。必要なのは、公募価格と初値の差で儲ける、損が出ようと利益が出ようと初値付近で売却してしまう、このシステムトレード的スタンスではないかと、考えています。

16.2.17IPOは簡単なシステムトレード
IPO投資は最も簡単なシステムトレードかも?

IPO投資のデメリットやリスク

 勝ちやすいと言われるIPO投資ですが、当然デメリットやリスクも存在しています。大きく分けて①株が手に入らない、②大きな金額は投資できない、という2つのデメリット及びリスクがあります。

①公募株が手に入らない

 2017年1Qは27社がIPOを行い、公募価格を初値が下回った公募割れは2社だけです。よってIPO投資は非常に勝率の高い投資となります。そんな訳で誰しも公募株を手に入れたい、と思うのは当たり前。
 しかしながら公募株は証券会社の大切な営業ツールです。日頃お世話になって、損させてしまったお客さんに対しせめてもの気持ちです・・・、と差し上げるのが公募株。よって公募株は通常、証券会社の大口のお客さん中心に配られることになります。だから通常の場合は証券会社の大口顧客(ex.預かり資産1億円以上等)でないと、公募株はなかなか手に入れることはできません。

 以前だと、だからIPOは資金力のない個人投資家には無理、となって終わってました。ただし現在は一定量の公募株を抽選で分配している証券会社も多く存在しています。よってIPO投資をするなら、抽選方式で公募株を分配する証券会社の口座数がものを言います。1社だけなら当たらなくても、2社3社と抽選に申し込みをすることで勝率が上がるのは算数の世界で理解できます。

 抽選方式で公募株を分配する証券会社各社に証券口座を開く、そしてIPO案件が出てこれば抽選に申し込む、この地味な繰り返しこそがIPO投資で利益に繋がります。

②大きな金額は投資できない

 仮に公募株に当たっても1株というのが殆どのケースです。日本の場合1株は高くても50万円程度となります。50万円が2倍になれば100万円で50万円の利益となりますが、1株10万円の株価の場合、2倍になっても10万円の利益にしかなりません。
 
 上場株で100万円投資して株価が2割上昇すれば+20万円であり、1株当たりの投資金額に絶対的な枠の存在しているIPO投資は大きな金額が投資できないため、ドッカーンと大きく儲けることは難しいです。

 IPO投資は儲かるイメージがあります。確かに勝率は高いのですが、それではIPO投資で食べていける程の収益を上げられるかどうかで言えば、投資金額に絶対的な枠があるので、それは難しいです。そう考えると、IPO投資って一般的なイメージと違ってコツコツ利益を積み上げる形となります。

 コツコツ抽選に申し込んで、淡々と5~10万円程度の利益を積み上げていく、というのがIPO投資のスタイルとなります。

 IPO投資は堅い投資とはなりますが、ドッカーンと一夜で大金持ち、と言う投資ではありませんよ。

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2017年のIPO投資の儲け方、傾向と対策

 2017年の第1四半期(1Q)は27社がIPOを行いました。1QのIPOから2017年にIPO投資で儲けるための傾向と対策を考えてみます。

 まず最初に下記が2017年1Qの公募価格に対する初値騰落率のワースト3です。

1位 スシローグローバルHD(公募3,600円→初値3,430円:騰落率▲5%)
2位 マクロミル(公募1,950円→初値1,867円:騰落率4%)
3位 ビーグリー(公募1,880円→初値1,881円:騰落率0%)

※「2017年のIPO銘柄一覧表」より抜粋

 27社のIPOの中で公募割れしたのはスシローグローバルHDとマクロミルの2社のみ。この公募割れ2社に共通しているのは”ファンド傘下企業”と言うこと。それも親会社のファンドは圧倒的な株主シェアを有しており、更に2社ともに再IPO案件。(過去上場していた会社がファンドの支援を受けて非上場化した後に、再度上場)

 非上場化し再度上場(IPO)する、と言うのが両社の親会社のファンドのお仕事なので、それ自体は否定しようがありませんが、投資家の側からすれば、ファンド傘下の再上場案件パフォーマンス悪しです。2016年に同じようにファンド傘下でIPOのコメダ珈琲(コメダHD)も結局公募割れでした。

関連記事:コメダHD(コメダ珈琲)のIPO、予想株価1,960円は高くないか?

 投資は勝つことより先に負けなことが大切です。よってファンド傘下の再IPO案件で、更にファンドのシェアが圧倒的な銘柄を避けることで、公募割れ銘柄を掴むリスクを減らすことができます。

 なかなか当たらないIPO株、当たったと思ったらファンド傘下の再IPO案件だった・・・。投資家の心理として、手元にお金があると投資したい、という気持ちが勝ってしまいがちですが、こんな時はスルーしたほうが、お金を失うリスクは少ないのが現実です。

2017年1QはIPOの大当たりシーズン

 2017年1Qは27社がIPOを行い、IPOの大当たりシーズンだった、と言うことができます。リーマン・ショック等で景気が悪化するとIPOの社数が激減することは普通に発生します。
 
 よって2017年1Qのように、毎週毎週なにかしらIPO投資の機会がある、ということもあれば、殆どIPO投資のチャンスがない、ということも今後充分発生する可能性があることもお忘れなく。

 ただしIPO数が激減してIPO投資自体が話題にならなくなった時って、案外公募株に当選しやすいので、IPO環境がよい時も悪い時もコツコツと公募株の抽選に応募をし続けるのがIPO投資の王道となります。

まとめ、2017年にIPO投資でもうけるために

 IPO投資の銘柄選別、管理人がもう一つのブログでやっている上場株のチャート分析とは全く違う世界で、更に語り始めるとキリがない奥深い世界です。
 当然投資家としてのレベルアップのためには、IPOする会社の目論見書を読み込むのは必要不可欠で、その上で銘柄選別をすべきと思います。そう考えると、実はIPO投資は、企業本来の価値に投資するというウォーレン・バフェット流の投資術に案外近い場所に位置しているのかもしれません。

 ただし、そんな手間をかけるのは難しい、と言う中でIPO投資を手がけるのであれば、IPO投資は最も簡単なシステムトレードと捉えて、変に自らの裁量を入れずに公募価格が当たったら買って初値付近で売却。このスタンスでよいと思います。長くIPO投資を続ければ、自身の歴史から学ぶことも多くあるでしょうから、続けていれば自ずとレベルアップもするはずです(当然自分自身の過去の分析と検証は必要ですよ)。

 利益が出やすいと言われるIPO投資ですが、下手に裁量を入れると儲け損なったり、損を掴まされるリスクもあります。当然、目指すべきは目論見書も読みこなす出来る投資家ですが、ゼロに近い状態からIPO投資に取り組むのであれば、IPO投資は一番取り組みやすいシステムトレード、というクールなスタンスで臨むのがよいのではないかなぁ、と思います。

PS  SMBC日興証券は大手証券ながら公募株の一定の数量を抽選で分配しています。IPO投資に際してネット系証券の口座開設は殆どの方がされますが、大手のSMBC日興証券は盲点となります。口座開設がまだであればSMBC日興証券にも口座開設してはいかがでしょうか?

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