これまで何銘柄から株価の分析を行って参りました。管理人は基本的にはライントレードと言われるスタイル、その中でもフィボナッチ系のツールを利用して、相場分析を行っています。
価格帯別出来高も利用しながら各銘柄を見てきましたが、もう一つ相場分析に使えるツールをご紹介。それは、ローソク足、です。
ローソク足はライン系のサポレジとも、出来高とも違う観点で相場を分析できるツールです。トレードは根拠の積み上げが大切、と考えている管理人。
単独での利用はリスクの高いローソク足ですが、テクニカルやサポレジと一緒にトレード根拠の積み上げローソク足を使えば、トレードの根拠が増えて自信を持ったトレードが可能になります。そんなローソク足を使う工夫をご紹介。
概要
ローソク足は日本発祥のテクニカルツール
普段何気なくチャートで見ているローソク足。実はこのローソク足は日本発祥のテクニカルツールとも言うべき存在。
今や世界に広まった感のあるローソク足ですが、以前は欧米ではバーチャートが主流。
ローソク足の最大の特徴は、ローソク足ひとつで、始り値・終値・高値・安値の4本値が分かること。更にローソクの色で、その期間で相場が上がったか下がったかが一目瞭然で分かること。
情報がありすぎる、という批判もありますが、これだけ情報の揃っている足は他にはありません。最近では欧米のチャートソフトにもローソク足は通常搭載されています。
ローソクは投資家心理をダイレクトに現すと言われている
ローソク足は投資家の心理状態をダイレクトに現すことができる、と言われています。よって強気→弱気の転換、またその逆の転換を的確に捉えることができる、と言われます。
そうか、じゃぁローソク足を勉強すれば相場の転換点が読めるようになるから完璧だ!、とはいきませんので悪しからず。案外ここで勘違いしてしまう方がいるのですが、相場に100%は当然ありません。よってローソク足も100%未来が読めるツールではありません。
だからいくらローソク足が使える、とか、市場心理を現す、と言っても、それだけでは使えないんです。ここを理解しないと、ローソク足=使えない、と言うことになってしまいます。
株もFXもトレードは根拠の積み上げ
株もFXも先物も、トレードは根拠の積み上げです。
サポレジから始まって、テクニカル、出来高、そしてファンダメンタル等、100%の正解は相場にはありませんが、根拠が多ければそれだけ自信をもってエントリーが可能になります。
ただし同じロジックで根拠を積み上げても(ex.テクニカルの種類だけ変えた等)、同じモノを別の方向から見ているだけになります。
そこでローソク足が登場!ローソク足はそれだけで、テクニカル等とは違う、トレード根拠の積み上げが可能になります。
トレードの根拠に何を利用するのかは、人それぞれですが、テクニカルやサポレジやフィボナッチや出来高とはまた違う根拠でエントリーサインが出れば、より自信を持ってエントリーできるようになります。
また、特にテクニカルは値動きの後に形成される指標であり、その点ローソク足は相場の値動き及び投資家心理そのものであり、原理的にはテクニカルより早く、相場の転換点を見ぬくことができます。
この、エントリーに別の根拠から判断の積み上げに利用できる点、テクニカルより早く相場の転換点を見抜くことができる点、の2つがローソク足を利用する大きなメリットとなります。
ローソク足の見方①ヒゲに注意
ローソク足の見方を考える時、まず気を付けたいのはヒゲ。特に長いヒゲの場合は要注意です。
ヒゲが注意を要する点を下記に挙げてみました。
・長いヒゲをつけた後、相場が反転することが多くある
・ヒゲでダマシされるケースが多い
→ブレイク狙いに損切をさせて、その後に反転するという、嫌らしいパターンが存在
・ヒゲは相場の綱引き
→大きなヒゲを付ける場所は買い方と売り方の一方的な攻防の後。しかし同じパターンが続くと、球切れでブレクしやすくなる
一般的にヒゲは反転サインとも言われますが、ブレイクと見せかけて後で見たらローソク足がヒゲになっていて反転していた、という嫌らしいパターンが多いです。
ブレイクと思って入ってやられるパターンの典型例ですが、ローソク足のサインを待ってエントリーできるのであれば、この嫌な動きを逆手に取ることができます。
また長いヒゲはそれだけ、ヒゲの側の勢いが強いということになります。ただこの勢いは、何度かそのゾーンのブレイクを試すうちに、勢いが弱くなっていきます。
敵がやってきて機関銃で何度か撃退したはいいけれど、玉切れになって撤退、というイメージがピッタリです。撃退されて、そのまま戻らないケースもありますが、何度かヒゲのラインの攻防があるようだと、玉切れを起こす可能性が高くなります。
よって、ヒゲで逆張りすればいいかといえば、それも絶対ではない、という典型例となります。
ローソク足の見方②つつみ足
ヒゲに比べると精度は落ちますが、それでも相場の反転を捉えることが多いのが「つつみ足」。
完全に前の足をカバーしている、というのが鉄則。判断甘くすると、それだけ精度が落ちます。この遊び部分をどの程度まで認めるか、というのが経験値による所になります。
ローソク足の組み合わせたパターン認識は複数存在します。ただし正直な所、認識すべきパターンが多すぎる、というのが管理人の感想。いや、全然大丈夫、という方がいるのも分かりますが、少なくとも管理人は無理でした・・・。(慣れの世界かもしれませんが)
チャートを見てきた経験+使い勝手から言えば、「ヒゲ」と「つつみ足」を覚えておけば、最低限のローソク足でのトレード根拠積上げができるのではないかな、と思います。
あと、「トンボ」=「十字足」も反転サインとして有名ですが、管理人はあまり意識していません。「トンボ」<「長いヒゲ」という精度ではないかと。
ローソク足を利用時の注意点
ローソク足はトレードに十分使える判断方法です。しかしながら、ローソク足単独でトレードすれば、間違いなくやられます。
ローソク足は、テクニカルツールと同じく、トレードの最後の背中を押すためのツールではないかと考えています。
よって事前に戻りや逆張りの位置やゾーンを、サポレジやフィボナッチ等で目星を付けた上で、ローソク足を使わないと、役にたちません。いやその目星が付けられない段階で、下手にローソク足を使うと、下手に手数が増えてやられかねないので、逆にオススメできないかも。
ただし、ローソク足はテクニカルより早く相場の転換点を見つけられる、というメリットがあります。
サポレジ等でアバウトながら反転な位置は見つけられても、最後のエントリーの決断が難しい(ゾーンでは分かるが、ピンポイントでは分からないので)、そんな時にテクニカルは使えますが、ローソク足はテクニカル以上に使えます。
テクニカル指標は値動きの後を追いかけるモノですが、ローソク足は値動きそのもの。値動きそのもので、相場の次の展開が予想できれば、最強です。
そんな訳で、ローソク足は他の手法とあわせて初めて効果を発揮します。ローソク足単独でのトレード判断は非常に危険でオススメしません。
ついでに言えば、株であれば日足以上のローソク足、FXで言えば4時間足以上のローソク足でないと効果はない、と管理人は感じています。
ローソク足「ヒゲ」の応用例
下記は以前利用した東芝の日足チャートです。
一旦つけた安値に向けて下落したものの、赤四角部分で反転。この時のローソク足を拡大してみます。
見事にヒゲを付けたローソク足で反転しています。
この場合は本当にうまく行った例ですが、
①Wボトム形成か?、ということで1度目のボトムをサポレジと考え株価が落ちるのを待っていた
②サポレジ付近で長いヒゲを付けたローソク足が出現
③ローソク足が確定したら買いでエントリー
、という流れになります。
ローソク足、探せば「ヒゲ」も「つつみ足」も結構見つかります、特に「つつみ足」は。ローソク足をトレードに取り入れる際は、上記で言えば①の部分=準備の部分が必要。それなしでは、利用不可です。くどいようですが。
以前のチャートの都合のいい部分の切り貼りではありますが、トレードにローソク足の判断を取り入れる際はこんな風にするのか、という視点で見て頂ければ幸いです。
ローソク足まとめ
トレードの際のチャート分析、サポート&レジスタンスやテクニカル分析が中心になると思います。管理人のようにフィボナッチを使う方もおられると思いますが。
そんな中で、もう1つローソク足もチャート分析の際のお供に加えてみる、というのも”あり”だと思います。少なくとも、テクニカル等とロジックは重ならないので、トレードの根拠の積み上げには十分有効に機能します。
ローソク足判断はパターン認識の世界なので、若干慣れも必要となりますが、モノは試しに、チャートを見る際にローソク足のパターンを意識して眺めて見てはいかがでしょ?
うまくいけば、なるほどこの辺りで相場の方向が変わりそうだ、というタイミングがテクニカル指標より早く見えてくるかもしれませんよ。
トレードの次のステップ、そしてトレード根拠の積み上げの1つとして、ローソク足を意識してチャートを眺めると、より自信を持ってトレードすることができるようになります。ご興味あれば、一度お試しください。