コムキャストがUSJを買収(M&A)、ゴールドマンは投資を約3倍で回収

 この秋の再上場が噂されていたUSJですが、米コムキャストによるUSJ買収が発表されました。これにより、USJの上場は完全に白紙に。

 そして今回のコムキャストによるUSJの買収でUSJの親会社のゴールドマンサックスは、ザックリ計算して投資分を約3倍で回収。さすがはゴールドマン、といったところでしょうか。

 良くも悪くも金金だった、ゴールドマン傘下のUSJ、今後はコムキャストの傘下として再出発。過去の外資系対日本流という相克の歴史を克服し、新しい時代を気付くことができるのか?今後注目が集まります。

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USJはコムキャストが約1,830億円で買収

 既にコムキャストがUSJに資本参加、それによって今秋のUSJの再上場の芽はなくなった、とは以前から報じられ、当サイトでも取り上げています。

関連記事:USJが再上場を延期、上場時期は2016年3~6月か9月以降となる見込み

 今回正式に発表があったのは、コムキャストによるUSJの買収。コムキャストがUSJ株式の51%を約1,830億円でゴールドマンサックス(のファンド)から買い取る、というもの。

 そーですか資本参加から51%の出資に変わったようですね。これは即ち、USJのコムキャスト傘下入り。残りの49%の株をどうするか分かりませんが、今回USJの社長退任→コムキャストから社長派遣も合わせて発表されており、今後USJはコムキャストを親会社として再スタートする、ということを意味します。

 「前回の記事」でも指摘していますが、コムキャストは傘下にアメリカのユニバーサル・スタジオを保有しており、今回のコムキャストによるUSJの買収、ある意味では本来収まるべき所に収まった、とも言える買収となっています。

ゴールドマンはUSJ株売却でいくらもうかった?ザックリ計算して約3倍

 今回、コムキャストはUSJの51%の株を約1,830億円で取得。筆頭株主のゴールドマンのファンドから株を買うことになる訳ですが、ここできになるのは、でゴールドマンはいくら儲かるのか?

 試しに計算してみました。

  1. USJの上場廃止時のTOBの総額は約1,112億円(ただし約40%はゴールドマンの既存保有分)
  2. 今回のコムキャストによるUSJの買収は時価総額約=企業価値3,660億円と算出(1,880億円×2)
  3. 今回の時価総額3,660億円÷上場廃止時の時価総額1,112億円=3.3倍

 ①は下記記事を参照しました。

「USJを買いたい ゴールドマン・サックス正式表明」(朝日新聞2009/3/20)

 2007年3月の上場時点でゴールドマンはUSJの株の約40%を保有しており、USJの上場廃止時はその保有株はそのままになっています。上場前からの保有分は取得価格が分かりませんが、とりあえずUSJ上場廃止時に投資したUSJの株の60%分700億円弱は、51%の売却であっても見事に回収。

 USJに対する550億の投資が1,830億円、約3.3倍になる訳なので、ゴールドマンとすれば満足すべき水準と言えます。
 ちなみに投資期間を考えると、投資後7年で3.3倍なので、贅沢を言えばもう少しパフォーマンスは欲しいけど、まずまず満足すべき水準、ではないかと。

※考え方
・非上場化の総額1,112億円で、既存保有分(40%)を除く取得額は約667億円(60%分)
・非上場化に際し取得した株を今回売ると仮定すれば、簿価667億円のうち売却できる簿価は約555億円
・売却額1,830億円÷555億円=3.29倍

 上場前からの保有分があるので、まだゴールドマンとすればUSJとの縁が終わった訳ではありませんが、ともあれUSJの非上場化に際し投資した資金は3倍以上になって回収できたので、ゴールドマンとすればとりあえずワインで乾杯、という状態。

 非上場化の際、本当に大丈夫か?、と思われたUSJの再生、見事に果たしたゴールドマンは流石ですね。非上場化の際、今のUSJの活況を想像できた人、何人もいなかったでしょうし。まぁ訪日外国人の急増、という神風に助けられた面が多分にあるにせよ、果敢にリスクを取って得たリターン。ゴールドマンの面目躍如たるものがあるのでは。

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今後のUSJの課題

 良くも悪くも金金でしたが、ゴールドマンの下で収益至上主義で、妖怪ウォッチやワンピース等の日本発のキャラクターを取り入れながら、外国人観光客の殺到もあり、復活を遂げたUSJ。
 今後USJはファンド傘下の会社から、外資系の会社となります。しかしながら、ここでヘンテコ外資系の会社となると、USJはいつか来た道に逆戻りすることになります。

 USJの歴史は、ユニバーサルスタジオの本家流と日本流の争いの歴史でもあり、非上場化による収益至上主義で不毛な対立は克服されたかに見えますが、親会社が変わることで、果たしてどうなりますか。歴史は繰り返してしまうのか?

 以前のUSJ、「バックドラフト」のアトラクションで消防法に何度も違反してましたが、あれがある意味でかつての象徴。
 折角復活したUSJ、かつての不毛な対立の歴史を乗り越えて、新しい時代を切り開くことを願ってやみません。

 そして個人的には、資金の裏付けが無い中で本当に実現するのか?、とも思っているUSJの沖縄進出計画。記者会見では、買収後もUSJの沖縄進出を前向きに考えています、とのコメントがあったようですが、こちらも本気度が今後試されることになります。

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不毛な対立の時代に逆戻りは避けて頂きたい所です

まとめ

 USJの再上場関連、記事をいくつか書いてきましたが、とりあえずは今回で打ち止めでしょう、恐らく。

 金金の収益至上主義ではありましたが、それでも日本独自のキャラクターの導入や、外国人観光客の殺到で、復活を遂げたUSJ。ゴールドマンサックスは、さすがの実力を発揮して、USJを再生、そしてEXIT(残る株もありますが)を果たしています。

 コムキャストの傘下に入るUSJ、本来あるべき姿に戻る面はありますが、それでも今の日本独自のスタイルで活況を呈しているのも事実。
 とりあえず、今後妖怪ウォッチやワンピース等の日本独自のキャラクターがUSJ内でどうなって行くのかで、新しいUSJ方向性が見えてくるのでは?

 折角再生したUSJ、かつての不毛な争いの歴史の再現とならず、コムキャスト傘下で新たな出発となることを期待しています。

16/2/18追記:残念ながらUSJの沖縄進出計画は撤回される模様です

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