マネックス証券が提供しているトレードステーションは、元はと言えばシステムトレードを行うためのシステムです。システムトレードは非常に奥の深い世界ですが、裁量トレードにおいても、事前に簡単にシミュレーションをすることで、その手法が使えるかどうか、簡単に知ることができます。
トレードステーションでシステムトレードにドップリとはまるもよし、裁量トレードのお伴にするもよし。今回はそんなトレードステーションのバックテストの基本的な使い方をご紹介。
概要
トレードステーションのバックテスト機能
当サイトでは主にチャート分析でトレードステーションを利用していますが、元々トレードステーションは高度なシステムトレード機能を有しているツール。システムトレードと言えば、FXのMT4が有名ですが、欧米ではトレードステーションはMT4より高度なツールと位置付けられています。まぁ、その分トレードステーションは使い勝手が・・・、というのも海外での通り相場でもありますが。
マネックス証券より日本株版として提供されているトレードステーションですが、当然バックテスト機能も搭載。ガッツリとシステムトレードをやり込みたい方から、裁量トレードの検証に軽く使えればいいやという方まで、利用できます。ツールによっては、バックテストの結果が出てくるのにえらく時間がかかるツールもありますが(過去のデータ拾い集めて検証するのだから、考えてみれば時間かかって当たり前)、トレードステーションのバックテストの結果は”あっ”と言う間に出てきます。
管理人もまだガッツリ使いこなせている訳ではありませんが、裁量のお伴用に以下で簡単なトレード手法の検証を行ってみました。尚、利用したのは出来高の多い、日経225連動型上場投資信託(1321)です。
実際にバックテストを行う
では実際にトレードステーションでバックテストを行ってみましょー。まず最初にすることはバックテストを行いたい銘柄のチャートを開くこと。
任意のチャートの開き方は「とりあえず任意の銘柄のチャート表示をさせてみる」をどうぞ。
まずは目的の「日経225連動型上場投資信託(1321)」の日足チャートを表示させてみました。
MACDのクロスで売買してみる
最初にテクニカル指標の王道的存在のMACDを用いて、そのクロスでの売買を試してみます。
画面上の「挿入」→「ストラテジー」とクリックします。すると「ストラテジーを挿入」という画面が出てきます。
今回はMACDのクロスでの売買を試してみたいので(デフォルトで存在しています)、「MACD:買いエントリー」をクリックし「OK」をクリックします。
すると「分析テクニックとストラテジーを設定」という画面が出てくるので「OK」をクリック。
今回はMACDの「買い」と「売り」を繰り返すパターンでバックテストしてみるので、「買い」の設定の後、再度「挿入」→「ストラテジー」→「MACD:売りエントリー」をクリックし「OK」をクリックします。買いの分と売りの分、2回設定しないといけませんので、ご注意を。
他のストラテジーでもそうですが、1回に設定できるのは1つのストラテジー。同時に2つ以上のストラテジーを走らせるには、その都度「挿入」以降の作業を行う必要があります。(もっと簡単に行う方法あるかもですが、分かったら修正します)
そして「買い」と同様に「MACD:売りエントリー」の設定も終わると、下記のようなチャートが表示されます。(一番最初の銘柄入力の際に5年分のチャート表示で設定してあります)
コレでチャート上にMACDのクロスで「買い」と「売り」の場所を表示することができました。
では、このMACDのクロスでの売買手法、儲けることができるのか?それを検証するのが次の段階となります。
ストラテジーパフォーマンスレポートで売買ルールの成績を確認
それでは上記で表示させてみたMACDのクロスでの売買、本当にトレードで使えるのかどうかを確認してみます。
画面上部の「表示」→「ストラテジーパフォーマンスレポート」とクリックすると、「パフォーマンスサマリー」という画面が現れます。ここで設定した売買ロジックが使えるものかどうか、確認ができます。
MACDのクロスの売買は使えない?
今回試してみた、日経225連動型上場投資信託の5年分の日足を用いてのMACDクロスでの売買、簡単に結果を検証してみます。
総損失▲210,000円
プロフィットファクター0.92(買いは1.30、売りは0.67)
総取引数94回
勝率34.04%
年毎の損益は下記。年によって、相当ばらつきがあります。(「期間分析」タブで表示)
取引毎の収益曲線はこんな感じ(「パフォーマンスグラフ」タブで表示)
まだ分析のやりようはタブから色々とできますが、助さん格さんもういいでしょう、そんな感じ。
MACDクロスの売買使えね~。
ま、全部が全部ダメという訳ではありませんが、デフォルトの設定だと、いくらMACDのクロスで売買を続けても利益は積みあがらない、と言うことが分かります。
テクニカル分析に興味を持つと、まずストキャスやMACDから入る方が多いのですが、簡単にMACDのクロスじゃ儲かりませんぜ、というのがトレードステーションの簡単なバックテスト機能を使うと一目瞭然となります。
銘柄によってはジャストフィットすることも
今回、MACDのクロスでの売買手法「日経225連動型上場投資信託」の日足では通用しませんでしたが、時間足にしたり、他の銘柄にしたりすると、使える可能性は否定しません。
ここがシステムトレードの面白い所で、Aという銘柄で使えない手法もBという銘柄なら使えることがあります。トレードステーションであれば、銘柄変えての検証もアッと言う間にできるので、ご興味あればMACDクロスの売買で儲かる銘柄及び時間足を探してみるのも”あり”です。
ただし、個人的には同じことをするなら、MACDよりも移動平均線のクロスの数字・銘柄・タイムフレームをいじったほうが正解は近いような気はします。
まとめ
トレードステーションのバックテスト機能、非常に豊富で使いこなせば何でもできます。本当に使いこなすにはeasy languageというプログラミング言語をマスターする必要がありますが、それが無理でも、クリックの繰り返しでトレード手法の簡単な検証は可能です。
そんな訳で、今回はMACDクロスの売買手法をバックテストしてみました。工夫もなしにテクニカルの売買は使えない、という当たり前の結論となりましたが、少なくとも裁量トレードするにしても、MACDのクロスに素直に従っているだけでは勝てませんぜ、ということは分かるかと。
システムトレードをやりこんだ方からすれば、ホント初級編の使い方ですが、裁量トレーダーでもトレードステーションのバックテスト機能、案外使えますよ、ということで。
トレードステーションのバックテスト機能を使って、システムトレードであれ裁量トレードであれ、統計的に裏付けのあるトレード技術向上を行えば、理想のトレードに一歩も二歩も近づけるかもしれませんね。
ご興味あれば、トレードステーションのバックテスト機能、是非お試しください。
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