どうも仮想通貨を目の敵として考えているフシのある中国政府が、仮想通貨を利用した新しい資金調達をして流行しつつあるICOの全面禁止を発表。中国政府の発表を受け、殆どの仮想通貨の価格が下落し、仮想通貨市場に大きな影響を与えています。
ただしバブル的な状況で詐欺的案件も発生していた中国のICO、今回の政府の決定はやむを得ない面も少なからずあります。
中国では禁止となったICO、仮想通貨投資がブームになりつつある日本への影響はどのようになるのでしょうか。
中国政府は仮想通貨が嫌いらしい
現在は日本が世界最大のビットコイン取引市場となっていますが、昨年は中国がその座を占めていました。
ただし元の持ち出し制限等資金管理を強める中国政府がビットコイン取引を規制の結果、中国マネーはビットコイン市場から退場し、トップの座を日本に譲っています。
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今回、中国政府は新たに仮想通貨を利用した資金調達であるICO(イニシャル・コイン・オファリング)の全面禁止を発表。中国政府は仮想通貨がお嫌いなのね、との印象を強くした発表となりました。
けどICOバブルだよね
IPOは株式を上場して資金調達を行うことですが、ICOは仮想通貨を発行して資金調達を図る手段として世界で流行の兆しを見せています。
ただ状況を見ているとバブッテるなぁ、という印象。IPOの場合は、証券会社の引受部門のフィルターが入るので、変な会社は上場できないような仕組みになっていますが(IPOバブルの時は、一部証券会社は殆ど引受部門が機能していませんでしたが)、ICOの場合、証券会社の引受部門のような存在がないため、ICOする会社と言うよりプロジェクトは有象無象の状態。
まぁ中にはチャント事業が成立してうまく行くケースもあるんでしょうが、VCじゃあるまいし、個人投資家が簡単にICOで資金調達するプロジェクトの事業化の評価ができるとは思えません。
VC投資の世界だと古くから、10社投資して成功するのは2~3社と言われています。プロがやってそんな確率なので、ICOに資金を投じている個人投資家の場合、成功確率はよくて数%ではないか、と思ってます。ま、IPOバブルの際に、何じゃこの会社は、という会社にトンデモナイ時価総額が付いていたケースもあるので、短期投資の投機を割り切れば、確かにお金儲けができる可能性は否定しませんが。ただしそんなノリの方は恐らく酸いも甘いも分かっているプロ級投資家なので、一般の個人投資家がICOに絡めば、やられた・・・、という状態になるのが容易に想像できます。
中国やアメリカでは詐欺的なICOも行われているようなので、それなら問題が大きくなる前に規制してしまえ、と仮想通貨嫌いの中国政府が決定したのは、事情としては分からなくはありません。
個人投資家のお金を預かる大変さは考えたほうがよい
ICOという制度自体は、IPOでの資金調達のハードルが高いため、資金調達の新しい手段としては素晴らしいと思います。
ただね、やはり使い方次第かな、と思ってます。
色々サイトやメディアを見ていると、ICOで結構安直に資金調達しようとしているなぁ、と思うこと多数。プロのVCやファンドのような投資家なら、失敗は失敗として考えてもらえますが、個人投資家の場合、そんな甘い世界ではないよね。
多くのICO案件は個人投資家を巻き込んで資金調達を行うことになるのですが、上場会社の株主総会に行くと分かりますが、個人投資家の場合は極論すると上がった・下がったの世界。株価が下がっている会社の株主総会、投資家のレベルも問題じゃないか・・・、と思うこと多数。残念ながら、資金調達サイドが思っている程個人投資家の金融リテラシーは高くありません。。。
証券会社の方は、その辺りは骨身にしみていると思うのですが、個人投資家のお金を預かる面倒くささを考えると、安直にICOで資金調達できると考えると、結構痛い目にあうよなぁ、と思います。下手すると、金返せこらぁ、となりかねません。怒り狂っている相手に、投資は自己責任、と言って許してもらえる訳はありませんので・・・。
まとめ
仮想通貨がブームになっているのは間違いないと思います。ただ問題は、実は本人が思っている以上に投機好きな日本人、仮想通貨投機ブームになっている感がある所。まだそんなに一般化していませんが、仮想通貨で億り人になりました、的な話を聞くようになっているので、個人投資家の間で密かなブームにはなっています。
仮想通貨の将来性自体は否定しませんし、国際的な送金手段としてはトンデモナイ可能性を秘めているとも思いますが、どうもトレード対象としてはなぁ、というのが管理人のスタンス。
ともあれブームになっている仮想通貨、当サイトでも今後面白いニュース等あれば今後取り上げていこうと思います。
PS 同じフィンテックでの投資であれば、仮想通貨よりもソーシャルレンディングの方が固いのでは。9月28日にIPOのロードスターキャピタルの運営のオーナーズブックなら運営会社が上場会社なので、運営会社のリスクも抑えられます。
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