FXトレーダー界隈では有名な、ロンドン在住の松崎美子氏。この松崎氏が「ロンドンFX」という本を執筆しています。
「ロンドンFX」はFXトレーダーは必読の本と管理人は考えていますが、案外株式投資にも「ロンドンFX」は役に立つかも。そんな訳で今回は株式投資目線から見た「ロンドンFX」。
テクニカル一辺倒ではない新しい視点を得る、という点、そして、移動平均線の使い方のアイディアを得られる、という点では、株式投資にも応用できる内容ではないかと思います。
概要
「ロンドンFX」というブログで有名な松崎美子氏
FXトレーダー界隈では「ロンドンFX」というブログは結構有名で、ロンドン在住の松崎美子氏が現地からのニュース等をブログに長くアップされています。管理人も、随分以前から読んでいるブログです。
その松崎氏が書いたのが、その名もズバリ「ロンドンFX」という本(正式名称は、「松崎美子のロンドンFX」)
実は管理人、ファンダメンタル情報を気にするようになったのがFXで多少なりとも勝てるようになった1つの切っ掛けなので、書籍は完全にツボにハマりました。なるほど~、という感じ。ま、当然ファンダメンタルは日々ニュースがあるので、この本を読んでそのまま勝てる訳ではありませんが、どーやら自分の方向性は正しかったらしい、ということを認識。管理人としては必読の投資の1冊となりました。
FXのスイングトレードをされている方で、伸び悩んでいる方には文句なくオススメです。
ちなみにミーハーな管理人は松崎氏の講演会まで行ったことがあります。
「ロンドンFX」を株式投資目線で見ると・・・
何気にスタバで「ロンドンFX」を読み返していたら、あーこの本の考え方、株にも応用できるんじゃないか、と思いました。当然、直接的な効果はありませんが、こーいうものの見方があるんですよ的に。
まぁ、賛同を得られるかどうかは何とも言えませんが、管理人の独断と偏見で「ロンドンFX」が株式投資に応用できそうな点を2点ピックアップしてみました。
ファンダメンタルから相場を見る視点
書籍「ロンドンFX」の根底を流れるのは、ファンダメンタルから相場の流れを読む、という視点。
管理人もそうですが、テクニカルや目の前のチャートからトレンドなり相場の流れを読むのが個人投資家は通常で、ファンダメンタル=相場で使えない、という方が大多数かと。
ただし、大きな資金を扱う機関投資家は、目先の相場に左右されずファンダメンタルをベースにトレードを組み立てている投資家もたくさんいる訳で(そうでなければ、大きなポジションを取れません)、理屈で考えれば、ファンダメンタル情報はトレードに応用できるハズ。
FXの場合は要人発言であったり、経済統計であったりがファンダメンタルに該当するのですが、株の場合は日経平均はじめ全体的な株の流れと、個別銘柄のニュースと業績やPER・PBRの指標、同じ業界の株価動向、と言ったあたりが銘柄のファンダメンタル情報ということになります。
こんな株のブログで、株価予想記事を書いていた上で言うのもなんですが、恐らくチャートだけで株価を読み解くのは限界があります。テクニカル一本じゃ厳しいのでは?、と繰り返していて、だから自分はフィボナッチ使ってます・・・、と説明していますが、恐らくテクニカルやフィボナッチを駆使しても、できることはあくまでも物事の一面の分析。
本当に株のトレードで儲けようとするのであれば、チャート分析は大前提として、該当銘柄の決算分析も大前提で、同じ業界の株価動向や業界動向・ニュースまで踏み込まないと、本当の意味ではダメのような気がします。それが全部が全部は無理でも、組み合わせが大切。
当サイトは株価の分析と日頃のニュースを取り上げていますが、そんな組合せ視線で見て頂ける絶好の素材かも、と宣伝もしておきます。管理人は基本的にチャート屋ではありますが、チャートの裏側にあるニュースや数字の分析も大切、と考えています。
「ロンドンFX」を株式投資の視線で読んでも、企業の決算数字が大切とか言う話は一切でていませんが、FXでもチャート分析だけでは難しいですよ、というエッセンスは分かるような。株式投資もまたしかり、という視線は得られるのではないかなぁ、と思います。
あくまでもFXの本ですが、考え方は株にも応用できるのではないかと
移動平均線の新しいアイディアが得られる
前者は恐らく禅問答のような所もありますが、こちらは場合によっては即効性があります。「ロンドンFX」は移動平均線(正確には、指数平滑移動平均線=EMA)を利用したチャート設定の方法について解説がなされています。この設定、株のチャートにも充分応用が効きそうです。
チャートを見た時に、今のトレンドは上or下のどっち?、って実は簡単に答えが出ない世界。そんなの簡単、と仰る方は余程相場に精通しているか、まだ本当の意味でのトレンドの意味=怖さが分かっていないかのどちらか。そして「ロンドンFX」ではEMAを利用して、トレンドに一つの答えを出そうとしています。
FX畑の方からは、今更EMAか・・・、と仰る方もおられるかもしれませんが、株のチャートの世界は案外移動平均線系の知識がそれほど流れていないので、人によっては目から鱗になる可能性が。
「ロンドンFX」では1つの章を割いて、EMAを利用してトレンド判断をしてトレードを組み立てる方法が丁寧に解説されています。
移動平均線自体は、相当使い古されてきたテクニカルで、株の世界では古典的教科書もありますが、「ロンドンFX」で紹介されている手法は、”道路”という海外の掲示板で以前話題になった、比較的新しい考え方に基づいた手法です。
株式投資で移動平均線の教科書といえばこの本は外せません
まぁ、どこまで行っても移動平均系の世界ではあるので、全部一緒でしょ、と言われる可能性もありますが、移動平均線のみで相場で勝っている人もいる訳なので、今更移動平均線・・・、といってスルーするのは少々勿体ない。
じゃあお前はどうなんだ、と言われれば、移動平均線はパターン認識が正解ではないか、と思っていますが(これは話すと長くなります、noteで解説書作成できるくらい)、「ロンドンFX」で紹介されている手法は、以前研究したことがある”道路”の手法なので、平凡な移動平均線の使い方に比べれば使えそうだよなぁ、と思います。
移動平均線の設定方法はネタバレになるので、「ロンドンFX」を読んでください、としか言えませんが、移動平均線の比較的新しい考え方ベースの使い方を知る、という観点で「ロンドンFX」の移動平均線の設定方法の章は株式投資にも充分応用が効くと思います。
ロンドンFXで紹介の設定でソニーの日足チャートを表示させるとこんな感じ
株式投資の観点での「ロンドンFX」まとめ
株もFXもチャート一本で勝ち続けるのは難しいよなぁ、と管理人は思っており、FXという観点からはまさに管理人にはドンピシャとなった「ロンドンFX」。
FXにファンダメンタル情報を活かしたい、と考える方は必読の本と考えます。
けど考え方は株にも応用できそうだ、と思い記事を記しました。興味はあるけどホンマかいな?、と言うのであれば是非一度書店で立ち読みを。それで”面白い”と思うのであれば、是非どうぞ。電子書籍も悪くありませんが、タマに本屋で立ち読みも悪くないですよ。
本書は1,500円+税金と、投資本としては普通のお値段。テクニカルが好きな方には、移動平均線の使い方の発想を得る、という観点だけでも、1,500円の価値はあるような。移動平均線の使い方の解説書、案外姿を見ないので。
株派の方も、ご興味あれば一度本屋で手に取って立ち読みして下さいな。新しい株式投資の発想を得ることができ、そして知らなかった移動平均線の使い方の世界に出会えるかもしれませんよ。