映画にもなる「クリントン・キャッシュ」の感想、話せる女・ヒラリー・クリントン

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 7月にはアメリカで映画の公開も予定されている「クリントン・キャッシュ」。クリントン元大統領やヒラリー・クリントン氏がどうやって大金持ちになったのか、そのカラクリの一端が明らかにされています。

 政治家が金持ちになる方法、洋の東西であまり変わらないようですが、流石は元大統領、やっていることのスケールが違います。

 大統領候補を選出する民主党党大会(7/25)の前日(7/24)に映画の公開が始まる「クリントン・キャッシュ」。日本から、アメリカの大統領選挙を楽しむための一冊としてオススメです。

「クリントン・キャッシュ」の内容

 ネタバレしない範囲で「クリントン・キャッシュ」の内容を書くと、要はクリントン元大統領やヒラリー・クリントン氏がどうやって大金持ちになったのか、そのカラクリの一端が本書では明らかにされています。

 著者は綿密な取材をもとに、情報の出典元も明らかにしています。クリントン氏側は当初、著者を訴える構えだったようですが、訴訟を提起するには至っておらず、「クリントン・キャッシュ」の内容は真実味をもってアメリカでは語られている様子。

 政治家が金持ちになるビジネスモデルの解説書だなぁ、というのがザックリとした管理人の感想。けどクリントン元大統領、ヒラリー・クリントン氏が偉大(?)なのは、世界をまたにかけたそのスケール感。さすが、元大統領と上院議員・国務長官(当時)の肩書は伊達ではない、です。

 ただし、政治家の仕事は口利き、というのは日本でもアメリカでもそんなに変わらないようです。アメリカの場合は、それがよりスマートに運営されている、というのが特徴。ただし本書では、ドイツと並んで日本もクリントン流のビジネスがやりにくい国として、名誉の地位を与えられていますが(笑)。

著者は共和党系

 内容は上記として、本書は著者がジョージ・W・ブッシュ元大統領のスピーチライター。そして日本語版の監修者は共和党の顧問の方。そんな訳で、本書は元々共和党が大統領選挙を踏まえて対民主党対策として執筆された、という側面は否定できないかと。よって、事実は事実としても若干誇張されている可能性を踏まえて、読んだほうがよさげではあります。

 ただし本書が完成した時点で、まさか共和党の大統領候補がトランプ氏になるとは、共和党自身も思ってもいなかったハズ。大統領選挙は民主党ヒラリー・クリントン対共和党トランプで争われる見込みですが、トランプ氏の大統領候補選出で共和党としては本書を本格活用する前に、自分のところの問題で大統領の座の奪還のハードルが非常に高くなっています。

 共和党の所謂本流派が大統領候補者となっていれば、本書の内容を利用して、ヒラリー・クリントン氏を徹底的に攻撃、という展開が簡単に予想できました。さてトランプ氏が大統領候補となった共和党、本書を活用の余地はあるのでしょうか?

16.6.29クリントン・キャッシュ-min
著者及び日本語監修いずれも共和党系の方

話せる女、ヒラリー・クリントン

 クリントン元大統領が大統領に就任する際、いずれカミサンのヒラリー氏が大統領になる、と言われていましたが、その実現は目前に迫っています。

 優秀な弁護士だったヒラリー・クリントン氏、本書を読むと、話せる=ビジネスできる女、なのねということが分かります。ま、道義上の問題等あれど弁護士出身(というより政権時代のチーム・クリントンは弁護士多しです)のヒラリー氏、変な足はつけさせないでしょう。よって、ある意味で典型的な政治家。

 ヒラリー氏が大統領となった暁には、同盟国日本としては、出すものを出しつつやっていけば、うまくビジネスができるのではないかな、と思います。ブッシュ大統領と小泉首相のような損得関係ないベタベタな関係は無理にしても、ビジネス中心でうまく回していけるのでは?その意味では、ビジネスライクの一方で理想主義の青年活動家の気質が抜けない、と言われるオバマ大統領、大統領としては初の黒人大統領と言うだけでなく極めて異例の存在だった、と言えるかもしれません。逆にオバマ大統領でなければ、アメリカの大統領の広島訪問は実現していなかったかも。

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ヒラリー・クリントン氏の勝利が見込まれる2016年アメリカ大統領選挙

 民主党ヒラリー・クリントン氏、共和党トランプ氏で争われる予定の2016年アメリカ大統領選挙。世論調査ではクリントン氏が若干優勢ではありますが、調査によってはトランプ氏が有利になっているケースも。これは混戦か?

 けどね、イギリスの国民投票のように国を二分した、ということにはならないのではないかと。なぜってトランプ氏は女性票と人口増加が著しいヒスパニック票が取れないから。

 元来、選挙で女性を敵に回して勝った例は殆どありません。また既にアメリカの人口比率で黒人層を凌駕しているヒスパニック。メキシコに万里の長城を築く、と公言しているトランプ氏に票が流れる訳はありません。ついでに言えば、黒人層はクリントン元大統領の影響もあり(クリントン元大統領は大統領就任以前から黒人の友人が多数いる等で、今も黒人層から大きな支持を受けています)、ヒラリー・クリントン支持でほぼまとまっています。

 そんな状況を考えると、現段階の世論調査は接戦の面はありますが、いざ選挙本番となった時は、大差がつくかどうかまでは分かりませんが、順当にヒラリー・クリントン氏が勝利するのではないか、と管理人は考えています。

 ただしヒラリー・クリントン氏もアンチ・ヒラリーが多いのは民主党予備選で証明されてしまってますし、トランプ氏もアンチが多いのは有名なお話し。2016年の大統領選挙は、どちらがより嫌いか、という前向きなアメリカ人としては、何とも後ろ向きな選挙となりそうです。

映画「クリントン・キャッシュ」は7月24日公開予定

 本書を映画化した映画「クリントン・キャッシュ」は7月24日にアメリカで公開予定。民主党の大統領候補者を選出する民主党大会が7月25日開催で、その前日に映画公開という、ヒラリー・クリントン氏にとっては何とも悪いタイミングでの映画の公開となります。

映画「クリントン・キャッシュ」の予告編

 けどもうここまでくると、民主党もサンダース上院議員が大統領候補になることはありえないので、予定通りヒラリー・クリントン氏が2016年の民主党大統領候補に指名されるのでしょう。

まとめ

 直接、株や為替とは関係ある本ではありませんが、政治ってこんなもんだよね、という冷めた視線で見ると、さすが元大統領はやることのスケールが違う、とある意味では感心してしまえる内容。情報の出典部分のページが多く、本は見た目ほどのボリュームはありません。

 7月にはアメリカで映画の公開もされますし、ヒラリー・クリントン氏は大統領の最有力候補だし「クリントン・キャッシュ」を読んでおけば、これから本格化するアメリカの大統領選挙、より面白く見ることができるのではないかな、と思います。

PS 残念!大統領選挙はトランプ氏が勝利。トランプ氏の当選を受けて改めて為替分析を行ってみました

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2 件のコメント

  • この手のは、ホンマかどうかで決まるのだと思う。いかにも説得的に書いてあるのは当然であって、それだけでは真理性の証明にはならない(小沢の失脚はアメリカの陰謀だとか、ロックフェラーが世界を動かすとか読んだけど、その本だけ見るといかにも真実そうだけど。)

    アマゾンの評を見ると、状況証拠はあるが、直接の証拠はかかれていないといいます。説得的な反論もなされているのもあって、真理だと決めつけるのは危ないんじゃないですか。日本からでは、真偽の判定はできませんし。ヘタしたら、陰謀説のネガキャン本を進めていることになるかもしれませんよ。

    ヒラリーが何をやってきて何をやりたいかというのは、有名人ですから今までの事績を見れば明瞭。(そこに汚職が加わっているのかは不明としても)アメリカは多彩というよりむしろ分断された国家です。アメリカの病である財政赤字や格差問題や銃の問題に配慮しつつ、それでも大半の国民に6分の満足を与えられるのは、ポジションから言ったらヒラリーしかいないと思ううんですがね。

    • コメント有難うございます。

      「クリントン・キャッシュ」は書き手の立場があるので、それを前提で読んだほうがい本でしょうね。ご指摘有難うございます。

      今後も当サイトをよろしくお願いいたします。

      管理人FiboCat

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