ソーシャルレンディングのメディアや比較サービスを運営するなど、ソーシャルレンディング行基を知り尽くしたクラウドポートがFunds(ファンズ)という、新しい投資サービスの開始を発表しました。
厳密な意味ではソーシャルレンディングとは異なりますが、事業者リスクが少ない形でのソーシャルレンディング的な投資が可能となります。
年利1.5~6%で1円から投資可能と表明しているFundsは、2019年のソーシャルレンディング業界に新しい風を吹き込むことになるのでしょうか?
概要
市場拡大の反面、ソーシャルレンディング業界の怪しさが再認識された2018年
一昨年から徐々に話題になっている,
ソーシャルレンディングへの投資。国内で年数%以上の利回りが得られるとして、密かなブームとなっており着実に市場を拡大しています。
しかし2018年は問題が噴出した年となってしまいました。市場拡大の反面、業界最大手のmaneoグループで問題が噴出する等、業界そのものの不透明な部分が改めて再認識させられる1年に。
国内ソーシャルレンディング業界の問題は、事業者が本当に信頼できるのか?、という事業者の怪しさ問題が存在している部分。2018年に限りませんが、これまで生じてきた問題のかなりの部分が、事業者の不透明さ=怪しさの問題から生じています。
ただしSBIグループ<8473>の運営しているSBIソーシャルレンディング、上場している不動産投資会社ロードスターキャピタル<3482>が運営するOwnersBookは、その信用力を背景に引き続き投資家の資金を集めています。信用力のあるソーシャルレンディング事業者には、引き続き資金が集まり続けている状態です。
・関連記事:ソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)運営会社と投資の考え方
クラウドポートが資産運用サービスFunds(ファンズ)のサービス開始を発表
どうも負のイメージが付いて回った2018年のソーシャルレンディング業界ですが、2019年は1月に入ってソーシャルレンディング業界のメディア及び比較サイトを運営の、クラウドポートが新たな投資サービスFunds(ファンズ)のサービス開始を発表しました。
・個人向け社債の代替を目指す。国内初、貸付ファンドのオンラインマーケット「Funds(ファンズ)」が口座開設受付開始(クラウドポートのサイト)
厳密な意味ではソーシャルレンディングに該当しませんが(詳細は後述)、元はソーシャルレンディング畑の会社であり、ソーシャルレンディング業界から新たな投資サービスがスタートすることになります。
個人投資家に向けた年利回り1.5~6%を表明しており、投資商品の新たなサービス開始を表明し、既存ソーシャルレンディング投資家中心に既に注目を集めています。
尚、投資家は1円から投資可能としており、投資の敷居も非常に低くなっています。
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Funds(ファンズ)の仕組み、ファンドと投資家の仲介サービス
Fundsはソーシャルレンディングとは異なります。Fundsは自ら投資を行わず、ファンド運営を行う企業と投資家の仲介サービスです。
Fundsが選定した企業が募集するファンドに投資家が資金を投じる形です。よってソーシャルレンディング業界の最大の欠点である、色々な意味での不透明な部分のある企業について、クラウドポートのフィルターが存在する事で、怪しげな企業の案件に投資家が資金を投じるリスクを除く事が可能となっています。
2018年に限りませんがソーシャルレンディング業界の不祥事は、概ね事業者のリスクに起因しています。そして不祥事を起こした事業者については、見る人が見れば避けられる可能性のあったケースが多かった、とも言えます。
管理人の眼から見ても、この事業者の案件はチョット投資できないなー、という会社があったりしました。実際に見事に爆発していますが・・・。クラウドポートはソーシャルレンディングのメディアを運営している会社であり、業界の事情通です。そして同社の藤田社長はソーシャルレンディング大手のクラウドバンクの出身であり、業界については精通しています。
投資家に対する提供利回りは高くとも、問題点も多いソーシャルレンディング業界について、問題を極力取り除く形でFundsサービスは開始されています。
尚、Fundsの仕組みやサービスの詳細は下記のサイトをご覧ください。
・クラウドポートがFunds(ファンズ)で利回り1.5~6%の個人投資家向け新サービスを開始!(ソーシャルレンディングの投資ノート)
選定先は上場企業など信用力のある会社に限定
Fundsが同社のプラットフォームで投資家の資金募集を認める会社は下記の3種類です。
①上場企業
②監査法人と監査契約を締結している企業
③VCから出資を受けているベンチャー企業
上場企業や監査法人の監査を受けている企業、そしてVCの投資先であっても怪しい企業は存在する訳ですが、そこにクラウドポートのフィルターが加わる事で怪しい企業が同社プラットフォームを通じて資金調達する可能性は非常に低くなります。
1月23日からのサービスインですが、サービス提供の第一弾としてアイフル(ノンバンク:8515)、デュアルタップ(東証2部上場の不動産販売事業者:3469)、LENDY(未上場のオンラインレンディング事業者)の3社の名前が挙げられています。どのような案件となるかは、実際にサービスインしてからのお楽しみの部分が大きいのですが、投資家が個人でこの会社は大丈夫な会社なのか???、とやる必要が大きくなくなります(自己責任の世界なので、最後の部分は自分で調べる一手間は絶対必要と考えますが)。ソーシャルレンディングファンドと投資家の距離がグッと近くなる可能性を秘めたサービスと言えます。
クラウドポート自身もVCからの出資を受けている
ソーシャルレンディングで怪しい事業者の見分け方について、有名どころのVCが株主として参入しているかどうかが、一つの見分け方となります。海外案件に特化してハイリスク・ハイリターンながら、事業者リスクの面では悪い評判は聞かないクラウドクレジットがその代表例。
関連記事:クラウドクレジットで利回り約10%の海外ソーシャルレンディング投資が1万円から可能!
そしてクラウドポートも自身がVCからの出資を受け入れています。
・ネット貸し付け比較サイトのクラウドポート、3.1億円調達(2018/3/13日本経済新聞)
3.1億円の調達資金はFundsサービスの立ち上げ資金だった、と今となれば分かるのですが、ソーシャルレンディングのメディアのサイトがそんなに資金調達して何するんだろ、と思わないでもなかったのですが、Fundsの発表で納得がいきました。
クラウドポート自身がVCからの出資を受けている会社であり、その面からもヘンテコな会社が資金調達の利用企業として上がってくることは少ないのではないかと。
VCの投資先が全て成功する、何て甘い世界ではありません。しかし少なくとも大手VCは信用調査はしっかりするので、大手VCの出資先であれば怪しい会社であるリスクは少ないと考えられます。
Fundsのサービスへの期待
ソーシャルレンディングはホッタラカシ投資が可能な金融商品として期待されていましたが、現状確かに成功している一面もありますが、2018年に問題が噴出した事業者リスク(怪しい事業者リスク)が存在しており、普及のネックとなっています。
今回業界を知り尽くしているクラウドポートが始めるFundsは、資金需要者と投資家の仲介サービスです。そして、現在ソーシャルレンディング業界で問題となっている事業者リスクを極力排除した形で、投資家は投資を行うことが出来ます。Fundsは純粋な意味ではソーシャルレンディングサービスではありませんが、投資家にとっては投資商品の新しいサービスの提供がなされます。
ただし勘違いしてはいけないのは、事業者リスクと事業リスクは違う、ということ。しっかりした会社だって、事業でコケテしまうことは普通に発生します。Fundsを経由して資金を調達した企業であっても、最終的に事業が成功せず投資家にお金を返済できない、というケースが発生しても何ら不思議ではありません。勝敗は兵家の常、と言われますがビジネスの勝ち負けは事業者リスクとは違う所にあるので、その点はご注意を。詳しいことは案件が具体的に出てくると分かるのですが、事業リスクで数字の浮き沈みが結構あるクラウドクレジトに雰囲気は似ているのかな、と思わないでもありません。
いずれにしても投資家にとってはホッタラカシ投資の新しい選択肢が誕生するので、期待の新サービスとなります。
まとめ
市場拡大が期待されながら、不祥事が続き知る人ぞ知る存在に留まっているソーシャルレンディングですが、Fundsは業界の新しい第一歩となる可能性があります。
ソーシャルレンディングの良い面及び悪い面の両面を熟知した会社や人が始めた所がミソではないかな、と思います。
1月23日のサービスインで、実際どんな案件が募集されるかはサービスイン後の状況を見ないと分からない面はありますが、今後に期待できるサービスではないかと。
2018年は不祥事が頻発して業界のイメージ自体が今一つになってしまったソーシャルレンディング業界、Fundsが新しい風を吹き込むことになるのか、今後注目しようと思います。
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