ビットコインの価格が6月20日の終値で100万円を突破しました。一時200万円を超えており、未だ半値の戻りにしか過ぎませんが、100万円の大台到達はインパクトがあります。
それほど話題になることなく100万円の大台を回復したビットコイン価格について、フィボナッチ及び大口投資家の動向という視点で、足元の状況を確認しました。
少なくとも大口投資家の買戻しでの上昇ステージは、既に一旦終了した状態にあるようです。
概要
ビットコインが気付けば100万円を突破
なんだか忘れられた存在となってしまったビットコインですが、実は先週6月20日に100万円の大台を突破しました。
2017年12月は200万円を突破していたので、その時に比べるとまだ半額以下の価格ですが、それでも昨年40万円を割れていた時期を思えば、価格は2倍以上になっています。
ビットコインは過去、日本人のボーナス時期に上昇する、というアノマリーがよく効いていましたが、今回はまさにそのアノマリーがピタッとはまりました。ただし今回のビットコインの上昇の原動力は日本人投資家ではない(新興国の投資家)、という話も耳にするので、これまでとは若干相場環境が異なっている、と考えたほうがよさそうです。
フィボナッチ・エクステンション128.2%で上昇が止まった
これまでのビットコイン上昇にフィボナッチ・エクステンションを当てると下記のようなラインが見えます。
100万円を超えた付近にエクステンション128.2%のラインが存在しており、ビットコインは順調に上昇を続けたものの128.2%のラインにぶつかって上昇が止まったと考えることができます。
フィボナッチ・エクステンション161.8%は130万円後半に存在
フィボナッチ・エクステンションは128.2%の後、若干戻しを入れてから161.8%まで上昇するケースが多いといえます。
その値動きのパターンとなるなら、あともう一歩、エクステンション161.8%のある130万円台後半までフィボナッチの観点では上昇余地がある、と考えることができます。
問題はフィボナッチ・エクステンションの精度は、リトレースメントに比べると劣る点。ただし128.2%まで行くと、161.8%まで行くパターンも多いので、もう一段の上昇の可能性は充分ありえます。
大口投資家は既に撤退
ビットコインは特に大口投資家に売買に値動きが左右される傾向にあります。ビットコインは先物がシカゴマーカンタイル取引所(CME)に上場しており、毎週の大口投資家の売買動向が開示されています。
ビットコインだけでなく様々な商品のデータが開示されていますが、多くのプロの投資家が参考にしているデータです。その中で大口投資家であるファンドの買いが多いか売りが多いかを表したグラフが下記です。(尚、ファンドの頭数ベースで金額ベースではありません)
ファンド全体では4~5月は売っていた状態ですが、現在は若干売りが多い状態。5~6月の上昇は上記グラフからは、ファンド勢が売った後の買戻しで上昇していた、と考えることができます。過去1年で見ると、相当の売りポジションでいたことが分かりますが、今回の上昇はその反動と考えることができます。
ただし先に取り上げたフィボナッチ・エクステンションでは、もう一段の上昇の可能性が考えられましたが、ファンドの動向から見ると、更なる上昇に期待するのはこれまでの上昇要因がない中でのリスクをともなう投資行動となります。
まとめ
ビットコインの価格が100万円を超えましたが、以前に比べると静かな盛り上がり、といった状態です。2017年のビットコイン価格の上昇は、それこそ日本人投資家の買いが買いを呼んで価格が上昇していた部分が多かった訳ですが、今回は日本側はそんなに盛り上がっていない点が特徴といえます。
多くの金融市場では日本人が参入してくると、一相場終了というケースが多いので、日本側が盛り上がってないだけにビットコイン価格は更なる上昇を見せる可能性もあるといえばあります。
ともあれ節目価格の100万円を超えたビットコイン、まずはこのまま100万円を維持して価格は推移するのか、注目してようと思います。
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