国内でもシェアオフィスを手掛けるWeWork(企業名はThe We Company)がIPOに向けて目論見書の開示がなされました。前期(2018年12月期)は売上1900億円に対して、最終利益は▲2000億円の大赤字。
赤字ユニコーン企業のIPOが続きますが、WeWorkは単なる赤字の不動産会社のイメージがぬぐい切れません。
IPOが現実化しつつあるWeWork、IPOの実現そしてIPO後の株価の行方が注目されます。
WeWorkの目論見書が開示される
米国のシェアオフィス運営企業であるWeWork(企業名はThe We Company)の目論見書がIPOに向けて開示されました。米国のIPOは日本と制度が随分違いますが、目論見書が開示された、ということはIPOの可能性が高まっているのは事実。(ただし日本のような確実性はありません)
WeWorkは日本でもシェアオフィスを急速に拡大させており、6月には大阪梅田にもオープンしました。WeWorkの梅田オフィスは、大阪人なら知らないものはいない(言い過ぎ?)、北新地近くの御堂筋交差点横のモメゴト抱えた幽霊ビルを購入してオープンしています。
関連記事:大阪梅田あの御堂筋フロントタワー(旧東映会館)にWeWorkがオープン、大阪の不動産市況改善の象徴では?
WeWorkの2018年12月期は約▲2000億円の赤字
目論見書で開示されたWeWorkの過去決算数字は下記。
・WeWork目論見書より
前期(2018年12月期)は売上高1900億円、最終赤字▲2000億円。オイ、売上以上の赤字じゃないか。
今期はQ2までで売上高1700億円、最終赤字▲1000億円。前期に約2倍のペースで増収を果たしていますが、赤字は拡大しています。
アメリカも直近のユニコーンのIPOは赤字会社がIPOしているので、別に赤字会社のIPO自体は何の不思議もありません。ちなみにQ2で現預金同等物が2700億円、少なくはないですが余裕がある状態でもありません。
WeWorkって単なる赤字の不動産会社じゃないのか?
ウーバー等、テクノロジーを活用してシェアリングサービスを展開する企業は横に置いておくとして、WeWorkってフリーランスなどにシェアオフィス=レンタルオフィスを貸している企業な訳で、要は不動産会社です。。。
確かにキレイなシェアオフィスを世界各地に展開という状態ですが、これってそれこそ十数年前の新興不動産会社のビジネスモデルに似ているような。古いビルを一棟買いしてリノベーションしてバリューアップして高い家賃で貸す、といった。
どうも管理人的にはWeWorkがかつての新興不動産企業に重なって見えてしまいます。それでもかつての新興不動産企業は黒字でしたが、WeWorkは赤字企業。世界的にフリーランスが増えているのも分かるし、WeWorkのオフィスがキレイなのも理解していますが、けど不動産会社だよね。。。
赤字の不動産会社がユニコーンって、さすがに行き過ぎではないかな、と思ってしまう。
不動産には相場の夢がある
けどね海外はどうか分かりませんが、特に国内の株式市場は不動産が大好きな面は否定できません。新興バブルの頃だって、アベノミクスの最初の頃だって、単なる不動産会社じゃないか、という銘柄の株価が急に伸びることはよくあります。
だから不動産関連=面白くない、とは言いません。しかし株価が急騰して相場が面白いのと、足元赤字で事業自体が大変なのは別問題。
WeWorkだって、IPOしたら株価がギュイーンと伸びる可能性はあります。ただし他の赤字ユニコーン企業以上に、WeWorkは単なる赤字の不動産会社じゃないか、というベーシックな突っ込みが入りやすいのも事実です。
WeWorkがIPOを実現するか、実現するとして株価がどうなるか分かりませんが、ユニコーンのIPOでもWeWorkは夢を見切れないような気が・・・。
まとめ
米国債の長短金利が逆転したりと、金融市場に変調の兆しが表れている中、8月の株式市場は乱高下しています。さすがの米国株式市場も上昇一辺倒の時代から離れつつあります。
そんな中でIPOが具体化しつつあるWeWorkですが、最終的にどのような結果を迎えるのでしょうか。
バブル状態のIPOの最後の徒花となる可能性だってあります。個人的には赤字の不動産会社のイメージが払しょくできないWeWork、IPOがなされた後の株価の行方に注目したいと思います。
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