2017年フランス大統領選、マクロン氏が勝利もルペン氏も33%の得票率

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 2017年のフランス大統領選は決選投票の結果、無所属のマクロン氏の勝利が決定。その得票率は66.10%。しかしながら極右のルペン氏も得票率33.90%と負けはしましたが、善戦したと言えます。

 マクロン氏の勝利は見えていたとは言え、第一回投票でマクロン氏の勝利後、金融市場がリスクオンになり、実は金融市場にとって非常に大きな転機となったフランス大統領選挙、分かっていても動けない投資家がいるという点、フランスの閉塞感は相当なものがあると言う点を大いに感じた選挙となりました。

2017年フランス大統領選挙の決選投票の結果

 2017年5月7日に行われたフランス大統領選挙の決選投票、その結果は下記となり、下馬評通り無所属のマクロン氏の勝利が決定。

・マクロン氏 66.10%
・ルペン氏 33.90%

 無所属で当初勝利の芽はないと思われたマクロン氏が、既存有力政党の候補者(フィヨン氏)が自滅する形で棚ぼた的勝利。けど無所属で出陣している訳で、リスクは取ってます。ENAというフランスの超エリート校出身者とは思えない、そのリスクの取り方。さすがは投資銀行出身者と言うべきでしょうか。

 今後は5月14日(日)にマクロン氏が大統領に就任、その後早期に首相が任命されてマクロン政権はスタートします。

 有力政党出身のフィヨン氏がスキャンダルで自滅した形となり、第1回投票前よりマクロン氏の勝利が予想されていましたが、それでも今回のフランス大統領選挙を通じて2点思う所があり、忘れないうちに記事にしておきます。

事実を見てからでないと参入できない投資家多数

 マクロン氏の勝利は第1回投票前からほぼ見えていたのですが、第1回投票結果が判明すると同時に、金融市場はリスクオンのスイッチが入り。株高円安となり、GW明けの日本は8日(月)は年初来高値を更新。

 うーむ事前にマクロン氏の勝利をアナリスト達は分かっていたんじゃないのか???、と思うことしきりですが、それにしても第1回投票後のリスクオン相場は驚きました。分かっていた結果が出て、何故にこうなる???相場はやっぱり分からねー、と片付けてしまうのは簡単ですが、もう少し深く考えてみます。

 1つ考えたのは、事実が決まらないと売ったり・買ったりできない投資家が多数いる、と言うこと。噂で買って事実で売る、という相場格言がありますが、事実が出ないと買えない投資家もいる、と言うことかと。今回で言えば、それでもひょっとしたらルペン氏が勝ったら???、というリスクがあるので、事実の前には動けません。さりとて相場を動かす材料としてフランス大統領選挙は絶好の機会。そんな訳で、結果が出たら勝馬に乗る的に相場が動いた感があります。

 管理人の当たらない相場感では、フランス大統領選挙はマクロン氏の勝利、ただし当たり前すぎて相場は動かない、という見立てでしたが、見事に外しました。。。ま、選挙前にポジション全て閉じたので相場観に殆どトレードは影響されていませんが。

 けど事実が出た後の相場の値動き=プライスアクションは分からないものだな、と言うことを改めて再認識することとなりました。事実が出た時にどう動くのか、コレが分かれば苦労はしませんが、市場が興味を持っている事項で事実が出たらサプライズが無くても大きく動くことがある、ということを今回痛感しました。

思った以上のルペン人気

 敗北したルペン氏ですが、それでも得票率は33.90%。若干選挙マニア入っている管理人、ルペン氏のお父さんの時代から大統領選挙の記憶がありますが、以前は泡沫候補以外の何物でもなかったルペン氏のお父さんの時代を乗り越えて、大統領選挙で決選投票まで駒を進めて、33%を超える得票率を獲得したルペン氏に驚きです。

 EU加盟で恩恵を受けている側のフランスで、脱ECの極右・国民戦線のルペン氏が約3割の支持を受けると言うのは、ホント意外。難民問題そして高い失業率と言う問題を抱えているフランス、前回の大統領選挙ではその閉塞感の打破を社会党に託して見事に裏切られたのですが、閉塞感の間隙を突くように国民戦線・ルペン氏の支持が伸びています。フランスの閉塞感、日本人が思っている以上に根深いものがありそうです。

 敗れたとは言えルペン氏は、政党・国民戦線の党首です。大統領選決選投票での約3割の得票率を背景に、国民戦線は今後勢力を拡大するのでは?

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日産ゴーン氏は悩ましい状態に

 5月9日の日経新聞にも記事がありましたが、マクロン大統領の誕生で日産のゴーン氏が結構悩ましい事態になりそうです。マクロン氏は以前ルノーと日産が合併するように圧力をかけた張本人であり、合併問題が再燃するのか、非常に興味深いです。

関連記事:マクロン氏の仏大統領就任で日産ゴーン会長には悩ましい事態に

 下手すると日本とフランスの外交問題にまで発展しかねない問題であり、マクロン大統領が今後ゴーン氏及びルノー・日産に対しどのような対応をとるのかに注目です。

まとめ

 イギリスがEUから出ていく、とか、アメリカでトランプ大統領が誕生する、といったサプライズは生じなかったフランス大統領選挙となりました。しかしながらマクロン氏の事実上の勝利後、金融市場はリスクオンのスイッチが入り、世界的な株高が継続しています。とりあえず金融市場はマクロン様様の状態です。

 世界的に見れば、次はドイツの総選挙が秋に控えています。ドイツの総選挙は無風が予想されていますが、政治は一寸先は闇、とも言います。ドイツの総選挙の結果はどんな形になるのか、そしてその時に市場はどう動くことになるのか。今回の知見も加えながら、色々考えてみたいと思います。

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