中国株の急落に対し、中国政府はなりふり構わぬ株価対策を講じています。ついには売買停止という強硬手段を取った中国政府。
中国の株式市場、海の向こうの話だし、外人投資家殆どいないから・・・、と思っていたら思わぬ伏兵が。投資信託の存在を忘れていました。中国株を組み入れた投資信託、既に値段が算出できないと言う、プチ・リーマンショック状態になっています。
中国株を組み入れた投資信託の評価ができず売買停止
日本人で中国株に投資していた人、ホント少数派だろう、と思っていた所、目に入ったのが、下記の日本経済新聞の記事。
野村証券や大和証券など証券会社は、中国株を中心に運用する投資信託の購入と解約の受付を相次ぎ停止した。上海と深圳市場で上場銘柄の半数超が売買停止になり、運用会社が投信の基準価格の算出が難しくなったとして売買停止を決めたためだ。少なくとも10本が売買停止になっており、合計の運用資産は400億円規模になる。~いずれも再開の見通しは立っていない。(日経新聞15/7/10)
中国株の大半が売買停止になって、中国株を組み入れた投資信託も評価できない=機能停止ですか・・・。って、中国株組み入れた投資信託、結構出回ってます。規模400億円とのことなので、それ程の規模ではありませんが、持っている方にとっては一大事。
何にせよ、再開の見通しがたっていない、のが痛い所です。
価格がつかないって、これはもうプチ・リーマンショック状態。あの時も価格のつかない金融商品が問題になりましたが、程度の差こそあれ、まさに目の前の中国株はそんな状態。
中国株を組み入れた投資信託、お持ちの方、案外おられるのでは?特に気をつけたほうがいいのが、401Kの中国株投資信託。
401Kの投資信託のラインナップにも中国株の投資信託ありましたので。長期保有だから、ということで、一度購入してそのままの方がおられるかもしれません。管理人は、そーいえばあの人持ってたな、と思い浮かぶ知人が何人かいたりします。
尚、中国の株価下落の直接的な影響はありませんが、間接的な影響が懸念されている、日本のいわゆるインバウンド銘柄、一覧表作成してみました。
中国株の売買停止はいつまで続く?
中国株の売買停止がいつまで続くのか?これは正直分かりません。
少なくとも中国の株式市場が落ち着きを取り戻すまで。以前の記事に書きましたが、中国政府は上海指数4,500ポイントを必達目標にしている様子なので、少なくとも4,500ポイントが目指せるような環境が整うのが条件では。
関連記事:中国株の暴落、中国共産党は株式市場をコントロールできるのか?
現在の様に、売りが売りを呼んでいる状態から脱しないと、なかなか厳しそうです。
そして一番怖いのは、今回売買停止という非常手段をとった結果がどうなるか、という点。単に一時的に押さえ込みました、ということであれば、売買停止が再開されれば、再び株価下落も再開する可能性が。無理なことすると、どこかで歪みが生じますので。
それでも何とか大半の銘柄で売買が開始され、株価さえついてくれれば、中国株の投資信託も、売ることができるようになる訳ですが。
共産国家と株式市場の矛盾した関係
そもそも資本主義を認めない共産主義、その共産国家中国で株式市場が存在すると聞いたら、マルクスもエンゲルスも驚愕の事態では?
これまでは比較的うまくやっていた、中国共産党と株式市場。非常手段で何とか株価下落を止めるためとはいえ、上場企業の4割以上を売買停止にするという措置、なかなか資本主義国家ではできません。ある意味、中国ならでは。
今回中国政府の取った強硬手段、果たして今後の中国の株式市場に対する影響がどんなものか、非常に興味深い所です。
まとめ
中国の景気減速は、少し前から言われており、景気の先行指標と言える株式市場が下落するのはある意味では当たり前。ただし、同じ株式市場でも、中国という共産国家の中にある株式市場、その特殊性は十分に認識しておく必要があります。
今回、上場企業の株式の4割以上が売買停止という、非常手段で取り敢えず株価の下落を止めた中国政府。今回の力技、今後の中国の株式市場にどんな影響があるのか、注視する必要があります。経験則で言えば、どこかで歪みが生じる可能性が高そうですが、そこは中国、どうなるか分かりません。
中国株を巡る問題、まだまだ今後も続きそうです。しかし日本でも意外な所=中国株の投資信託に落とし穴があったようです。
中国株問題、今後もしばらく状況を注視したいと思います。
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