かんぽ生命で大規模な保険の不正販売が発覚。それを受けてかんぽ生命株が急落しています。しかしかんぽ生命は上場する郵政グループ3社のうちの1社として、日本郵政やゆうちょ銀行の値動きにも影響を受けます。
急落したかんぽ生命株は、郵政グループという観点でみれば割安となった可能性もあります。
不祥事発覚で急落したかんぽ生命株の今後の行方が注目されます。
概要
かんぽ生命で保険の不正販売が発覚し株価が急落
上場している郵政グループ3社の中では最も小型のかんぽ生命<7181>。郵便局の保険って、そもそも若い人は殆ど入っていないのでは?比較的地味な存在のかんぽ生命でしたが、大規模な保険の販売の不正が発覚しました。
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本不正の発覚を受けてかんぽ生命株は急落。最終的に同社が不正と認める前、既に4月半ばからかんぽ生命株は下落を始めていましたが、同社が不正を認め株価は底を抜けた形となりました。尚、あと少し下がると時価総額は1兆円を割れてしまいます。
・かんぽ生命の株価(日足チャート)
「画像出典:マネックス証券/日本株取引ツール トレードステーション」
マネックス証券Tradestation
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かんぽ生命株は逆張りのチャンス?
急落したかんぽ生命株ですが、かんぽ生命株が他の銘柄と大きく違う部分があります。それはIPOする郵政グループ3社の1社という部分。そもそも何で郵政グループが3社もIPOしているのか疑問は残りますが、まぁそれは国の政策ということで横に置いておくとして、3社は似たような株価の動きを見せます。
だから1社が変な値動きを見せても、最終的には元あった値位置に戻るかもしれない。もしその前提を“正しい”とするのなら、かんぽ生命株の急落は逆張りの絶好のチャンスとなります。
IPO以降の郵政3社の株価推移
下記のグラフは2015年11月の郵政3社のIPO以後の株価について、その値動きを積み上げたものです。尚、日本郵便とゆうちょ銀行の株価が1,700円前後でIPOしたのに対し、かんぽ生命は3,400円台だったので、かんぽ生命の値動きは1/2としています。
上記を見ると、郵政グループ3社は付いたり離れたりをしながらの株価推移を見せていたことが分かります。そして今年の4月後半以降、かんぽ生命が一人下落する姿も明らかになります。
日本郵政株とかんぽ生命株の値差から見ると反転の可能性が
次に、郵政グループの本尊ともいうべき日本郵政とかんぽ生命の値動きの差(紫のヒストグラム)を上記に合わせ表示したものが下記となります。
両銘柄の値差はIPO後の2016年には300円近く開いたこともありましたが、以後は概ね200円程度の差が生じると値差が縮まる傾向が見られます。
今回は7月10日の終値で値差が▲201円であり、▲200円の大台に到達。過去の値動きが継続する、という前提に建てるのであれば、急落したかんぽ生命、そろそろ買い場に入った可能性があります。
2019年秋に日本郵政株を売出予定の政府は日本郵政株の下落は望まない
この秋の9月に日本郵政株の政府保有株の売出が予定されています。よって政府としては9月に向け、日本郵政株の下落は非常に困る話。ここでかんぽ生命の問題がこじれて、日本郵政の株価にまで影響があればたまったものではありません。
よって少なくとも日本郵政株は下がりにくい状謡が当面続く可能性があります。まぁ、それでも下がる時には下がりますけど。
政府が望まない日本郵政株の下落、そして急落するかんぽ生命株、そう考えるとかんぽ生命株、そんなに下落しない可能性を感じます。
ただし本格的に底かんぽ生命株の底が抜けてしまう可能性も
これまで通りの展開が続くようなら、急落したかんぽ生命株が反転し、日本郵政株を追いかける可能性があります。
ただし今回、かんぽ生命の不祥事発覚は一過性の問題にとどまらない可能性があり、株価が新たな値動きを見せる可能性もあります。よってかんぽ生命株の下落はこれまでの下落に留まらず、更に奈落の底に落ちるリスクもありますので、注意が必要です。
まとめ
日本郵政グループは不採算の郵便事業を、銀行と保険の金融事業で支えている状態です。銀行は融資事業ができず運用に特化して、運用難のご時世で苦労している中、保険事業も転んでしまうと、郵政グループとしてはあまりよろしくない状態となります。
ただしかんぽ生命の加入者は高齢者層が中心と思われ、今回の不祥事発覚はなくとも、今後ビジネス的には縮小する可能性が高かったのではないかと。
今回の株価の急落で配当利回りが4%台に突入したかんぽ生命株、そこまで来ると長期保有前提の買いも入りやすくなります。
不祥事発覚はあれどもかんぽ生命株は下げ止まりとなるのか、それとも底が完全に抜けて郵政グループの他の2社の株価の値動きから完全に乖離してしまうのか。今後の株価の値動きが注目されます。
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