ソーシャルレンディングのFundsを運営するクラウドポートに対し、伊藤忠商事が投資を決定しました。伊藤忠は海外案件に特化のソーシャルレンディング会社、クラウドクレジットにも投資を行っています。
不祥事が続発したソーシャルレンディング業界ですが、クラウドクレジットとクラウドポートは信頼性のある事業者であり、伊藤忠の投資はうまいな、と思います。
そして伊藤忠からの出資を得て信用力が増すクラウドポートの今後の成長が注目されます。
概要
落ち着きを見せているソーシャルレンディングの人気
一時マニアな投資家に大ブームとなったソーシャルレンディングですが、不祥事も続発して人気は収束。
詐欺っぽい不祥事は事前にチャント調べれば避けられる部分も多かった訳ですが、最大手のmanaoがグループの不祥事がきっかけとはいえ延焼するのは予想外でした。その後、maneoも話題に上ることはすっかり少なくなってしまいました。。。
ブームは去りましたが、SBIソーシャルレンディングは安定的に調達を行っており、やはり最後はブランド力のある会社がコツコツやった成果が表れている、そんな状況となっています。
伊藤忠商事がFundsを運営するクラウドポートに出資
先日、伊藤忠商事がFundsを運営するクラウドポートに出資したというニュースが出ていました。
・伊藤忠商事が貸付ファンドのオンラインマーケット「Funds」運営元に出資、共同で金融商品の組成・販売へ(TechCrunch)
Fundsを運営するクラウドポートはソーシャルレンディング業界の中では、新規参入組の1社。ただしクラウドポートは、『クラウドポートニュース』というソーシャルレンディングメディア(現在はzuuonlineに事業譲渡)を過去に運営していたこともあり、業界を熟知している会社です。同社の解説記事は下記となります。
関連記事:怪しくないFunds(ファンズ)に期待、ソーシャルレンディング業界に新顔登場
独立系のクラウドポートですが、ある程度は信頼できる会社として知られており、手堅い案件が多く、募集は瞬間蒸発に近い状態が続いています。さすが。
個人的にはアイフルの個人向け社債案件は面白いな、と思います。利回り低めなんですが。
関連記事:アイフルが低格付けのジャンク債の発行を検討、Fundsなら既に類似の商品に投資可能
そんなFundsを運営するクラウドポートに伊藤忠商事が出資する訳ですが、クラウドポート側から見れば信用力の強化につながります。一度やらかしてしまった感のあるソーシャルレンディング業界、やはり大手であったり上場会社であったりというバックグラウンドの有無は投資家から信頼性を得るのに大きなアドバンテージとなります。不祥事続発の前に記事書きましたが、信頼できるソーシャルレンディングかどうか見分けるには、株主にマトモな上場会社やVCがいるかどうかである程度判断できました。maneoはそれでも被弾してしまった訳ですが。それでもmaneoを除けば、ほぼ地雷は踏んでいないはず。
ソーシャルレンディング業界について詳しければ、クラウドポートの藤田社長は業界長いので変なことはしないだろうな、と思うのですが、通常の個人投資家の目線ではそれだけで信用できるのか、とも思いますし、そんな事情は知らない方が殆ど。よって伊藤忠からの出資を受けることでクラウドポートは会社としての信頼性向上は充分期待できるかと。
既に案件が瞬間蒸発している中で、投資家からの信頼性向上も別に必要ないのでは?、と思わないでもないのですが、今後更なる飛躍のためには会社の信頼感アップは必要です。
クラウドクレジットにも出資している伊藤忠商事
海外案件に特化しソーシャルレンディング業界内で独特の存在感を発揮しているのがクラウドクレジットです。
海外案件でミドルリスクからハイリスク型の案件を取り扱っており、以前から注目しているソーシャルレンディング会社です。当初から、案件にはリスクがありますよ、という姿勢で臨んでおり、実際業界内でも早い段階で返済の遅延が発生したりもしています。しかし投資家に対して丁寧な姿勢で臨んでおり、投資家の信頼を得ています(パフォーマンス面の不満を持つ投資家は当然いますが、ソーシャルレンディング業界の問題はそれ以前の所にあります)。逆風が吹き荒れたソーシャルレンディング業界の中において、今も継続益に案件の募集を行っています。
そのクラウドクレジットに対し、伊藤忠商事は初期の段階から投資を行っています。商社がソーシャルレンディングに投資しても、正直事業シナジーがそんなにあるとは思えないのですが、投資案件と考えれば、クラウドクレジット及びクラウドポートへの投資は、ソーシャルレンディング企業への投資という観点では、うまいな、と思います。
投資案件はEXITして初めて成果となる訳なので、まだ伊藤忠のクラウドクレジットとクラウドポートへの出資は、成果は出ていません。しかし焼け野原状態ともいえるソーシャルレンディング業界において、生き残る可能性の高い両社に伊藤忠は投資をしています。ただしソーシャルレンディング事業者は手数料商売なので、そんなにボロ儲けできる訳ではなく、仮にIPOを目指すとすると結構大変なんだろうな、と思います。そーいえばmaneoはIPOを目指していましたが、もうそれどころではなくなってますね。。。
まとめ、金融商品は信頼できる業者から買いましょう
結局、ソーシャルレンディング業界の一連の不祥事で明らかになったのは、金融商品は信頼できる業者から買いましょう、ということ。爆発してしまったソーシャルレンディング事業者が、信頼できる事業者だったかといえば、少なくとも社長名を検索することで避けられたリスクもありました。
モノを買ってそれで売買は終了、とはならない金融商品は、モノ=金融商品を購入した後でリターンが出て初めて利益となります。そもそもリターンが必ず出るとはいえない金融商品、更に販売事業者のリスクも取ったりすれば、リスク×2でそもそも投資なんてできなくなってしまいます。
ひと悶着あったソーシャルレンディング業界ですが、信頼性のある事業者には今も資金が集まっています。その中の1社であるFundsを運営するクラウドポートへの伊藤忠の出資は、クラウドポートが今後の成長に向けての足掛かりを得ることになるのではないでしょうか。
全体的に見れば、maneoの被弾の影響がまだ色濃く残るソーシャルレンディング業界ですが、今度こそ健全な成長を期待したいと思います。
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