株の評価ではPER(株価収益率)という指標が極めて一般的な指標として認知されています。このPER、実績の利益を使うか、予想利益を使うかの議論は結構深かったりしますが、ともあれ一般的に認知はされています。
そんなPER、実はマンションの評価にも利用されているようで、驚きました。
そーかマンションの相対的な評価はマンションPERを利用すればできるじゃないか。コレは面白そう、ということでマンションPERについて調べてみました。
概要
マンションPERとは
一戸建てはあまり賃貸物件がありませんが、マンションは分譲タイプでも賃貸に出ている物件が多数あります。
賃貸物件ということは、即ち恒常的にお金が動く=キャッシュフローが生まれる、ということで、色々な手法でそのマンションの価値を株価のように、他のマンションと比べて、高いor安いを計算することができます。
そして、マンションPERは分譲価格が賃貸した場合に得られる年間家賃の何倍(何年分)にあたるか、を表します。
マンションPERの計算方法
マンションPERは下記の計算式で計算できます。
・購入価格 ÷ (周辺賃貸マンションの年間家賃) = マンションPER
例えば5,000万円で購入予定のマンションがあり、周辺で同クラスの賃貸マンションの月の家賃が15万円の場合は、下記のようになります。
・5,000万円 ÷ (15万円×12ヶ月) = マンションPER27.7倍
周辺のマンションの家賃とは言っても、同クラスの賃貸マンションの家賃を利用しないと意味が無いので、ここは注意が必要。尚、周辺の賃貸マンションの相場は「ホームズ」、「SUMO」他、大手サイトを検索すればすぐ出てきます。(便利な時代になったものです)
株の場合は発行会社が赤字になってしまうとPERは意味をなさなくなってしまいますが、マンションの場合は赤字=収益を生まない(家賃滞納は別の問題)、ということはありませんので、実は株よりも普遍的に使える指標の可能性もあります。
マンションPERは24~25倍が目途
調べて見ると、マンションPERは24~25倍が一つの目安
、となっているようです。
ただし地域によって結構なばらつきがあるようなので、留意が必要。特に関西の場合。
『近畿の新築マンション、大阪ミナミでお買い得感 駅1位は「難波」…割高は「芦屋」』
同じ地域のマンション同士でマンションPERを比較するのは、地域という変数が固定されるので使えるでしょうが、別の地域のマンションとマンションPERを比較しても、「地域」という変数と「マンション」という変数の2つを考える必要が出てくるため、ハイそうですか、とするのは少々危険。
そりゃ同じグレードのマンションでも、難波の地下鉄桜川駅前と芦屋の阪急芦屋川駅前では、マンションPER全く違ってきますので、ハイ。
ただし同じ地域でのマンションの比較となれば、マンションPERは使えそうですね。
PER自体は絶対的なモノサシではない!
株の場合もマンションの場合もPER何倍、ということで銘柄・物件の比較は出来そうです。ただしPERは相対的な比較は得意ですが、絶対的なモノサシではありません。それが例に株でPER40~50倍つけていても、上がり続けている銘柄もあります。
いいモノは高くて当たり前。仮にプロ野球の日本ハムの大谷投手がどこかのチームに移籍するとして、年俸1億円じゃ絶対獲得できませんよね。よいモノは高くて当たり前、と言われれば、それは一理あります。
ただし株の場合ですが、高いPERの銘柄、途中でうまく売り抜けないと、だいたいやられます。ご注意ください。
マンションPERは株と違って、発行会社が赤字になったので使えなくなりました・・・、ということにはならないので、株のPERより使い勝手はよさそうです。株のPERについては、下記サイトにまとめてあるので、よろしければ合わせてご覧ください。
マンション投資に使えるか?入口段階なら・・・
本屋に行くと、マンション投資の本もよく姿を見ます。不動産に行くと、投資用マンション利回り〇%という表示もよく見ます。
マンションPERがマンション投資で使えるかと言えば、本気でマンション投資を考えているのであれば、ちゃんと出口(EXIT)も考えないといけないので、マンションPERのようなザックリとした指標ではダメで、収益還元方式等でお金の流れをしっかりと予想した上での評価は必須と考えられます。
ただしマンション投資orこの物件に興味がある、という入口段階、とりあえず評価してみますか、という段階では使えそうです。いちいち、収益還元方式で計算もできないので。
マンションPERをそのまま投資用マンションに使うのは少々危険
専門家にマンションの価値を算出してもらうのなら
マンションPERという指標はありますが、実際にマンションの価値を算出するのはなかなか大変ですし、いざ売却を本気で考えた時には、マンションPERを算出してもどーも実感が沸かない・・・、ということもあります。
住んでいるマンションの売却を考えるのであれば、専門家に相談するのが一番。例えば、「マンションマーケット」はネット専業で東京都内のマンション売却に特化しています。
ネット専業のメリットにより、業界最安水準の仲介手数料「49.8万円(税別)」で、マンションの売却仲介が可能となっています。
まとめ
昨今は中古マンションの売買も活発になってきているようで、中には新築マンション以上の価格で中古マンションが売買されているケースもあるようです。
住む、ということを前提とすれば、マンションは金融商品と違い、一生モノの投資ではありますが、万が一+将来の支払いを考えれば、なるべくお得な物件を手に入れたい、というのは人情です。
そんな時にマンションPERを知っていれば、他の物件との比較が容易になりますね。
管理人は専ら株やFXの住人で、不動産は若干REITが分かるくらいではありますが、マンションPERの存在は、なるほどなぁ、と思い記事にさせて頂きました。