株やFXのダイバージェンスとは?それは使えるの?初めて知った時、目から鱗だったダイバージェンス。そんなダイバージェンスについて、具体的な使い方とともにご紹介。
当サイトの、株価予想記事、でタマに出てくるダイバージェンス。株やFXの中級者以上の方なら、名前程度はご存知でしょうが、一般的にはなかなか知られていないチャートの見方。けどダイバージェンス、案外使えるんです。当然、ダイバージェンスだけで勝てる程、相場は甘くありませんが、知っていると株やFXのトレードで新しい視点を得ることができます。管理人はダイバージェンスの考え方を初めて知った時、目から鱗でした。
そんなダイバージェンスの世界をご紹介。(2015年12月15日更新)
概要
そもそもダイバージェンスの意味とは
(ダイバージェンスは)簡単に言えば、価格が新高値か新安値を付けている一方、その価格を基にしたテクニカル指標が新高値や新安値を付けられなかった場合、ダイバージェンスが存在することになる。(マーケットのテクニカル秘録)
上記の図のような場合が、ダイバージェンスが発生している状態です。
相場は切り上げ、で、テクニカル(RSIを利用)が切り下げ。相場の方向とテクニカルの歩行が違っている状態、これがダイバージェンスです。
ダイバージェンスについて記述した論文類を見つけるのは難しい。その理由はおそらく、ダイバージェンスがどちらかというと主観的な売買シグナルだからだと思われる。(マーケットのテクニカル秘録)
ダイバージェンスが一般的に知られていない理由は、恐らくコレでしょう。通常のテクニカル指標のように、テクニカル指標の〇%を下回ったら買いや売りのチャンスですよ、的な明確な基準がないこと。そして、見る人によって見方が変わってくる可能性があること。
見る人によって見方が変わる、という意見は、日頃からフィボナッチで相場を見ていると、全然フィボナッチのほうが見解の相違が多い、と感じるので、個人的にはダイバージェンスが人によっての見方が違うというのは、そんなに問題ないと思っています。
いずれにしても、数字を使ってコレ、と表せる指標ではなく、こんな形が出たらダイバージェンスですよ、というパターン認識の部類に入ります。
パターン認識は、慣れるまで時間が必要ですが、ダイバージェンスは価格とテクニカル、という二つのとっかかりがあるので、他の例えばハーモニックのパターン認識に比べれば、見つけるのは楽です。
ダイバージェンスはテクニカルならRSIでもMACD他でも利用可能
ダイバージェンスは価格とテクニカルの2つを見て判断します。価格は株でもFXでも何でもOK。
そしてテクニカル指標、RSIの利用が一般的。管理人もダイバージェンスの発見は専らRSIです(実は以前テクニカルマニアだった管理人が、今も使い続けているのがRSI) 。
ダイバージェンスの発見、RSIでないとダメ、と言う訳ではありません。ストキャスティクス、MACD、DMI、CCIと、実は利用できるものであれば何でもOK。管理人は以前はRSIオンリーでしたが、長めの足だとMACDのヒストグラムのダイバージェンスが非常に効く、と聞いてMACDのヒストグラムも見てます。確かにRSIに比べて出現頻度は低いものの、確度は高いような。
ただし、要はテクニカル指標と価格で逆転現象が発生していればいいんです。
ちなみに、テクニカル指標、何でもいいのか?、と思われるかもしれませんが、ホント使い易いのがあれば、何でもいいと思います。テクニカルマニアな管理人、テクニカルって最終的に行き着くところが同じかもしれない・・・、と思ったのが、テクニカルから方向転換した理由なので。
ダイバージェンスの使い方
このダイバージェンス、じゃあどうやって使えばいいのか?
管理人としては、エントリーの際の最終判断の一つとして利用しています。特に逆張りの時に。
あーこの銘柄、そろそろ反転しそうだな、フィボナッチ的にも反転ラインにいるし。そして、その時に探すのがダイバージェンス。価格が下落トレンドなのに、テクニカルが上昇を示唆のダイバージェンスが発生していたら、エントリーを前向きに考えます。
ただしフィボナッチ等の根拠があって初めて利用します。ダイバージェンス単体での利用は、まずしません。テクニカルオンリーで行き詰まった管理人的な、テクニカルの利用方法です。
それでも反転せずに、ありゃま損切りだわ・・・、ということも当然ありますが。
けどエントリーの意を決する、具体的な判断ツールとしてダイバージェンスは愛用しています。
ダイバージェンス利用の具体例
ダイバージェンスをどうトレードに利用したらよいか、文章で書くと上記になりますが、もう少し具体的に、管理人はこんな風に使ってますよ、という方法を。
もう一度、先ほどのMACDのダイバージェンスの例の図を出します。
このチャートで考えた場合、まず最初に見るべきは、ダイバージェンスに関係なく反転するかどうかを考えます。
得意のテクニカルや手法があれば、それをご利用下さい。管理人の場合はフィボナッチなので、ココはフィボナッチ・イクステンションが効くのではないか、と考え下記のようにフィボナッチ・イクステンションを引きます。
するとやはり、チャートの上限はフィボナッチ・イクステンション161.8に該当しており、フィボナッチ的には反転してもおかしくない状況。イクステンション161.8の場合、結構反転するのでそのまま逆張り入れるケースも管理人はありますが、それではまだ安心できない・・・、と探してみると、下にMACDヒストグラムのダイバージェンスが発生。
フィボナッチ・イクステンション161.8とMACDダイバージェンスという反転パターン2つが揃った、ということで、ここでの逆張りのショート(売り)エントリーなら勝つ可能性高い、としてエントリーします。
①自らの得意のツール類で反転の目星をつける→②ダイバージェンスの発生を確認する
この流れでダイバージェンスをご覧になってみてください。トレードは根拠に積上げ、と管理人は考えていますが、これなら強い根拠2つで自信を持ってトレードできます。
欠点で後述もしますが、注意点は先にダイバージェンスを探さないこと。あくまでも自らの得意のツール類の裏付けとしてダイバージェンスを利用します。
管理人独特のダイバージェンスの見方で、ダイバージェンスだけでもトレード可能、という方もおられるかもしれませんが、ダイバージェンス主体でトレードしてうまく行った経験を管理人は持っていないので、フィボナッチ→ダイバージェンス、という見方をしています。
ダイバージェンスの欠点
ダイバージェンスの欠点は2つあります。
1つ目は逆張り手法なので、結構リスクが高いこと。
ダイバージェンスを単独で使うと、間違いなく怪我します。価格のトレンドに逆らうエントリー方法なので、普通に考えれば、外れます。ここが結構大切。おー、ダイバージェンス使えそうじゃないか、と言って喜び勇んで使わない方がいいです。
フィボナッチなり何なりで根拠を積み上げて、ダイバージェンスは生きてきます。そういう意味では、ダイバージェンスも、トレードの根拠積み上げのためのツールの1つにしか過ぎません。けど、目先で入るor入らないの判断するためのツールとしては、非常に優れていると考えています。
ついでに言うと、逆張りが決まった時の爽快さ。トレードの醍醐味ですね。
2つ目は、そんなに頻繁に発生しないこと。
ダイバージェンスはストキャスやMACDのクロス等のテクニカル指標のように、そんなにシグナルが発生しません。だから当たる確率が他のテクニカル指標に比べて高い、とも言えますが、タイミングよくダイバージェンスってなかなか発生しないものです。
ただし株のよいところは、銘柄数が非常にたくさんある所。FXも多いとはいえ、株には敵いません。とある銘柄で逆張りのタイミングになった、けどダイバージェンスは発生していない・・・、となれば、同業の他の銘柄を調べてみる、という手が使えます。(ただし業種まとめて騙される可能性は忘れないでくださいね)
ダイバージェンスの発生している銘柄見つけてからエントリーを考える、と言うのは管理人はうまくいきませんでしたが、方法としては否定はしません。
株であれば頻度があまりないダイバージェンスでも、銘柄数でカバーできるのではないか、と考えています。ただそれでもやはり、管理人は先に何かしらの当たりを付けて、その後にダイバージェンスで確認、という見方が固いと思います。
新しいダイバージェンスの考え方・ヒドゥンダイバージェンス
これまで説明してきたダイバージェンスが、所謂普通のダイバージェンス。しかしながら、ダイバージェンス新しい考え方もあります。それがヒドゥンダイバージェンス、というもの。
ヒドゥンダイバージェンス、簡単に言えば、通常のダイバージェンスの逆です。価格がトレンド状態で進んでいる時の戻りや押し目で、テクニカルが逆の方向を示唆している時に、順張りで入る、と言うものです。
順張りで入る際も、実はダイバージェンスの利用が可能なんです。ただ、通常のダイバージェンスよりも、更に発生頻度が低いです。だから、管理人はあまり意識してません。。。ただし、この辺りを意識すれば、更に相場力がアップするかもしれないので、最近意識的に見ています。効果のほどは、まだ分かりませんが。
ダイバージェンスまとめ
エントリーの最終判断用ツールとして、使えるんじゃないか、と思い使っているダイバージェンス。説明したように、当然リスクもありますが、管理人としてはエントリーの最終判断 の根拠の一つとして愛用しています。
以上管理人的な、ダイバージェンスのご紹介でした。ダイバージェンスはフィボナッチやハーモニックパターンより、とっつきやすいので、取り敢えずチャートにRSIやMACD等の見慣れたテクニカルを表示させて、ダイバージェンスを意識してみてはいかがでしょうか?
相場分析に新しい視点が得られますよ。
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参考文献
管理人のテクニカル分析のバイブルです。これ1冊でテクニカル分析はほぼ網羅できます。