スコットランドが独立を問う2度目の住民投票を要求へ

 個人的に非常に注目しているスコットランドの今後。2014年にイギリスからの独立を問う住民投票では、イギリス残留を選択したスコットランドですが、まさかイギリスがEUから離脱するとは夢にも思わず。イギリスがEU離脱を国民投票で決めてから、完全に雲行きが怪しくなっていますが、遂にスコットランドが2度目の独立を問う住民投票を要求する事態に。

 再度の住民投票が行われる場合、2018~2019年に投票が行われる見通し。イギリスのEU離脱が契機となり、イギリスという国自体が解体の可能性もあるスコットランド独立問題、今後の行方に御注目。

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遂にスコットランドが2度目の独立を問う住民投票を要求へ

英北部スコットランド行政府のスタージョン首相は13日、エディンバラで演説し、英国からの独立の是非を問う2度目の住民投票の実施を英政府に要求すると表明した。2018年秋から19年春にかけての実施を目指す。英政府は近く欧州連合(EU)離脱をEU側に正式に通知する見通し。EU残留派の多いスコットランドで独立に向けた動きが再び浮上し、波乱要因となりそうだ。(2017/3/14日本経済新聞

 個人的には遂に来たか、という感じです。2014年にスコットランドはイギリスからの独立を問う住民投票を実施してイギリス残留を決めていますが、それはあくまでもイギリスがEUに参加している、というのが大前提。

 実際にEU離脱を問う国民投票においてスコットランドはEU残留が多数。イギリス残留を決めたものの、話が違うじゃないか・・・、という状態になっています。


緑色の地域が国民投票でのEU残留が多数の地域(wikipedia

関連記事:イギリスのEU離脱の国民投票、地域別結果等まとめ

 スッタモンダありながらも漸くEUからの離脱手続きが開始されそうなイギリスですが、離脱手続き開始とともに、スコットランド独立問題再燃、というやっかいな問題に直面することになりそうです。

イギリスのEU離脱スケジュールと合わせて見てみると時間の無さに気付かされる

 イギリスのEU離脱スケジュールとスコットランドの独立の投票、どんな時間軸になるか、日経新聞がまとめてあったので記載します。

2017年3月 英政府がEUに離脱を通知、離脱交渉を開始
2018年秋 離脱交渉の実質的な期限
2018年秋~2019年春ごろ スコットランド、英からの独立の住民投票再実施を目指す
2019年春 英、EUを離脱へ
(2017/3/14日本経済新聞)

 現段階では、スコットランド行政府がイギリス政府に対して、再度の独立を問う住民投票を要求、というステージであり、まだ再投票が決定した訳ではありません。ただし仮にスコットランド行政府の要望が認められると、2019年春のイギリスのEU離脱を待たずにスコットランドはイギリスからの独立を決めてしまう可能性があります。

 実際に独立するのは先であったとしても、独立決定までの時間軸は結構短いです。イギリス政府はEUからの離脱交渉を行いながら、スコットランドの独立を防ぐための交渉を行うという、2正面作戦を強いられることになります。

 2014年の独立投票の際はイギリス政府が最後にはお尻に火が付いた状態で、スコットランドをなだめすかして何とか独立を阻止した経緯があります。今回仮に再度独立投票となると、EU離脱という逆風のある中で、案外イギリス政府としても切れるカードが限られており(北海油田の権益譲渡等の大盤振る舞いすれば別)、再投票を認めたりすると独立阻止は相当ハードルが高いと考えられます。

 ま、そんな訳で、一番手っ取り早いのは、独立を問う住民投票は一回ポッキリという約束、ということを盾に、住民投票を拒むのが一番の方策だったりします。問題は、スコットランド住民の不満が爆発すると、元も子もなくなってしまうことですが。

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スコットランドに対して独立後の嫌がらせができないイギリス

 
 2014年の住民投票の際は、独立を決めたとして通貨をどうするか等やれるもんならやってみなされ、という空気も強かったイギリス政府。仮にスコットランドが独立したとしても、EU加盟を邪魔したり通貨ポンドを使わせない等、様々な嫌がらせ策が流れていました。

 ところがイギリスがEUを出て行ってしまうため、EUを介したスコットランドに対する嫌がらせは今回できません。スコットランドに通貨ポンドは使わせない、と言うことは簡単にできるにせよ、じゃあユーロを導入します、と言われると指を加えて見ているしかできません。何せイギリスはEUから出ていく身なので。

 元々スコットランドとイングランドは別の国であり、イギリスはEU離脱を決定したことで、国家解体の危機を迎えつつあります。

関連記事:イングランドとスコットランドの長い抗争の歴史

まとめ

 基本的にイギリス政府はスコットランドの住民投票再実施を認めない考えです。当面はこの路線で突っ走るものと考えられます。イギリス政府にとって幸いなのは、今の所はまだスコットランド住民の独立熱に火がついていないところ。イギリスがEU離脱を決定した後も実は独立を求める声が急増している訳ではありません。

 ただし1707年までは別の国だったスコットランド、そう簡単に独立の機運が消える訳ではありません。

 イギリスがEUからどんな形で出ていくのか、という点も今後注目を浴びそうですが、イギリス自身はスコットランドの独立問題にどう対処するのか、という問題を抱えながらのEU離脱交渉となります。

 最終的にスコットランドは独立してしまうのか、それともこのままイギリス残留となるのか、2017年はスコットランド独立問題にとっても転機となる年となりそうです。

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