ヤフーが一休をTOBで子会社化、買収金額約1,000億円は高いか安いか?

 ヤフーが宿泊サイト運営の一休(東証1部2450)のTOB(株式公開買い付け)による子会社化を発表。買収金額は約1,000億円。TOB株価は、一休の発表日終値2,411円に対し、TOB価格3,433円と約1.4倍のプレミアを付けた株価でTOBを行います。
 一見高く見えるこの株価、ヤフー念願の海外進出を一休というブランドで行えるのであれば将来的に安い買い物になる可能性も。
 業界をアッと言わせたヤフーの一休買収劇、果たしてヤフーは、さすが・・・、と周りを納得させる事業展開を行うことができるのか?今後のヤフー+一休連合軍の事業展開に注目です。

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ヤフーが一休をTOB、宿泊サイトは3強時代に

 いや驚きました。ヤフーが17時30分から記者会見って、何だ何だと思ったら、一休買収ですか。これは驚きました。

 宿泊サイト業界は楽天トラベル、リクルートのじゃらん、ヤフートラベル、一休という4社で争う状態でしたが、ヤフーが一休を買いましたか。確かに他の3社に比べると規模の劣る一休ですが、高級価格帯のホテルを中心とする品揃えで差別化もされ、業績も順調で、このまま行くのかと思っていましたが。

 久しくなかったネット企業の大型買収、そう言えば久しぶりです。

ヤフーによる一休のTOBポイント

 ヤフーによる一休のTOBによる買収、IR等を見てポイントとなりそうな部分をピックアップしてみました。

  1. 一休のTOB価格は3,433円、12/15終値2,411円と比べ1.42倍
  2. ヤフーによる一休の完全子会社化を目指したTOB、個人株主は逃げ場がない(TOBで売らずとも、最終的に強制的に現金化が予想される)
  3. 一休の社長は退任するが、ヤフーは一休のブランドはそのままに

 では下記でピックアップした部分の詳細を見て参ります。

一休のTOB価格(株価)は3,433円、12/15終値2,411円と比べ1.42倍

 終値の1.42倍がTOB価格ですか、ヤフーとしては少々高い買い物、一休が交渉を頑張った、という感がします。
 ヤフー、一休の両社のアドバイザー(ヤフー+三菱UFJモルガンスタンレー証券、一休+野村証券)が出していた株価がIR資料にありました。

15.12.15ヤフーの一休買収の株価算定-min

 市場株価平均法、類似会社比較法ともに今回のTOB株価3,433円を下回る計算結果となっており、鉛筆ナメナメの幅が大きいDCFで算出。それも、一休側のDCF価格3,338円上限を上回る3,433円でヤフーはTOBを実行。

 ヤフーが結構鉛筆舐めたのね、という印象がありますが、そこまでしてヤフーは一休を手に入れたかった、ということでしょう。しかし買う側の価格提示が、買われる側の提示より株価が高いケースって珍しいのでは?

 この株価計算表からはヤフーの一休買収にかける並々ならぬ決意を読み取ることができます。

ヤフーによる一休の完全子会社化を目指したTOB、個人株主は逃げ場がない(TOBで売らずとも、最終的に強制的に現金化が予想される)

 先日ハウスのTOBによる壱番屋の記事を書いていますが、ハウスの壱番屋買収は株の51%までを株式市場で購入する、というもの。今回のヤフーによる一休買収は完全子会社化を目指しています。

 そんな訳で、一休は完全にヤフーの子会社となります。

 株価も高めに設定してあるので、恐らく殆どの株主は今回のTOBに応じ、ヤフーによる一休の買収はメデタク成功、という結果になると考えられます。

 仮に天邪鬼な個人株主がいて、わしは株は売りませんで、と言っても、最終的にはTOBの後に強制的に株は現金化される運命にあります。(業界的にはスクイーズアウトと言います)だから無駄な抵抗はよした方がいいですよ。

 まぁ、株価が安かったりすると裁判になってモメゴトの種になりますが、今回のヤフーのTOBの株価、株価が高いという人はいても安いという人はいないと思われるので、モメゴトの種となることは無いと考えられます。

 そして、今回の買収総額は約1,000億円!久しぶりの国内ネット企業同士の大型買収劇となりました。

 尚、TOB期間は年末年始を挟み2015年12月16日から2016年2月3日までとなっています。

一休の社長は退任するが、ヤフーは一休のブランドはそのままに

 今回のヤフーの子会社化を機に一休の森社長は退任。完全に会社を去ることになります。ヤフーは恐らく引き留めたのでしょうが、今後も会社に協力はするけど会社はやめます、という様子。(ヤフー記者会見からの雰囲気)
 そんな訳で、今後一休は完全に名実ともにヤフー傘下の企業として再出発するとこになります。

 そしてヤフーは、一休ブランドは残すと明言。

 そりゃそうでしょ、「一休ブランド」が今後のヤフーの大いなる武器になるのですから。

 ちなみに今回の買収を機に退任の一休の森社長は、一休の創業者であり一休の約41%のシェアを持つ株主でもあります。今回の約1,000億円の買収、森社長の手元には400億円を超える現金が。当然税金は差っ引かれますが、それでも300億円近い現金が手元に残ります。イヤハヤ、ジャパニーズドリームですね。羨ましい・・・。 

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ヤフーは一休ブランドで海外展開の足掛かりを得ることに

 グーグルを除けば日本では圧倒的とも言えるヤフーの存在。けどこれまで散々”ヤフー”と書いてきましたが、正式には”ヤフー・ジャパン”なんです。

 実態としてはアメリカのヤフーから見ればヤフー・ジャパンは全く別の会社ですが(米国ヤフー→ヤフー・ジャパンに35.5%出資、この出資を巡って米国ヤフーはひと悶着が発生しています)、実は”ヤフー・ジャパン”は米国ヤフーとの利用契約で、ヤフーブランドの利用は国内のみに許されています。

 この辺りの詳細は以前のヤフーの記事をご覧ください。

 これだけ日本で圧倒的な存在感のある”ヤフー・ジャパン”ですが、その活動はどこまで行っても国内のみにとどまらざるを得ません。ソフトバンクが米国ヤフーを買収すれば、全ての問題解決の感もありますが、それが無いとなると、”ヤフー・ジャパン”はいつまでたっても少子高齢化で人口減少の日本でしかビジネスが出来ないことになります。

 そしてそこに出てきたのが今回の一休買収。ヤフーとすれば、これまでやりたくても出来なかった海外展開が、一休ブランドで展開できます。ヤフーの一休買収、確かに日本国内でネット宿泊予約市場のシェアアップという分かり易い目的もありますが、この一休ブランドの獲得して海外展開の足掛かりを得ることこそが、もう一つの大きな目的では?

 簡単に想像すれば、増加の一途の訪日外国人観光客、この人たちにネット経由で予約してもらえば、それだけで一気にビジネスになります。基本的には訪日外国人はお金を持っている層なので、一休のサイトとはベストマッチ。海外で一休のサイト立ち上げて、日本で宿泊するならこのホテル、とするのは、もう簡単ですね。
 
 問題は寧ろホテルがどこも満室で空室が無い、という部分になりそうです。

 こう考えるとヤフーは海外進出の武器も手に入るし、ちょうどインバウンドで日本は盛り上がっているしで、高めの株価で一休を買っても充分ペイする、と考えたのではないかと。

15.4.23ヤフー-min
ヤフージャパンとヤフーアメリカとの契約でヤフーブランドが使えるのは日本国内のみ

一休の上場来の株価推移について

 一休は2005年8月に株式を上場。それ以降、現在までの株価は下記のような推移をたどっています(月足、分割考慮済み)。

15.12.15一休の上場来株価推移-月足-min

 今回のTOB価格の3,433円という株価、一休の株を買った人の全員が満足できる価格ではありませんが、最高値が3,833円だったという点、これまでのチャートを見れば、大部分の方が賛成できる価格設定となっています。

 上場直後や2005年12月・2006年1月の高値の際に一休株を買ってそのまま塩漬けになっている方は損が発生しますが、約1割減でお金が返ってくる計算になります。え?もう既に殆どの人が損切してるって?

 まぁそうだとは思いますが、一休側は最高値3,833円の近辺であったり、上場初値3,533円を相当意識してヤフーとの株価交渉に臨んだのだろうなぁ、と考えられます。

まとめ

 今回のヤフーによる一休の買収で国内の宿泊サイトは、完全にリクルート・楽天・ヤフーの3社の時代となりました。ここから先は三国志並に3社の弱肉強食が始まるのか、それともこれで漸く仲良く・・・、という時代になるのか?まぁ3社のカラーを考えると後者はなさそうですが。

 またヤフーは一休の買収により絶好の海外展開の足掛かりができる格好に。これでヤフーは海外展開の号砲が鳴るのでは?海外展開がうまくいけば、今回の約1,000億円の買収金額は安い買い物となります。

 今回のヤフーによる一休の買収、相当なインパクトとなりました。さすがはヤフー!、というM&A後の事業展開となるか。ヤフーの手腕に期待です。

PS 今後のヤフーの株価はどうなる?ヤフーの株価を分析してみました

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