東芝の上場廃止は無いと思う件、大きすぎて上場廃止できないのでは?

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 遂に決算発表ができない状態にまで追い込まれてしまった東芝ですが、東芝は上場廃止になるのか?、と言う疑問は誰しも思うもの。当サイトも、東芝+上場廃止、というキーワードでおいでになる方が多いようです。

 東芝を上場廃止にするかどうかは、東京証券取引所や財務局のご判断となりますが、個人的には東芝の上場廃止は無い、と考えています。なぜって各方面への影響が大きすぎるから。2000年代半ばの金融危機の時に、大手銀行は大きすぎて潰せない、と言う話がありましたが、あれと同じで東芝は大きすぎて上場廃止にできない。

 ここまで市場に相当迷惑をかけて東証も東芝に対して怒り心頭とは思いますが、それでも上場廃止は免れそうな東芝。上場制度って何?、という根本的な疑問が生じるかもですが、大きすぎて上場廃止にできなさそうなのも事実。

 株価が上がるか下がるかはさておき、会社が倒産しない限り東芝の上場廃止は無いのでは、と思います。

証券業協会は東芝の上場廃止を避けてほしいと明言

 証券会社の業界団体である日本証券業協会の稲野会長が定例会見で東芝について言及しています。

経営難の東芝について「(上場廃止になれば)約43万人の東芝株主だけでなく、投資家や市場全体に影響が及ぶ」と懸念を表明した。そのうえで東芝の経営陣に対し「上場廃止という究極的な事態は避けてほしい」と取り組みの強化を求めた。(2017/3/16日本経済新聞)

 東芝が上場廃止になると、株式市場全体に迷惑掛かるからそれはやめて欲しい、そんなことを”東芝経営陣”に対して意見している訳ですが、東芝を上場廃止にするかどうかを決めるのは、東京証券取引所や財務局。このお話、”東京証券取引所や財務局”に対し「上場廃止という究極的な事態は避けてほしい」と配慮を求めた、と読み直すと、非常に分かりやすいです。

 東証や財務局が証券業協会の言うことを聞くかどうかはさておき、証券業協会としては東芝に上場廃止になってもらっては困る、というスタンスが明確になりました。
 ま、これは当然ですね、東芝が上場廃止になって東芝の株券が紙くずになったら、証券会社のお客さん困ってしまう訳なので。

 いくら市場に迷惑を掛けようと、頼むから上場廃止だけは勘弁してやって、というのが証券業協会のスタンスであります。しかし東芝の株主は約43万人ですかぁ、結構な人数ですね、さすが日本を代表する大企業。

東芝の上場廃止のポイント3点

 東芝が上場廃止となるかどうかのポイントは、①2期連続の債務超過、②決算の確定、③東証の審査、の3つ。

 ①2期連続の債務超過については、2017年3月期は東芝は債務超過で通過することで腹を括っていますが、半導体メモリー事業の売却でなんとしても2018年3月期の債務超過は避ける予定。

 ②決算の確定が問題ですが、これは財務局が決算延期を認めるかどうか。財務局がNOと言ってしまうと、それで終了ですが、財務局=財務省が東芝を上場廃止にした、ということになるので、そこまで腹をくくれるとは思えません。東芝も決算を出さない、と言っている訳ではないので、確定まで延期を認めるのではないかと。

 ③東証の審査ですが、これまでの対応で東証は東芝に怒り心頭でしょうが、約43万人の株主を抱える東芝を上場廃止にするリスクを東証が取れるかと言えば、証券業協会の意見もあり、そんな判断できないのでは?

 上記ポイントを考えると、要は2期連続の債務超過以外は、各機関の判断、となります。よって少なくとも2期連続の債務超過を避けることができれば、東芝を上場廃止にするかどうかは、財務局=財務省もしくは東京証券取引所が決めることになります。

 当然ギリギリの交渉と言うことになると思いますが、東芝を上場廃止にする、という判断を下すのは、相当ハードルが高いと考えますが、さてどんなもんでしょ。

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東芝が倒産すれば自動的に上場廃止

 上記のように上場廃止となるには、2期連続債務超過を除けば、財務局か東証が上場廃止を判断する必要があります。マザーズ銘柄ならまだしも、東芝クラスとなると、株主の数に加えその社会的影響も大きいため、おいそれとは上場廃止の判断は下せません。

 ただし東芝が倒産すれは話は別。東芝と言わず、会社が倒産すれば東証が判断せずとも、株券は紙くずになるため、自動的に上場廃止となります。JALがまさにそのパターン。東芝は半導体メモリー事業を売り払ってでも会社の存続はさせようとしているので、原発事業で別のメガトン級の爆弾が爆発することがなければ、倒産に至る可能性は現段階では低いと言えます。

 2期連続債務超過なら上場廃止、倒産なら上場廃止、と自動的にできますが、2期連続での債務超過は回避して会社自体も倒産する訳ではない、という大企業に対し、上場廃止!と判断し宣告するのは、余程の勇気と社会的な支持がないと無いと取れない判断となります。

 ただ財務局も東証も、上場廃止するか維持するか、という判断をこちらに持ってきても困る、というのが本音だと思います。その意味では東芝は完全に困ったチャンになっているのではないかと。

まとめ、ただし株価がどうなるかは別問題

 各状況から考えて東芝の上場は維持されるんじゃないか、と考えています。しかしながら、上場維持と株価の値動きは別問題なので、ご注意を。上場廃止が免れた→株価上昇、と短絡的に考えるのは結構ですが、一時株価が上昇したとしてもその後の成長ストーリーが描けないことを市場が認識して、株価の底が見えない状態に・・・、何て事態も容易に想像できますので。

 あくまでも上場廃止か上場維持かの個人的な考えです。

 まずは東芝は決算発表をチャントできるかどうかが見所。今の期限は4月11日の8営業日後まで。あと約1ヶ月です。ここで決算発表できない、となった時に財務局はどうするのか、非常に興味深いです。延期を認めた場合、どんな理由を付けるんだろ。

 日本を代表する名門企業・東芝が上場廃止であったり、決算発表ができないという情けない事態となっています。約43万人の株主が存在している東芝は、今後どんな方向に進んでいくのでしょうか?今後の東芝の行方、まだ当面注目したいと思います。

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