東芝株価の今後の見通しと予想(2017年2月15日版)

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 不適切会計問題によって、名門優良企業が一転、株価下落そして経営の立て直しを迫られている東芝(東証1部6502)。何とかメディカル事業の売却で一息ついたと思ったのも束の間、アメリカの原発事業で大幅な損失を計上する事態となり、2017年度中に債務超過に転落。2月14日の決算発表は、突如最長1ヶ月の延期と発表し、迷走モードに突入しています。
 
 そんな状況を受け東芝メディカルの売却を受け上昇していた東芝の株価は、一転大幅安に転じ、目指せ最安値モードに。

 昨年の危機に続き、2度の危機を東芝は乗り越えられるのか?半導体部門の全株売却にまで言及して、生き残りのためになりふり構わない状態となっている東芝。果たして東芝は、再度復活しそして株価上昇の機会を得ることができるのか?
 
 東芝の株価の今後の値動きに御注目!(2017年2月15日更新)

東芝の業績推移

 不適切会計問題が発生した東芝、修正後の決算短信から引っ張り出したこれまでの業績推移は下記となります。

16-11-29東芝-業績推移

 16/3期営業利益で7,000億円以上の赤字を計上した東芝。過去の膿がどれだけ大きかったか分かろうかというものです。16/3期で悪い部分を全て出し切って、17/3期からはV字回復の計画。営業利益で1,800億円の計画となっており、この計画が達成できるかどうか、非常に注目を浴びていました。

 ところが一転、アメリカの原発事業でこれまで読んでなかった損失が発生。2017年12月の第3四半期の時点で原発事業で7,125億円の損失を計上する事態に陥ります。2期連続の赤字補てんのために東芝メディカルという虎の子を売却して、どうにか体力=純資産を維持していた東芝ですが、原発事業の損失により、1,912億円の債務超過に転落。
 再び経営の危機的状況に陥ることとなりました。
 
 債務超過回避のために、最後の砦とも言える半導体事業の100%売却にも言及している東芝。2018年3月期決算は、当初の予想とは全く違う数字での着地となるのは間違いありません。 

※上記の17/3期予想数字は大幅に下方修正が予想されますが、以前の見通しを確認のために残してあります

東芝の配当金推移

 東芝の配当金は下記のように推移しています。

東芝の一株当たり配当金推移
2010/3期 0円
2011/3期 5円→中間2円+期末3円
2012/3期 8円→中間4円+期末4円
2013/3期 8円→中間4円+期末4円
2014/3期 8円→中間4円+期末4円
2015/3期 4円→中間4円+期末0円
2016/3期 0円

東芝の配当金は2012/3期に8円(1株当たり)となって以降3期連続8円配当。恐らく2015/3期も同じく8円の予定だったと考えられますが、不適切会計問題の発覚により、2015/3期は期末の配当金0円となり、通期で4円となっています。

 尚、2017/3期は配当の予想は行われていません。

東芝の10年分の株価推移と高値と安値

 不適切会計問題で揺れた東芝ですが、メディカル部門が思わぬ高値で売却できて、一息ついて、それとともに株価も上昇してきましたが、原発事業での新たな損失発覚により、再度下値を探る展開となっています。

 下記は東芝の株価の10年分の月足チャートとなります。


「画像出典:マネックス証券/日本株取引ツール トレードステーション」
マネックスTradestation
※関連記事:マネックス証券のトレードステーション発表会に行ってきました

・東芝株価の最高値→1,185円(2007年7月)
・東芝株価の最安値→155円(2016年2月)

 不適切会計問題の発覚で株価が急落した東芝の株価。底割れするか?、とも思いましたが、最安値を更新し155円という株価は着けたものの、どうにか底割れは避けて反発。

 東芝メディカルの売却を受けて一息ついた東芝の株価は、155円を付けた後に470円台まで上昇を見せます。底で売って天井でうれば約3倍、それが無理でもうまく立ち回れば2倍にはなってます。まぁ、昨年の時点で底の付近で東芝株を変えるのは余程のリスクテイカーなんでしょうが、リスクを取った方は見事に報われています。

 しかしながらアメリカの原発事業で再度大きな損失が発覚し、それを契機に株価は再び下落。2016年12月の月足で長い陰線を付け、1月も再度陰線。そして2月14日に期中の債務超過転落及び決算発表の延期を発表し、再度東芝株は売られています。

 2月14日の東芝株の終値は229.8円。最安値155円が徐々に迫りつつあります。最安値と言わず、これまでのレンジ相場の下限に位置している状態には既になっています。

東芝株価の今後予想されるポイント

 目指せ最安値状態の東芝の株価ですが、今後予想される株価のポイントを2点ピックアップしてみました。

①最安値155円を割れるかどうか

 東芝の今後の株価は、2016年2月に付けた155円を割れるかどうかが最大のポイントとなります。

 過去6年に渡るレンジ相場の中で、2016年2月の155円という株価はレンジ相場の下限を実は割っているのですが(ダウ理論的には下落トレンド入り)、ギリギリ持ちこたえています。

 次に155円を割れると、本当の意味でレンジ相場の下ブレイクの可能性が高く、となるとこれまで持ちこたえていた株主が一気に東芝株の売却を始めかねません。

 よって155円を割れると、一気に下落が進む可能性を有しています。

②6年以上続いたレンジ相場の存在をお忘れなく

 前述の通り、東芝の株価は2009年以降6年に渡り200~550円付近でレンジ相場を形成しています。

 今後も東芝の株価はこのレンジ相場が意識される可能性があります。最安値155円を下にブレイクしないことが大前提となりますが、どうにか155円を持ちこたえると、再びレンジ相場の中で推移する可能性があります。

 現状の東芝の危機的状況を考えれば、どうにか危機的状況を脱して、株価的にもレンジ相場の中に留まることができれば、まずは御の字のような気もします。

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東芝株価の今後予想される値動き

 目先はどうやってしのぐのか、という点が経営的にも株価的にも焦点の東芝。株価が本格的に上昇、というシナリオは描きにくいのですが、上昇するケースと下落するケースの2つの値動きを考えてみました。

①株価が上昇するケース

 色々心配をおかけしましたが、どうにか株価も立ち直ることができました、というケースがこちら。
 

 実は東芝の現在の値位置は、フィボナッチ・リトレースメント76.4~88.6%のゾーンに位置しています。尚、フィボナッチ・リトレースメントについては下記をご参照ください。

関連記事
フィボナッチ・リトレースメントでの相場分析方法について
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 更に過去レンジ相場を形成した際に、リトレースメント76.4%は一旦底ともなっています。よってファンダメンタル何も関係なくチャートを見ると、そろそろ東芝株は一旦反発があっても不思議ではない状況となっています。

 東芝のチャートと言われず上記チャートを見ると、管理人は買いで逆張りをしてしまうパターンです、ホント。

 東芝の場合、ファンダメンタル面で近づきがたいので、当然スルーですが、チャート的には買いのキレイなチャートパターンと言えます。

②株価が下落するケース

 既に目指せ最安値155円、という状態となっている東芝の株価。このまま下落する場合です。

 このまま下落の場合は、155円まで下落して最安値を巡る攻防の後に。買い方が勝利して上昇するか、遂に最後の砦が破られて更なる下落となるのか。

 155円を下回ると、既にその下には株価が引っかかる価格帯がないので、どこまで下落するかは何とも言えません。ただし株価的には新しい世界入りとなり、新たな安値を探る展開となります。

3本RCIで東芝の株価を見てみる

 伝説のテクニカルとも言われる3本RCIで東芝の株価(週足チャート)を見てみます。

 3本RCIの伝説の使い方は逆張りなのですが、管理人は順張りで戻りや押し目を拾うのに利用します。東芝の週足で見れば、3本RCIはそこそこよいタイミングで戻りと押し目を拾えているのが分かります。足元の上昇相場も3本RCIを見ていれば取れてますね。

 ただし2016年12月からの下落は順張り指標の3本RCIで捉えるのは困難。本来RCIは逆張りに利用するものなのですが、3本で見ると順張りでの使い勝手のほうが優れています。

 相場なので当然百発百中とはいきませんが、3本RCIはその辺りのテクニカルより全然使えます。ご興味あればマネックス証券のトレードステーションで3本RCIを設定して使ってみてください。見方に慣れれば、戻りや押し目の場所が、明確に分かるようになります。下記で3本RCIの設定方法も解説しています。

東芝の株価まとめ

 不適切会計問題は、メディカル事業の売却成功をもって一段落したと思いきや、アメリカでの原発事業で約7000億円の損失を計上して、再度危機的状態に陥っている東芝。

 最後の砦とも言うべき半導体事業の100%売却までも明言し、生き残りのためには何でもするモードとなっています。ただしこれで本当に最後なのか?、という疑念も正直払しょくできておらず、仮に半導体事業が売れて体力が回復しても、投資家の信頼を取り戻すには、相当な努力と時間が必要。更には成長事業の半導体事業を売り払って、一体東芝はどうやって今後食べていくのか、というそもそも論のお話も出てきます。

 原発事業に入れ込んで、遂にギリギリの状態にまで追い詰められつつある東芝。今回の危機も乗り越えて、時間はかかったとしても、見事会社及び株価の復活する姿を見ることができるのか?

 今後の東芝の会社の状況及び株価は、まだ当面目を話すことができない状況が続きそうです。

PS 東芝は原発事業を辞めたくても辞められないようです・・・
東芝が原発事業をやめると7934億円の請求書が回ってくる件

ソーシャルレンディングという選択肢について

 ファンダメンタル的に良くない東芝株に飛び乗るのはリスクが高いと思うけど、何かしら投資はしたい・・・。そんな方がおられれば、現在話題になりつつあるソーシャルレンディングの投資を研究してみては?

 海外への投資案件となりますが、1万円から投資可能で利回り約10%のクラウドクレジット」が口座開設の最初の一歩としてはお勧めです。元本毀損のリスクはありますが、日々の相場変動に煩わされることはありません。今後成長が予想されるソーシャルレンディング市場、今から研究そして口座開設をしておけば、本格的な市場拡大期に乗り遅れることはありませんよ。

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