シャープはホンハイと提携を決定だが、偶発債務問題で着地は先に

 シャープが遂に台湾・ホンハイ(鴻海)との提携を決断。産業革新機構がリードしていたシャープの再建、最終的にはホンハイが逆転勝ち?

 しかしシャープの決定後、偶発債務の問題が明らかになり、今度はホンハイ側がシャープ支援の最終決定が遅れる状況に。シャープの再建問題、まだ最終着地、という訳にはいかないようです。

 シャープの再建問題、シャープは3月に銀行の借入返済が迫っておりお尻に火がついた状態ですが、最終着地に至るまでまだひと悶着ある可能性も。

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シャープの再建、ホンハイが産業革新機構を破ったが・・・

 約1年以上、シャープの再建をめぐり、産業革新機構があーでもない・こーでもない、とやって来ましたが、最終的に勝利したのは台湾・ホンハイ。以前、両社の条件面を比較しましたが、条件を比較すれば、そりゃ普通に考えればホンハイを取るでしょ、という内容であり、ある意味では妥当な帰結となりました。

 既に提携関係にあるシャープとホンハイですが、第一次の経営危機の際にシャープはホンハイに振り回された経緯があり、その経験からシャープの社内取締役は産業革新機構の案に傾いていたようですが、最終的には全会一致でホンハイ案に決定したようです。

 そしてこれで一件落着かと思いきや・・・、報道を見てみると、シャープの偶発債務の問題があり、ホンハイ側がシャープ買収に向けた契約を暫定的に見合わせると発表しています。

 ありゃま・・・、話が少し違わないですか。。。シャープの再建問題、最後の最後にまだひと波乱ある気配が。

シャープの抱える偶発債務とは?

 ここで表面化したシャープの偶発問題。日経新聞には下記のように書かれています。

この文書(ホンハイが2/24にシャープから受け取った)は約3500億円に達する財務のリスク関連情報で、退職金や他社との契約に関する違約金、政府補助金の返還などに関する内容が含まれているもよう。鴻海(ホンハイ)はリスク情報についての協議を求めたが、シャープはそれに応えず「取締役会を開いて買収受け入れを決めた」(関係者)という。(2016/2/26日本経済新聞)

 約3,500億円というと産業革新機構の支援額に近い数字で、ハイそーですがか・・・、と簡単に言える数字ではないことが分かります。

 通常のM&Aの世界では、偶発債務=隠れ債務の問題、買収の調査(デューデリジェンス、以下デューデリ)の段階で、必ず潰しておくべき問題。M&Aのイロハのイです。

 シャープがホンハイに偶発債務問題を開示していなかったのか?、それとも、ホンハイはそんなの先刻承知の上で蒸し返しているのか?これが分からないと、コメントのしようがありません。

16.2.26シャープ偶発債務-min
交渉相手のホンハイは一筋縄でいく相手ではありませんので・・・

シャープがホンハイに偶発債務問題を開示していなかった可能性

 ファンド出身者が多く企業再生のプロ集団である産業革新機構は、そのデューデリの過程でシャープの偶発債務問題は間違いなく把握していたと考えられます。そしてそれを踏まえての買収提案。
 一方、ホンハイは偶発問題を知らないままでシャープに買収提案を行っていたとすると・・・、そりゃホンハイが高い値段を付けるのは当たり前です。なぜホンハイはシャープに破格の値段を付けたのか、合点がいきます。
 この場合はホンハイが前足をかきすぎたというか、M&Aのイロハも知らないのか・・・、ということになります。何せ管理人でも、最初に調べそうなものなので。シャープの側からすれば、聞かれなかったので話しませんでした・・・、と言えてしまえます。

 このような言ったor言わない、という不毛な話を避けるための交通整理のために、M&Aの際は間に証券会社や投資銀行を立てるケースが多いのですが、シャープの場合は間に証券会社や投資銀行が入った形跡がないので、産業革新機構であれホンハイであれ相対でやり取りをしていたと推察されます。

 まぁ間に証券会社等が入れば全てOKと言う訳ではなく、実際手数料もそれなりにかかりますし、買い手の側からは自由に会社側とやり取りできないので嫌われるケースもあるので一長一短ではあります。
 世界的な投資家ウォーレン・バフェット氏は、間に証券会社が入った入札方式のM&Aはやらない、基本的にフェイス・トゥー・フェイスができる相手の会社しかM&Aしない、とまで言い切っています。

 M&Aに際し、証券会社・投資銀行を間に入れるかどうかは、「ハゲタカ2」の描写が分かり易いのでご興味あれば一読を。

 

ホンハイは事前に知っていた、ホンハイの交渉術の一環の可能性

 交渉上手のホンハイ、シャープの偶発問題の存在を知らない訳がない、と言うことで、ホンハイの交渉術の一環、という可能性もあります。

25日夕、鴻海は「シャープが24日朝に出した重要文書について精査する必要があり、取締役会前に契約の延期を申し出た」と発表した。約3500億円に達する財務リスクの関連情報をさすが、あるシャープ関係者は「知っていたはず」と漏らす。(2016/2/26日本経済新聞)

 

 ホンハイがギリギリの交渉術の一環の可能性は否定できません。お金払う前に最後の値切り交渉をする、というのがありますが、まさにソレですね。
 無類の交渉上手のホンハイ、さっそく本領発揮という可能性も。

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3月に約5000億円の借入金返済のため、お尻に火がついているシャープ

 実はシャープは既に悠長に事を構えていられる状態ではありません。各報道によると3月末に約5,000億円の借入の返済が迫っている様子。

 シャープはホンハイであれ産業革新機構であれ、他社からの支援なしには期末を乗り切れない可能性が。シャープは完全にお尻に火がついた状態となっています。

 地デジバブルの頃にわが世の春を謳歌したシャープですが、まさに盛者必衰の理を表す、との言葉通りの展開になっています。しかし地デジバブルからまだ10年たってませんが、ホント、時代の流れは早いものですね。

まとめ、シャープ再建の着地はもう少し時間が必要

 すんなり決まらないなぁ、というシャープの再建問題、ここに来て偶発債務の問題が出て来るとは、少々驚き。ホンハイが本当に知らなかったのか、交渉術の一環かはそのうち明らかになるでしょうが、いずれにしても、シャープ再建の最終着地はもう少し時間が必要のようです。
 実際調べて見たらこんな数字になりました、とホンハイが最後の最後にハードルを上げて、それじゃ話が違う、となり産業革新機構の逆転勝ち、になる可能性だってあります。

 なかなか最終着地しないシャープの再建問題ですが、既にシャープのお尻には火がついているので、3月末迄には何らかの形で着地はすると考えられます。

 果たしてシャープの再建問題、どんな形で最終着地するのか。もう少し様子を見たいと思います。

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