東芝決算は378億円の赤字、再生は半導体事業で時間との戦い

 遂に発表された東芝の2015年3月期決算。その内容は、378億円の赤字というもの。ただし、過去7年の赤字の合計は2,555億円としており、不適切会計の値は非常に深かった、ということが明らかに。赤字の原因は、PC・家電部門で直近3年で2,300億円!リストラは避けられそうにありません。

 けどね、問題の本質、原発事業の減損には敢えてフタをしている決算。貸借対照表(B/S)はそのままの状態。東芝は重石を背負いながら、再生の道をゆっくりと進むことになります。

 東芝は現在半導体一本足打法状態。流れの早い半導体事業、東芝の再生は時間との戦いとなります。

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PCと家電部門に責任あり、とした東芝の決算

 2015年3月期の最終損益は378億円と発表した東芝。また過去分についても2,555億円の赤字を発表。問題の原因を、3年で2,300億円の赤字を計上した、PCと家電部門(ライフスタイル事業)としています。

 かつて世界を席巻した東芝のノートPC、ダイナブックも昔日の姿は無く、家電部門、恐らく液晶テレビのレグザも他の家電メーカーが総崩れの中、一人無事、と言う訳ではなかった、ということかと。
 ノートPCは今更言うまでもありませんが、国内メーカーは随分と淘汰されてしまいました。
 そして液晶テレビも、他の家電メーカーが軒並み苦戦している中、東芝1社が黒字、と聞き、ほんまかいな?、と思いましたが、今回の発表を見ると、やはり・・・、という状況。やはり同じ環境下で、1社だけ儲かるなんてことは、ありえなかったようです。

 しかし一時は東芝の屋台骨を支えていて、世界的にも名前の通っていたノートPCのダイナブックもメロメロですね。PC自体がコモディティ化(一般商品化=要は普通の道具になりました)して、ノートPCもその流れには逆らえず、ですね。

 管理人、予備のノートPCが壊れて買い替えを検討中ですが、そもそも東芝という選択肢、そー言えば入っていません・・・。某海外製のノートPCを予備機として利用して、結構気に入っていましたが、あまりの故障の多さに利用を断念。今回は国産のノートPCを予定してますが、東芝の存在、殆ど忘れてました・・・。

原発事業そして貸借対照表(B/S)の減損には触れず

 東芝の不適切会計問題、根本的な原因は、原発事業のM&Aで財務的に厳しい中で無理をせざるを得なかった、と管理人は考えています。

関連記事:東芝の不適切会計問題、貸借対照表(B/S)を見ると理由が分かる?

 東芝の第三者委員会は、そもそも注文を受けてないし・・・、ということでこの問題をスルーしています。パンドラの箱を開けるのが怖かったのもあるでしょうし、パンドラの箱問題はオーダーを受けていません、ということにしています。

 それが、いいのかor悪いのかは、さておきます。各方面と折衝して、そうなったんでしょうから。

 けど東芝の貸借対照表(B/S)、穴が開いたのはそのままで、原発事業の重石は今回もそのままとされています。東芝の発表でも、特にB/Sについては触れられていません。
 
 チャート屋にも分かる東芝のB/S問題、当然偉い方々はお気づきのハズなので、潰れてもらっては困る東芝、ここは穏便に着地させる、と各方面で判断したのではないかと。

 そして今後東芝は、B/S上に重石を背負ったまま、再建に向けて進むことになります。

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半導体一本足打法の東芝

 東芝の部門別損益を見ると、今の東芝は完全に半導体の一本足打法。スマホ向け向けのフラッシュメモリが東芝の屋台骨を支えています。

 実は東芝にとって半導体事業は苦難の歴史の連続で、苦しい時も何とか歯を食いしばって莫大な投資を続けて、今日があります。そして今の東芝の半導体部門を立て直した、と言われているのは、現在日本郵政の社長の西室泰三氏。1990年代半ば以降、東芝にとって半導体事業は完全にお荷物事業でしたが、今では稼ぎ頭。経営判断って、ホントその後の企業に大きな影響を与えるという、好事例と言えます。

 今や半導体事業の一本足となった東芝。半導体は言うまでも無く市況産業。今はスマホの出荷台数自体は伸びており、東芝も潤っていますが、既に先進国ではスマホ市場の飽和が言われており、期待の中国市場も成長が鈍化。

関連記事:中国のスマホ市場が失速、シャープやJDIは大丈夫?

 半導体事業は目先の損益に関係なく、莫大な設備投資を続けなければ負けてしまう、ある種チキンレース的な市場。
 要は、儲かる時はドカンと儲かりますが、常に金食い虫状態。赤字になった時、そこを耐えて、投資を続けられるかどうかがポイントになります。黒字の時も赤字の時も常に一定の投資が必要、って結構辛い事業です。

 半導体事業、市況産業だけにその上下の変動は激しく、確かにここ数年は業績がよいのですが、市況産業故、将来を半導体事業に委ねるというのは、とってもリスキー。それは東芝の半導体の歴史が物語っています。

 ただしその半導体事業に東芝は自らの運命をゆだねざるを得ない状況。そこに東芝の一番苦しい部分があります。

 そして、東芝の半導体事業の有力提携先のサンディスクが買収されることに。何だか流れ的にイヤーな予感がしないでもないです。

関連記事:ウエスタン・デジタルがサンディスクを買収、東芝の半導体事業に嫌な予感

ノートPCと家電はリストラ必至

 原発事業の問題は完全に横に置いておく、という大人の判断が下っている東芝。
 目先は赤字の止血ということになり、となると、その対象はノートPCと家電。両部門はリストラ必至でありましょう。

 ノートPC部門は他社の例でもあるように、ファンドや中国勢があり、売却する、と判断すれば売却先には困ることはなさそうです。

 家電部門は丸ごと売るというイメージはあまり沸かないので、選択と集中?
 他社の例で見ても、同じ家電でも白物家電(冷蔵庫・洗濯機)が大赤字、というのはなさそうなので、やはり東芝の家電事業の赤字問題、液晶テレビのレグザをどうするかが焦点になりそう。

 と考えると、まずはノートPCのダイナブックと液晶テレビのレグザが今後どうなるのか?、が注目点です。

15.9.8ダイナブック
以前は世界を席巻したダイナブックですが・・・

東芝は当面ICU(集中治療室)に入院予定

 出来るかどうかはさておき理想を言えば、思い切った減損処理をして身軽になってその後リストラ、そして同時に増資で一気にV字回復、というのがベストシナリオ。

 今回それをしないorできない東芝。半導体一本足打法とは言え、黒字の会社なので、各方面からお目付け役を迎えて、ICU(集中治療室)で体力の回復を待つことになります。

 けど先に述べたように、半導体事業も市況産業。今は良いのですが、一寸先は闇です。そう考えると、東芝の再建ICUでゆっくり体力の回復を待つ、という悠長なことを言ってられない可能性が。地味ながら本業部分が継続的に黒字、ということであればユックリやりましょう、となりますが、どうも東芝はそんな余裕がなさそうです。

 実はお目付け役の方々、結構なリスクを引き受けています。仮に東芝が今後、本当に傾いてしまったら、何やってたんだ、ということになってしまいますので・・・。 
 まぁ、コーポレートガバナンス改革だけで会社が立ち直る、と思っている方は殆どいないと思いますが。

 東芝の再建、時間との戦いです。

まとめ、とりあえずは着地した東芝の不適切会計問題

 世間を騒がせた東芝の不適切会計問題。2016/3期の第1四半期決算はまだ出ていませんが、こちらは遠からず出てくると思われ、今回の騒動、とりあえずは着地と言えます。やはり上場廃止もなさそうです。

関連記事:東芝の不適切会計、上場廃止の可能性は低いと思う理由

 不適切会計じゃなくて粉飾じゃないか、とか、原発事業の減損はどうするのよ、とか突っ込み所が満載の東芝の不適切会計問題。今後の焦点は東芝は再生できるのか?、という部分に移って行きます。

 半導体事業という、結構危なっかしい事業に寄りかからざるを得ない東芝。とは言え多くの雇用を生む日本を代表する大企業であり、日本経済のためには再生してもらわねば困る会社です。

 時間との戦いとなりますが、東芝の再生を祈念しております。

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