九州の第一地銀の再編が戦国時代みたいで面白い?長崎の十八銀行が福岡銀行を中心とするふくおかFGとの経営統合を表明。ふくおかFGを中心に戦国時代の様相を強めている九州の第一地銀業界。次に動くのはどこの銀行?
果たして九州統一を行う銀行は出てくるのか?それともまだまだ群雄割拠が続くのか?九州の第一地銀にご注目。
概要
長崎の十八銀行がふくおかFGへの参加を決断
九州ではちょっとしたニュースになっている、長崎県の第一地銀である十八銀行のふくおかFGとの経営統合。九州では地銀の陣取り合戦が、進んでいます。
『「広域展開型」地銀を展望=十八銀と来年4月統合-ふくおかFG』(時事通信)
九州ナンバーワン地銀グループのふくおかFG。ふくおかFGは福岡銀行、親和銀行(長崎、佐世保が本店)、熊本ファミリー銀行(熊本)の3行が母体の地銀グループで、九州各地に積極的な営業攻勢をかけています。九州の地銀はふくおかFGを始め、陣取り合戦状態となっており、ふくおかFGに次はどこの銀行が参加するか注目を浴びていましたが、長崎の十八銀行が加わることに。
ふくおかFGとしては、過去の親和銀行は不良債権に苦しんでいた銀行を福岡銀行が助けた(福岡銀行は結構なリスク取った、と当時思われていました)、熊本ファミリー銀行は第二地銀、ということもあり十八銀行の統合はこれまでとインパクトが全く違います。
尚、今回の統合で親和銀行は十八銀行と統合する予定であり、ふくおかFG内での長崎県の銀行は十八銀行のみとなります。
戦国時代さながらの九州の第一地銀業界
「信長の野望」シリーズ等、戦国時代が好きな方は、多少なりとも興味がありそうな、九州の第一銀行の再編。現在、九州の第一銀行グループは下記が主なプレイヤーとなっています。
ふくおかFG→預金量11.7兆円
今回、十八銀行と経営統合を発表。福岡銀行を母体とし、親和銀行(長崎)、熊本ファミリー銀行の3行で構成。第一地銀業界の再編のトップランナーとも言うべき存在。横浜銀行と東日本銀行の経営統合までは、地方銀行業界で資産規模トップでしたが、今回十八銀行との統合で再びトップの座に返り咲きです。
西日本シティ銀行→預金量6.5兆円
地元福岡でのふくおかFGとのライバル関係は相当なもの。西日本銀行(第一地銀)と福岡シティ銀行(第二地銀)が2004年に合併し設立。頭取が財務省出身で、財務省の影響の強い銀行。
九州FG(肥後銀行・鹿児島銀行)→預金量7.1兆円
2015年10月に肥後銀行・鹿児島銀行が持ち株会社を設立、できたばかりの、第一地銀グループ。今後の動向に注目が集まっています。
熊本藩と薩摩藩が一緒になった訳で、びっくらぽん、という状態。しかしそれだけ九州の地銀は単独での生き残りはシンドイ、という裏返しではないかと思われます。
山口FG→預金量8.1兆円
戦国の世の毛利家です。傘下に北九州銀行という銀行を有する、山口銀行を母体とする銀行グループ。広島のもみじ銀行もグループ内に擁しており、中国地区では再編の中心的存在。そんな中で北九州銀行を2010年に設立し、九州の銀行界をアッと言わせています。ちなみに北九州銀行は日本で最も新しい銀行です(2016年2月時点)。
預金量はふくおかFGの11.7兆円が飛びぬけていている中、更に十八銀行の2.4兆円が加わるので、他のグループを圧倒する存在となりますが、それでも他のグループも預金量5兆円オーバーなので、いずれもデッカイ地銀グループというのは間違いありません。
上記の4グループが中心となって、今後の九州の地銀業界の再編が更に進んでいくものと考えられます。しかし古き良き第一地銀の時代を多少なりとも知っていると、時代は変わったなぁ、と思わざるを得ません。福岡銀行が親和銀行を買収した時もこりゃスゴイ、と思いましたが、今や第一地銀同士が経営統合する時代。考えてみれば都市銀行も最終的に3グループに集約された訳なので、地銀も地域毎に似たような状況になるかもしれませんね。
独立している九州の第一地銀
今後花嫁候補となりうる、独立している九州の第一地銀は下記3行となります。いずれの銀行も各方面からラブコールを受けていそうです。
佐賀銀行(預金量2.0兆円)
十八銀行のふくおかFG入りによって、周辺をふくおかFGに囲まれた状態になった佐賀銀行。十八銀行と佐賀銀行が一緒になるのでは?、という憶測もありましたが、完全に外れました。
九州でも特に独立心旺盛な佐賀県。このままとんがって独立を貫くのか、それとも抜群の地の利を生かしてどこかのグループに参加するのか?
宮崎銀行(預金量2.1兆円)
戦国時代は島津家と大友家の係争の地であった宮崎県。地理的には熊本と鹿児島のお隣で、九州FG入りか?、と安直に思いますが、熊本からも鹿児島からも宮崎に行くのはエラク離れてます。これは行ってみないと分かりません。熊本からだとバスです。
地元では鹿児島銀行と宮崎銀行のライバル関係は有名なので、そう簡単に九州FG入りするとも思えません。
大分銀行(預金量2.6兆円)
別府温泉や湯布院と言った温泉街を抱える大分銀行。旅館の再生ノウハウ等を元に自ら再生ファンドを運営する等、実は結構ユニークな銀行でもあります。
大分は地理的には北九州から特急で一本。福岡に拠点を置く地銀グループとしては、是非参加をお願いしたい先かもしれません。
管理人の独断と偏見の考え
その昔、九州の地方銀行には大変お世話になり+大変迷惑もかけた管理人。かつての知識を思い出しながら、独断と偏見で今後を予想してみます。
宮崎銀行と大分銀行は一緒にならない
宮崎銀行が九州FGに入らないなら、お隣の大分銀行と一緒になれば、というのが地図的視点。けどね、大分-宮崎間、確かにJRは通ってますが、特急で約3時間!時間距離で言って、東京-大阪、大阪-博多より遠いんです。
そんな訳でまず宮崎銀行と大分銀行は一緒になることはないのでは?
ちなみに大分-宮崎間のJR、仕事ではなくプライベートで電車旅するのは超オススメであります。山や海が目の前に広がる風景が約3時間楽しめます。景色のよさは日本屈指といっても過言ではありません。管理人は仕事で往復しましたが・・・。
我が道を行ってしまうかもしれない佐賀銀行と大分銀行
歴史的に佐賀は独立の気風が強い地域。アンチ中央的ナカルチャーは未だに色濃く残っています。
別に再編だけが地銀の生きる道ではない、とばかりに独自の道をトンガッテ行ってしまう可能性も。別にそーいった地方銀行があってもいいと思います。
そして大分銀行も同様。これまで生き残りの為に、再生ビジネスを手がける等、大分銀行は独自の手を打ってきています。ついでに言えば、別府温泉・湯布院温泉という日本屈指の温泉街を抱える大分県、外国人観光客が押し寄せてインバウンド消費で地域経済活性化に大成功、そんな訳で再編の必要性を感じません、なんて可能性もなきにしもあらず。
大分銀行と伊予銀行の組合せとか面白かったり
殆どネタですが、大分銀行と伊予銀行の組合せって面白そう。海を挟んで向かい合っている大分県と愛媛県。JRで行くより、移動は船が早い、となれば可能性があったり・・・。けど船での移動と言えば、広島-愛媛の方が便利ではありますが。
いずれにしても、九州の地銀の再編、単に日本地図見ているだけでは分かりません。特に宮崎県はJRだと大分から行くにしても、鹿児島から行くにしても時間距離が遠いので、残る3行まとめて独自路線を進んで行く、なんてことも十分にありえるかと。
九州の地銀の再編は時間距離の要素も大切
中途採用を積極的に進めるふくおかFG
第一地銀って中途採用をするイメージ殆どないのですが、ふくおかFGは積極的に中途採用を行っています。九州制覇への戦略の一環でしょうか?
対象は、大卒以上で卒業後3年以上の金融機関実務経験者及び、IT・セキュリティ・コンサル等の専門知識を有する方、となっておりかなり間口を広げた形で中途採用を行っています。
九州出身者は地元愛の強い方が多いので、Uターン等考えていたり・興味があったり・ホークスファンだったりする方は、一度詳細をのぞいて見てはいかがでしょうか?登録はタッタ1分で完了します。
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まとめ
その昔、九州の地銀に出入りしていた管理人、随分とお世話になり、ご迷惑もおかけしたので、再編は興味津々です。しかし十八銀行のふくおかFG入りは驚きました。
大分駅前の飛び込みで入った居酒屋で、関アジの刺身のウマサに感動したことを思い出しつつ、九州の地銀再編について色々と考えてみました。
果たして九州の第一地銀は今後どんな勢力図になって行くのでしょうか?今後もまだまだ注目です。
・17/1/24追記:十八銀行とふくおかFGの経営統合、公正取引委員会という強敵が出現し難航しています
「十八銀行とふくおかFGの統合が延期、原因は公正取引委員会」