アスクルのLOHACO(ロハコ)がヤフーに取り込まれる簡単な理由、ソフトバンクには勝てない

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ヤフーがアスクルに対して共同で展開するLOHACO(ロハコ)事業の譲渡を申し入れ、それを拒否されるや、ヤフーがアスクルの社長に再任に反対する事態となっています。

業務提携の際の契約書を盾に頑張るアスクルの岩田社長ですが、ヤフーの背後にいるソフトバンクの存在を考えると、正直勝てる戦とは思えません。

業績もパッとしないアスクル、今後どうなってしまうのでしょうか。決戦は8月2日の株主総会、今後の動きが注目されます。

ヤフーがアスクルに対してロハコ事業の譲渡を要求もアスクルは拒否

ヤフー<4689>とアスクル<2678>が資本提携しているのは知られている話で、ヤフーはアスクルに45%の出資を行っています。そんな微妙な出資比率の中、ヤフーがアスクルに対して共同で事業展開しているLOHACO(ロハコ)事業の譲渡を要求した様子。

アスクルは拒否して、アスクルの岩田社長がヤフーから再任に反対される事態となり騒動が勃発しています。アスクル側は出資受け入れ時の契約に基づき、ヤフーとの資本・業務提携契約の見直しを求めています。


・アスクルの株主名簿

元親会社で11%を出資するプラスも岩田社長の再任に反対のスタンス

今回ヤフーがアスクルの岩田社長の再任に反対姿勢を示していますが、実は元親会社で今もアスクルに10%を出資するプラス(未上場の文房具メーカー)も岩田社長の再任に反対しています。

よって資本の観点からは岩田社長は完全に追い詰められている訳ですが、ヤフーとの提携時の契約書の存在を盾に頑張っている状況です。

岩田社長はプラスの出身者でアスクル成長の立役者だった訳ですが、プラスから見放された形で、一体何があったのがコチラはコチラで非常に興味深いです。

契約書があってもアスクルがヤフーの軍門に下らざるを得ない最大の理由はソフトバンクの存在

提携時の契約書を盾に頑張るアスクルの岩田社長ですが、ヤフーの軍門に下るのは時間の問題ではないかと考えています。

なぜかと言えば、恐らく今回の仕掛けを行っているのはヤフーの親会社のソフトバンク、正確に言えばソフトバンクグループ<9984>。

既にヤフーは以前のような独立系の色は薄れており、今やソフトバンクグループの1つの会社、という色が強まっています。

いくらアスクル側が契約書の存在を盾に頑張っても、最終的に圧倒的な企業規模のソフトバンクがアスクルにTOB掛けたらそれで終了です。ヤフーがすると契約違反でしょうけど、ソフトバンクがTOB掛ける分には契約書上は問題ないと思われます。(契約書に記載の可能性はゼロではありません、念のため)

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ガンホーを救ったソフトバンクによるラグナロク開発会社へのTOBを思い出す

ヤフーとアスクルのイザコザの後ろにソフトバンクが構える構図を見て、その昔のガンホー<3765>のケースを思い出しました。懐かしい・・・。

パズドラがヒットする前、まだガンホーがオンラインゲームの会社だった頃、ガンホーの運営するラグナロクオンラインという大ヒットゲームがあって、版権を韓国の会社(グラビティ)が持っていたんです。ガンホーはIPOしていたのですが、契約の更新の際にどうやらグラビティが相当高い価格を吹っかけて、ガンホーは契約更新できないと事業そのものを失ってしまう(そんな会社IPOさせてはいけない、という論点が別にありますが)、けどそんな高い金払えない・・・、という困った事態に陥ってました。

ここで出てきたのが驚きのウルトラC。ガンホーの社長のお兄さんはソフトバンクの孫社長というのは有名ですが、ソフトバンクが韓国に上場していたグラビティにTOB掛けて子会社化してしまった。。。恐ろしいことするなぁ、と思いましたが、さすが孫社長の資本市場を使った技の切れ味は抜群でした。これでガンホーは一発で危機を回避。そして現在グラビティはガンホーの子会社となっています。

そんな訳でアスクルはヤフーというよりソフトバンクに目を付けられたと考えるのが筋なので、そう考えると孫社長相手にとてもケンカできるとは思えません。ソフトバンクがアスクルにTOB掛ければそれでゲームオーバー。週刊誌は、資本の論理をかざした横暴、というような記事もありましたが、資本市場ってそんなもんです。よってアスクルとしてはどう撤退戦を行うか、そんな状態ではないかと。

資本市場を使ったゲームに孫社長に勝てる人は、世界中探しても殆どいないと思われます。

まとめ、アスクルの株主総会は8月2日(金)の開催予定

アスクルもアマゾンがここまでの企業になる前は、時の企業だったんですが、時代の流れですね。

けどヤフーもアスクルも伸び悩んでおり、再成長をするためには両者の事業をシャッフルする、というのは方法論としては“あり”かもしれません。アスクルは自前の物流網を持っているので、ヤフー・ソフトバンクから見て充分活用の余地ある会社です。今までは岩田社長に遠慮していたのでしょうけど、ロハコの赤字を始めアスクルも業績が伸び悩んでおり、自分たちならもっとうまくやれる、と思うのは不思議ではありません。

ヤフーとアスクルの騒動、となっていますが基本的には後ろにいるソフトバンクが決定権を握っていると考えられます。アスクルの株主総会は8月2日開催予定。果たしてどんな形で決着となるのか、今後注目しようと思います。

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