客単価のマイナス傾向が顕著!串カツ田中の成長は新規出店が鍵

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串カツチェーン店運営の串カツ田中HD<3547>が2018年11月期の増収増益決算を発表しました。

しかし大量出店に成長は支えられており、月次では客単価のマイナス傾向が顕著な状態にあります。

2019年11月期は保守的な通期予想を開示している串カツ田中HDですが、客単価の下落を克服し今後更なる成長を果たす事はできるのでしょうか?

串カツ田中HDの2018年11月期は増収増益を達成

串カツチェーン運営会社として一気に有名になった串カツ田中HD<3547>が、2018年11月期の決算を発表。毎期のように増収増益を達成していますが、2018年11月期も引き続き増収増益を達成しました。

店舗の全面禁煙導入等、話題性もあり順調に成長を遂げているようです。

実は管理人、串カツ田中は行ったことがありません・・・。“大阪伝統の味”とあるのですが、大阪で見たことない・・・。串カツ田中は大阪の店は、新大阪の近くにあります。出張族狙いなんでしょうか。

大阪で串カツと言えば、松葉。よく行っていた御堂筋線梅田駅改札横の松葉が無くなった後、梅田食堂街の松葉に先日行きましたが、変わらない味で安心しました。何件か串カツは食べ歩きましたが、松葉が好きだなぁ。

串カツ田中と言えばファミリー層重視のマーケティング

串カツ田中は居酒屋でいち早く全面禁煙を導入する等、ファミリー層重視のマーケティングで知られています。居酒屋系で禁煙ってどうなんだろ、とさすがに思ってしまうのですが、今のところ戦略は当たっています。

既存店及び全店いずれも対前年同月比で客数は毎月プラスを維持しています。新規出店含む全店の客数は同130~140%と、最近の外食チェーン店ではなかなか見られない成長を誇っています。

禁煙店も顧客の支持がなければ客数は増えない訳で、串カツ店自体が珍しい(大阪はさておき、東京では以前殆ど見なかった)こともあり、今の所は同社のマーケティング戦略がうまくはまっていると言えるのではないかと。

客単価は前年同月比でマイナス傾向が続く

ただし同社の問題は、
“確かに来店客数自体は増えているものの、客単価がほぼ前年同月比でマイナスとなっている部分”

にあります。


・2018年11月期の串カツ田中の月次の店舗の来客数及び客単価推移
※ちなみに2018年12月も客単価はマイナス

合計で見れば客単価の下落を客数増でカバーしている、このご時世では珍しいビジネスモデルで、人気あるのね、ということが分かります。

ただし逆に言えば客数が減少すると既に客単価はマイナスとなっているため、一気に数字が悪くなる、ということ。他の外食チェーン店は概ね、客数は減少しているものの客単価が横ばいは増加している中で、同社は他の外食チェーン店とは逆の状況です。

それだけ同社の人気がある証拠なのですが、また同社のメニュー等の戦略がまだまだという証拠でもあります。この辺りは各外食チェーン店の腕の見せ所なので、さすがに他の大手外食チェーン店は一日の長があるということでしょうか。

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大量出店により売上を確保している状態

同社は2018年11月期は52店を増加させておりハイペースでの出店を継続しています。当然、新店を出店すればモノ珍しさで来店する顧客も増えるため、全体としての来客数は増加します。よって新規出店が多くなれば、通常(出店に失敗しなければ)は客数が増加します。同社の月次の客数増の背景には大量の出店があります。

ただし大量の出店で客数を確保しているということは、大量出店がなくなれば客数の維持ができない可能性があります。ここが同社のアキレス腱。現状はハイペースでの出店が続いていますが、いずれハイペースの出店は巡航速度となります。その時に継続的な成長を行う事ができるのか、それが同社の課題。

客単価がマイナス傾向にあるため、客数の増加が止まると同社は一気に成長が止まります。まだ出店余地があるため、現在のビジネスモデルはしばらく通用しますが、限界が来た時にどのような手を打つのか注目されます。

小売店の、店舗とともに在庫を増やしながら成長する、というヤマダ電機やニトリと外食店の串カツ田中HDは異なるビジネスモデル。ただしそれでも、ハイペースで出店している串カツ田中もハイペースの出店が止まれば、これまでの急成長がいずれストップするという宿命を抱えていると言えます。


・日本橋の外れ(小伝馬町)で見つけた有名な研修専用の店(昼に見つけたので入ってません)

まとめ

これまで急成長を遂げてきた串カツ田中ですが、今後の成長を続けるには新規出店の継続に加え、人気の維持が鍵を握ります。

大阪にはまだ店舗が殆どないように、同社の出店余地はまだ残されています(大阪で当たるかどうかは別問題)。また全面禁煙店導入というのはブランドとして確立しつつあるため、ファミリー向けの串カツ店として今後もやっていける余地は十分あります。ただし外食店は流行り廃りも速いので、串カツ店が定番として大阪以外でも定着するかどうかは、見守る必要があります。

同社の来期(2019年11月期)は増収(+26.5%)ではあるものの、若干の増益計画となっており(営業利益+5.4%増)、これまでに比べると保守的な成長計画となっています。

今後も串カツ田中の快進撃は続くのか、注目したいと思います。

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