ソフトバンクGの借金削減に暗雲、スプリントとTモバイル合併に州が反対

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アメリカでソフトバンクGが進めているグループ会社スプリントとTモバイル
の合併に、州政府が反対し差し止めを求めて提訴される事態となっています。

グループで15兆円超の借金を抱えるソフトバンクGにとって、約4兆円の借入金を有し事業も鳴かず飛ばずのスプリントは、財務健全化そして資産の効率的な活用の観点から、切り離しが最優先となっているじぎょうです。

どんな事態になろうと、時間が必要となりそうな州政府の合併反対。今後のソフトバンクGの経営に少なからぬ影響が生じる可能性があります。

ソフトバンクGの借金削減にはスプリントの切り離しが必要不可欠

既にソフトバンクG<9984>孫社長の頭の中は、ファンド運営で頭が一杯だそうですが、ファンド事業を安心して進めるためには、ソフトバンクGの経営の安定が必要不可欠です。

15兆円を超える借入金(2019年3月期末)で借金大王のソフトバンクGは、既に借り入れは限界に近い状態です。そのソフトバンクGの借入金の中で、相当のポジションとなっているのが米国携帯電話会社のスプリントが抱える借入金。その額は約4兆円。

元々ソフトバンクGとしては、スプリント買収の際、Tモバイルと合併して一気に市場シェアを取りにいく計画を持っていました。しかしTモバイルが思わぬ成長を果たして、またスプリントの再建にも苦労して、当初とは逆の形、Tモバイルにスプリントを任せる形でソフトバンクはスプリントの切り離しを進めていました。

スプリントとTモバイルが合併して、合併会社のソフトバンクGの持分比率が下がればスプリントは連結から外れて、晴れてスプリントが抱える借入金もソフトバンクGの連結決算から外れることになります。

連結決算からスプリント分の借入金が外れたら、そのまま右から左に同額の借入金を起こして投資事業に突っ込みそうな予感がしますが。しかし全然付加価値を生んでいなかったスプリントの借入金相当額を孫社長が運営したら・・・、そう考えると既に投資事業に舵を切っているソフトバンクGとしては、新たな資金調達の観点でもスプリントの切り離しは必要不可欠となっています。

トランプ大統領にも根回ししていたものの、州が合併の差し止めを提訴

オバマ政権の際、スプリントとTモバイルの合併は当局の反対により頓挫しています。それを踏まえて、トランプ大統領の誕生にいち早くトランプ大統領にご挨拶に伺ったのは孫社長。スプリントとTモバイル合併の際はひとつよろしく・・・、と頼みに行ったのでは?、と想像してしまいますが、トランプ政権発足後は当局の横槍が入ることなくスプリントとTモバイルは合併に向けて進んでいました。

これで漸くソフトバンクGもスプリントという重い荷物を降ろすことができるのか・・・、と思いきや、思わぬ所に伏兵が。

それが、ニューヨーク州を始めとする州当局の反対。10の自治体がスプリントとTモバイルの合併に反対し、合併差し止めを提訴しました。

スプリント・Tモバ合併巡り提訴 NY州などの司法長官(朝日新聞)

孫社長としても思わぬ展開ではないかと。

日本と異なりアメリカの州には強い権限が存在

アメリカの政治を考える際は、州の存在抜きに語ることはできません。アメリカは元々各州の集合体で構成されており、その名もアメリカ合衆国です。よって各州の権限は日本の自治体の比ではありません。何せ州兵という軍隊まで持ってますので(ちなみ州兵は軍隊そのものです)。

どうやら民主党系の知事の州からソフトバンクは嫌われているようですが、各州の提訴により、連邦政府がOK出している、ということでの強行突破はできなくなりました。

トランプ政権に対する嫌がらせのスケープゴートになっている感もありますが、提訴されてしまったものは、裁判するなり和解するなりして着地させる必要があります。

そのどちらにしても問題は、“時間がかかる”、という点。ソフトバンクGとしては一刻も早くスプリントを連結から外したい意向がありますが、州からの提訴によりどんな着地になるにしても、結果を得るには時間がかかることになります。

また時間がかかるということは、今後必要とされる5Gインフラ投資について、スプリント及びソフトバンクGは自前で手掛ける必要が生じます。もうこれ以上、スプリントに資金を投じたくないソフトバンクGとしては、5Gの莫大な投資を積極的に手掛けることができません。

じゃあ、設備投資しないとどうなるかと言えば、スプリントは全米の顧客にそっぽを向かれてしまう可能性大で、スプリントは事業を続けるのであれば5Gの投資は金額が巨額であろうとせざるをえません。

州政府のスプリントとTモバイルの合併反対により、ソフトバンクGとしては時間軸及び資金面での計画に大きな変更が迫られる可能性があります。

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ソフトバンクGの株価

各州によるスプリントとTモバイルの合併反対の訴訟提起を受けて、スプリント株は急落。

そしてソフトバンクG株は直接的にはスプリントの合併問題の影響は受けていませんが、4月に12,000円を付けて以降下落が続いており10,000円を割れています。9,000円を中心に窓が開いているので、まずは窓を埋めに行っている状態ですが、窓埋めの後の値動きが注目されます。


・ソフトバンクG株価チャート(日足)
「画像出典:マネックス証券/日本株取引ツール トレードステーション」
マネックス証券Tradestation
※関連記事:マネックス証券のトレードステーション発表会に行ってきました

いずれにしてもソフトバンクGの将来計画の上で、スプリントの切り離しは必要不可欠であり、州政府との裁判でモタモタしていられない状態です。

今後、州政府のスプリントの合併反対がソフトバンクの経営にジワリと効いて来る可能性があります。

尚、ソフトバンクGの株価分析の詳細は下記の記事をご覧ください。

関連記事:ソフトバンクグループ株価の今後の見通しと予想

まとめ

ビジョンファンドの運営が順調で、向かうところ敵無し状態のソフトバンクG孫社長でしたが、思わぬ所に伏兵が潜んでいたことになります。折角トランプ大統領にまで根回ししたのに・・・。

スプリントの切り離しは、ソフトバンクGの将来計画の前提となっており、ソフトバンクGとしても州の反対は困った事態になっていると考えられます。

何としてもスプリントをTモバイルと合併させて自らの手から離したいソフトバンクG、今後両社の合併はどんな展開を見せるのか注目したいと思います。

・ソフトバンクGは10,000円前後の株価ながら100株単位の取引のため。投資するには金額的に100万円近い資金が必要です。しかしSBIネオモバイル証券なら1株単位10,000円前後でソフトバンクG株の投資が可能です。またTポイントを利用しての投資もできます。投資家に人気の高いソフトバンクG株に投資するなら、いきなり100万円近い金額を投じるのではなく、まずは小額から始めてはいかがでしょうか?
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