2017年のIPOの公募割れ無し記録、マクロミルで途切れる

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 停滞する上場市場を尻目に、2017年のIPO市場は活況を呈しています。何とこれまでのIPO銘柄は勝率100%となっており、公募割れ銘柄が無い状態がズーッと継続していました。

 しかし残念ながら、その記録も遂に途切れることに。3月22日にIPOのマクロミルは公募価格1,950円に対し初値が1,867円と公募価格を約4%下まわることに。

 IPOラッシュとなる3月末、マクロミルの公募割れはIPO市場の転機となるのか、それとも個別銘柄の事情となるのか、今後のIPO市場の行方に御注目。

活況を呈している2017年のIPO市場

 上場市場は東証の売買代金が2兆円台前半とパッとしませんが、IPO市場は堅調に推移しています。その証拠にIPO市場においては、2017年は負けなしの状態が継続。2017年は3月21日までに15社がIPOしていますが、いずれの会社も公募割れしていません。

 コレって、何も考えずに公募株を買って初値で売っていても儲かっている訳で、結構すごい事態です。まぁ、なかなかIPO株は当たらないのですが。IPO投資って、腹を括って全銘柄に応募するか、それとも裁量を入れて応募しない銘柄も考えるか結構悩ましい所なのですが、2017年に限って言えば、何も考えずにシステムトレードのように投資をしていても儲かっています。

 しかしながらそんな状況はやはり長くは続きませんでした。遂に2017年の公募割れ銘柄が発生。それが3月22日に上場したマクロミル(3978)です。

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マクロミルは公募価格1,950円に対し初値1,867円となり公募割れ

 3月22日にIPOしたマクロミルは公募価格1,950円に対し初値1,867円、公募価格を約4%下回る初値となり、2017年初の公募割れ銘柄となりました。

 マクロミルは以前上場していた会社で、ファンドが非上場化した会社。今回改めてIPOを行った会社であり、株主シェアの約8割がファンドとなっています。まぁ簡単に言ってしまえば、ファンドのEXIT(出口)案件です。

 ファンドのEXIT案件は、正直あまりよい初値がつくことが少なく個人的には苦戦を予想していましたが、やはり・・・、という結果に。

 予想PERベースだと公募価格で約17倍なので、そんなに割高感はありませんが(ただし国際会計基準ベース、実際の所は詳しく分析しないとダメですが)、それでも残念な結果に。マクロミルはIPOによってファンドの株主シェアが約8割から約3割に低下して、その分が丸々流動株になるので、需給面からは株価が上がりにくいというファンドのEXIT案件の特性が出たのでは。それに財務的にも2016/6期末時点で有利子負債約6割と結構多めなので、その面が嫌気された可能性も。

 いずれにしてもファンドのEXIT銘柄は苦戦する、というのが今回も証明された形となりました。昨年のファンドのEXIT銘柄だったコメダ珈琲も公募割れてました、そー言えば。IPO市場は活況でも投資家は見ている所は見ていると言うことではないかと。

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IPOラッシュとなる3月末

 例年3月末はIPOラッシュとなり、2017年もIPOラッシュとなります。3月決算の会社の場合、12月末までのIPOか3月末までのIPOというのが通常であり、例年通りの流れとなっています。

 ただしIPOラッシュと言うことはそれだけ投資家の資金が分散されることになるので、3月末のIPOの初値の状況が、今後のIPO市場のバロメーターとなりえます。既にお腹いっぱい、と言うことであれば、公募割れ銘柄続出、なんてこともあり得ますし、まだまだ全然余裕、と言うことであれば再び公募割れ無し記録更新を目指す可能性もあります。

 3月21日のアメリカ市場の久しぶりの大きな下げが気になりますが、まだ暴落という状況ではないため、3月末のIPOラッシュはどうにか無難に乗り越えそうな雰囲気ではあります。

まとめ

 IPO投資の際はファンドのEXIT銘柄は要注意、と言うのは多少なりとも過去データを取ってみるとスグ分かるのですが、マクロミルのIPOは改めてファンドのEXIT銘柄には注視したほうがいい、という教訓を与えることとなりました。公募割れ無し価格の記録更新できず、残念。

 しかしながらファンドのEXIT案件ではない通常のIPO案件に限って言えば、未だ公募割れ無し記録は継続中です。今後は通常のIPO案件でどこまで公募割れ無し記録が伸びていくか。こんな部分に注目してみようと思います。まずは3月末のIPOラッシュを第二の公募割れ銘柄が生じることなく通り抜けることができるのか、注目です。

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