ソフトバンクのIPO株引受け、SBI証券は背伸びをしすぎているのでは?

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SBI証券で申し込んだ以上のソフトバンク株が当選する事態が発生。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の次に多い、総額1500億円以上の引受を行うSBI証券、さすがに背伸びをし過ぎでは?

引き受けた株が売り切れず在庫が発生すると、自身の収益にも影響するIPO株。SBI証券はソフトバンク株を売り切る事ができるのでしょうか?

ソフトバンクのIPO,証券会社別の割当株数

公開価格も1,500円に決まって、いよいよ公開日を待つだけとなっているソフトバンク。証券会社は申込みを集めるのに苦労している、という話も聞きますがやはり巨額案件だけに大変だろうな、とは思います。

そんな中で興味を引いたのが、ソフトバンクの証券会社別の割当株数。下記となります。

証券会社名 割当数-割当(%)
野村證券 358,820,000株-22.37%
大和証券 286,314,000株-17.85%
SMBC日興証券 229,079,600株-14.28%
みずほ証券 229,079,600株-14.28%
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 178,981,800-11.16%
SBI証券 105,476,500株-6.58%
岡三証券 10,990,100株-0.69%
東海東京証券 10,990,100株 -0.69%
岩井コスモ証券 8,278,300株 -0.52%
水戸証券 6,851,000株-0.43%
西日本シティTT証券 999,100株-0.06%
松井証券 570,900株-0.04%
マネックス証券 570,900株-0.04%
あかつき証券 285,500株-0.02%

最大の割当株数を受けているのが野村證券で、2位以下大和証券が続きます。そのリストで目を引いたのがSBI証券。SBI証券の割当株数は105,476,500株と三菱UFJモルガン・スタンレー証券に次ぐ株数。

確かにネット証券最大手の同社ではありますが、単純計算して1580億円以上となる金額をさばききれるのか、と思っていました。まぁ、何とかするんじゃないかな、と他人事として思っていたのですが、どうやら何とかなってないようです。

SBI証券でソフトバンクのIPOで当選株数が増える事態が発生

正直前代未聞ではないかな、と思うのですが、SBI証券でソフトバンクのIPO株について、申し込んだ株数以上に当選している事例が多数報告されています。最終的にはシステム上のエラーでした・・・、というお話で着地したのですが、ホンマカイナ・・・。

真偽の程は分かりませんが、SBI証券もソフトバンク株の販売に苦労しているのね・・・、ということではないかと。さすがに苦肉の策としては勝手に当選株数増やすのはどうかと思いますが。

やはり今回、SBI証券は背伸びし過ぎているのではないかと。

ちなみにSBI証券は、言い訳としては顧客に当選株数を過少に伝達、と説明しています。

SBI証券、顧客に当選株数を過少に伝達-ソフトバンクIPOで(ブルームバーグ)

まぁしかし申し込んだ株数以上に当選していたら、驚きますわな普通。


・申し込んだ株数以上に当選して驚いた人が多数発生

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最悪SBI証券はソフトバンク株を在庫として抱える事に

IPOの際に稀に発生するのが、引き受けた株数を証券会社が売り切れず、証券会社が在庫として抱えるケース。
IPOの仕組みとして、証券会社は発行会社(IPOする会社)から株を引き受けて(購入して)、その株を投資家に販売する形です。証券会社が引き受けた株数を、通常通り売り切れば何も問題ないのですが、売り切れないと証券会社は引き受けた株を在庫として抱えることになります。

そうならないように店舗系証券会社は営業に「売れないんじゃないんだ、売るんだよ」という感じで売らせるのですが、まれに売れ残るケースがあります。証券会社にとっては、トッテモ恥ずかしい事態で(引受株数の読み誤り、営業力の無さの露呈)、尚且つIPO後に株価が下がれば、証券会社自体が損してしまうリスクもあります。

だから必死で売り切ろうとする訳なのですが、今回のソフトバンクのIPOのケースでは、SBI証券はソフトバンク株を在庫として抱える可能性が高いのでは?SBI証券もSBIマネープラザという店舗は持っていますが、さすがに店舗系証券会社ほどの営業力は期待できません。ネット証券は基本的にこちらから売りに行くアウトバウンドのマーケティングはできない訳で(SBI証券やカブドットコム証券、マネックス証券からセールスの電話がかかってきたら驚く)、となると何としてでも売ってこい!的な営業はできません。

SBI証券のソフトバンク株の当選株数増加事件を見ていると、その後ろで色々大変なことが発生しているんじゃないか、と想像が膨らんでいきます。

在庫となった場合、収益への影響も懸念される

大手証券会社の場合、仮に在庫が発生して株価が下落して最終的に損が発生しても、会社の中の部門損益は影響があっても、会社全体の収益は母数が大きいためそれほど影響は生じません。

ところがSBI証券の場合、ソフトバンク株を1580億円引き受ける訳で1割在庫となっても簿価約150億円。ソフトバンク株がIPO後に上がるか下がるかは分かりませんが、仮に下がったりすると、SBI証券の収益を直撃します。IPO後に株価が上昇すれば、思わぬプレゼントが舞い込む訳ですが、証券会社はIPOの引受株で相場を張る事はそもそも想定していません。そんなことしていたら会社潰れます・・・。

業界では知られたSBI証券の北尾社長なので、かつての盟友孫社長と握ってIPO後の株価上昇に確信があって在庫抱えているという裏シナリオも想像できますが、あくまでもそれは想像上のお話。いずれにしても証券会社にとってIPOで引き受けた株が在庫として残るのは問題で、会社の中で責任問題となります。SBI証券の場合、社長自ら株を取ってきた可能性があるので、社内では誰も責任問えないかもですが。

まとめ、流れがよくないソフトバンクのIPO

自社の責任ではないけど通信障害が発生したり(原因はエリクソンのソフト)、懇意にしている通信機器メーカーのファーウェイはCFOがカナダで逮捕され、政府の意向でファーウェイの機器はもう使えなくなったりと、どうもソフトバンクのIPOは流れ的によくありません。

そんな中で発生したSBI証券の、ソフトバンク株をめぐる当選株数増加問題。真相は分かりませんが、いずれにしてもSBI証券は結構背伸びをして株数を受けています。ソフトバンク株は在庫として残りました、なんてIRは恐らく出ないでしょうが、下手をすると在庫として抱えたソフトバンク株で損が発生しました、と後日決算の時に発表される可能性はあります。

ソフトバンク株が在庫となってしまった場合、SBI証券としてはその後の自身の収益にソフトバンク株の値動きが直結することになります。SBI証券はソフトバンク株を売り切る事ができるのか、外部からは分かりませんが、非常に興味深い部分です。

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