Sansanは▲32億円の赤字決算でもVCから新たに30億円を資金調達に成功

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前期▲32億円の赤字を計上している、名刺管理サービスのベンチャー企業SansanがVCから30億円の資金調達を発表しました。今回で累計100億円の資金調達金額となります。

宣伝広告費先行型のビジネスで赤字が続いているSansanですが、最終的にIPOに至るのか。そして投資しているVCは投資金額を回収できるのか、金額が金額だけに今後の展開が注目されます。

名刺管理サービスのSansanが追加で30億円の資金調達を実施

名刺管理サービスを提供のSansanがVCから30億円の資金調達を実施したと発表しました。

名刺管理のSansanが30億円を調達、法人向けサービスは7000社以上で導入(techcrunch)

30億円の調達ってすごいなー、と素直に思うのですが、やはりVC界お金が余ってるのね、と思わないでもありません。

Sansanって未上場界隈では名前の知られている存在で、大型の資金調達は今回だけではありません、2017年7月にも42億円の資金調達を行っていて、またそれ以前もVCからの投資を受け入れており、累計調達額は約114億円!100億円を超える資金調達に成功しているベンチャー企業です。

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決算は赤字が継続しているSansan

以前はTVCMやサッカーグラウンドの広告でも姿を見かけたSansanであり、広告宣伝費結構使ってるなー、と思っていました。そんなSansanは実は足元は赤字が継続しています。

「起業LOG」に同社の2018年5月期及び過去の決算の記載があり抜き出してみます。

2016年5月期 売上高3,150百万円、経常利益▲1,362百万円、当期純利益▲1,366百万円
2017年5月期 売上高4,834百万円、経常利益▲657百万円、当期純利益▲66百万円
2018年5月期 売上高7,318百万円、経常利益▲3,022百万円、当期純利益▲3,294百万円
「起業LOG」より

うーむ、3期連続の赤字決算。しかし2018年5月期の当期純利益▲33億円ってすんごい赤字ですね。尚、2018年3月期末時点で純資産合計1,312百万円。今回の追加で30億円の資金調達を行うので、あと1期30億円クラスの赤字を出せる計算になります・・・。


・Sansanの2018年5月期の決算書(官報より)

赤字の原因は宣伝広告費と推察される

2018年3月期は粗利ベースでは59億円の黒字化しています。一方で販管費が89億円かかっているので、営業利益で▲30億円の赤字です。

社員数はWebサイトに記載無いので分かりませんが、そんなに固定費のかかる業種の企業でもないので、過去のTVCM等から察するに赤字の原因は宣伝広告費に帰するものと推察されます。

考え方とすれば、宣伝広告費を投資と考えて、先にサービスを世の中に広めて、後で利益を回収するパターン。その昔、携帯電話事業を手掛ける前にソフトバンクがADSLでモデムを無料でばらまいたのが似ている成功例。身近な例だと、TVCMで見かけるスマホのマンガアプリが該当します。

2000年頃のITバブルの頃に流行ったビジネスモデルで、金がなくなるのが先か・事業が立ち上がるのが先か、的な所があります。ビジネスのやり方として先にお金が出ていくので、賛否両論はありますが、“無し”ではありません。

売上自体70億円以上計上しているので、ある程度の成果は実際に出ている状態です。問題は宣伝広告費無しの場合でも、本当に売上70億円は無理でも数十億円レベルの売上を出せるか、という所にありますが、それは外部からは分かりません・・・。

ある意味、宣伝広告費込々でも利益が出るまで宣伝広告の投資をし続けなければならない、という状態ですが、さすがに今回の資金調達で合計100億円なので、最後の玉込めという位置付けになるのではないでしょうか。

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VCは回収できるのか?

過去100億円以上の資金調達に成功しているSansanですが、逆に言えばVCとしては100億円以上の時価総額がつかないと、IPOしても資金の回収ができません。

12月にIPOするドローンベンチャーの自動制御システム研究所<6232>が、研究開発型ベンチャーとして赤字状態でIPOしますが、時価総額が300億円オーバー。IPOさえすればSansanも回収の可能性は”ある”とは言える状態です。

いずれにしても結構な金額をVC一同でSansanには突っ込んでいるので、投資金額が回収できるかどうかって、相当重要度の高い投資先ではないかと。

まだIPO市場が活況を呈していますが、さすがの上場市場はアメリカ市場がイケイケドンドンのモードでななくなっています。VCにとってSansanの投資金額回収できるかどうかは、Sansanの成長に加えてIPO市場の先行きという、2つの変数とのにらめっこになりそうです。


・VCは投資するより回収して初めて利益が出ます

まとめ

Ssnasnのような大型の資金調達記事を見ると、日本の未上場企業投資界隈はまだお金が豊富に出回ってるんだなー、と思います。また12月はソフトバンクIPOの影に隠れて、新規IPOも結構な数があり、IPO市場も活況を呈しています。本状況から未上場企業を巡る資金調達環境はよい状況にあります。

前期は赤字▲33億円を計上の一方で今回新たに約30億円の資金調達に成功したSansan。総額100億円の資金調達を行っているSansanは見事にIPOにまでたどり着く事ができるのか、また投資したVCは投資資金をしっかり回収できるのか、非常に興味深いと思います。

・SMBCのIPOはまだもう少し先になりそうですが、IPOとなった時にSMBC日興証券は取扱い証券会社となる可能性が高いです。大手証券会社ながら、IPO株の一部を抽選で割り振る同社に口座開設しておいてはいかがでしょうか?三井住友銀行グループのSMBC日興証券は毎年数多くのIPO案件の取り扱いがあり、IPO投資には欠かす事のできない証券会社です。大手証券で敷居が高いと感じている方も多いようですが、通常のネット証券と同様に口座開設でき、IPO株の申し込みもできますよ。

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