ひふみ投信不調の中でレオス・キャピタルはIPOへ、会社は儲かっても投資信託のパフォーマンスは過去最低水準

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2018年のひふみ投信のパドーマンスはサッパリの中で、運用会社のレオス・キャピタルワークスが12月25日にIPOします。経常利益で10億円以上出ており儲かってます。

ただし会社は儲かっていても、運用ファンドは儲かっていないという微妙な状況下でのIPOとなります。果たして同社はめでたいクリスマスを迎える事になるのでしょうか?

PS レオス・キャピタルは主幹事の指摘によりIPO延期が決定。上場延期となった事情を考えてみました。
レオス・キャピタルが上場(IPO)延期となった理由を考えてみよう

ひふみ投信を運営のレオス・キャピタルワークスがIPOへ

独立系投資信託会社として知られるレオス・キャピタルワークス<7330>が、12月25日(火)のクリスマスにIPOします。レオス・キャピタルと言えばひふみ投信が有名で、自社で直販型のひふみ投信と公募型のひふみプラスのひふみシリーズが存在し、公募型のひふみプラスは残高6000億円を超える巨大な投資信託となっています。

また社長の藤野氏はメディアにも度々登場する著名アナリストであり、藤野氏の知名度と着実に上げてきた実績を背景にIPOに至りました。投資信託会社の上場となればスパークス・グループ<8739>以来のIPOとなります。

損益分岐点を超えると急激に利益が出る運用会社

レオス・キャピタルの業績推移は下記です。

2016年3月期 売上高8.9億円、経常利益0.7億円、当期純利益1.3億円
2017年3月期 売上高13億円、経常利益0.4億円、当期純利益1.2億円
2018年3月期 売上高38億円、経常利益11億円、当期純利益9.8億円
2019年3月期(予想) 売上高63億円、経常利益18億円、当期純利益11億円

既に経常利益は10億円を超えており、儲かってるなー、というのが率直な感想。レオス・キャピタルは原価がかからない仕事でコストの殆どが人件費中心の固定費なので、損益分岐点を超えると一気に超えるビジネスです。2018年3月期がその損益分岐点を一気に超えた年であり、前の年の経常利益1億円に達しない状態から経常利益11億円と一気に大ブレイクしています。

今期は経常利益18億円の予想で、既にQ2で経常利益10.5億円とほぼ前期の通期並みの利益水準。通期予想の達成も問題なさそうな状態です。

ひふみ投信のパフォーマンスが2018年は悪化

レオス・キャピタルは自社の投資信託であるひふみ投信の成功(良好なパフォーマンス、6000億円を超える資産額)でIPOに至っています。

ひふみ投信は数年前から投資信託ブロガー界では知られた存在でしたが、当時は直販メインで知る人ぞ知る存在でした。その後、公募型のひふみプラス(内容はひふみ投信とほぼ同一)が誕生して一気に残高が増えた形です。

TOPIX比では毎年TOPIXを上回る実績を上げており、また毎年TOPIXと比べなくとも収益は上がっており藤野氏の知名度と相まって、特にひふみプラスはその規模を6000億円を超えるまでに拡大しました。ちなみに投資信託のパフォーマンスをTOPIXと比較しても投資家には意味がない、という指摘もありますが、インデックス投資と比べてどうよ、という観点から一つの指標にはなっています。

しかし2018年はひふみ投信は不調。対TOPIX比ではデータが開示されている2008年以降では初めてTOPIXを割れるパフォーマンスとなるのがほぼ確実。


・レオスキャピタルワークスの目論見書より

ちなみに同社としてはTOPIXはひふみ投信のベンチマークじゃないよ、と注意書きであり、そのスタンスはご立派なんですが、であれば尚更2018年のパフォーマンスは言い訳できない訳で・・・。

パフォーマンスの悪化でひふみ投信のツイッターが荒れている事もその筋では有名ですが、会社としては利益が出ているのに、肝心かなめの投資信託のパフォーマンスは今年は今一つという状態。シンドイ時期にIPOするなー、というのも率直な感想です、

運用会社の株主と投資信託の出資者の利害が相反する状況下でのIPOであり、主幹事もよく受けたなー、と思いますが、主幹事証券はみずほ証券。副幹事以下はSBI証券・楽天証券・マネックス証券・ライブスター証券とネット証券のみ。みずほ証券以外の大手や準大手はいくら利益が出ているとはいえ、さすがに自分の勝手知ったる世界で、微妙な状況下の会社の幹事にならなかったのではないかと。

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1年前の2017年3月期決算で公開申請すればよかったのにね

投資信託は長い目で見ましょー、というのが投資信託運用の鉄則なので、ひふみ投信の2018年のパフォーマンス悪化は一時的な可能性も当然あります。とはいえ各サイトで言われているように、気付くとひふみ投信はamazon始め米国株に結構な額を投資しており、米国株が足を引っ張っている状態。来年の株価次第の面もありますが。Amazon始め特に上がり過ぎていた米国株は調整モードなので、一概に楽観視することもできません。

現状を考えると、同社は1年前の2017年3月期決算でIPOすればよかったのにね、と思います。経常利益は43百万円ですが、来期は11億円の予想で急成長、そしてひふみ投信のパフォーマンスも良好、となれば誰も文句のつけようはありません。株価にこだわったのか、単に準備が間に合わなかったのかは分かりませんが、1年早くIPOしておけば少なくとも会社は儲かっているのにファンドは儲かってない、という状況下でIPOする事態は迎えていません。え?IPOした後に投資信託のパフォーマンスが悪くなったら問題じゃないかって?、確かにそうなんですが、そこを問題視するなら今のタイミングでのIPOはそもそもありえませんので・・・。

まとめ

運用会社は通常の株式会社とは異なり、ファンド出資者という利害関係者も存在しており、ファンド出資者と株主の利害が時として相反することがありえます。以前のVCは自己資金とファンドの両者で投資活動を行っていましたが、利益相反の可能性が生じる、ということで大手VC(自己資金が投資できる)のジャフコも現在はファンド一本での出資となっています。若干異なる面はありますが、レオス・キャピタルのIPOは株主と出資者の利益相反の問題を抱えながらのIPOであり、正直微妙な面があります。

ひふみ投信の問題点はともあれ、規模が大きくなりすぎてしまったことに帰結しますが、この問題は色々なところで記事があるので、今回は詳しくは触れません。

時価総額約180億円でIPOするレオス・キャピタルワークス、果たして無事に初値が付いて順調な株価形成となるのか、注目したいと思います。

・レオス・キャピタルワークスの幹事団にSMBC日興証券は入っていませんが、SMBC日興証券は三井住友銀行グループであり、毎年数多くのIPO案件の取り扱いがあるため、IPO投資には欠かす事のできない証券会社です。大手証券で敷居が高いと感じている方も多いようですが、通常のネット証券と同様に口座開設でき、IPO株の申し込みもできますよ。IPO投資に興味があるなら、まずはSMBC日興証券で口座開設をされてはいかがでしょうか?

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