東芝メモリが2019年秋にIPOの方向へ、投資家が注意すべき2つの点

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東芝の持ち分の大半場売却された東芝メモリが2019年秋にIPO(株式上場)の方向のようです。東芝にとっては虎の子ながら、本体の生き残りのために泣く泣く切り離しとなった東芝メモリ。

2019年のIPO市場の目玉案件となりそうですが、個人投資家の観点からは半国策IPOであり注意すべき点もあります。

東芝メモリのIPOにおいて注意すべき、株価及びIPO後の設備投資資金について取り上げ解説しました。

東芝メモリが2019年秋に上場の方向

世間を大変お騒がせした東芝の会計不祥事問題、最終的に東芝はコア事業が何だか分からない会社となってしまいました。エレベーターの会社?当サイトも東芝の不正会計問題は色々と記事を書きましたが遠い昔のように感じます。東芝の不正会計問題について知るなら下記の書籍がオススメです。

関連記事:東芝 原子力敗戦』(大西康之)の感想

そして東芝の稼ぎ頭として本体を救うために完全売却ではないものの、東芝の持分の多くがファンドなどに売却されたのがメモリー部門の東芝メモリ。東芝が会計不詳の真っ最中の時は、実はメモリー市況が絶好調で、それこそ作れば右から左に売れていた状態。

丁度、仮想通貨バブルが膨らんでいた時期で、それまで存在自体がなかったマイニングマシンにメモリーも沢山搭載された結果、メモリー需要がひっ迫し価格も高騰しました。

しかしその後、仮想通貨バブルは崩壊し、マイニングマシン向けのメモリー需要はほぼ消滅。更にデータセンターへの投資も相当活発化していたのですが、現在は一巡しており、メモリーの需要は緩んでいます。

関連記事:半導体メモリー市場がマイナス成長に、東芝メモリーのIPOは実現するのか?

管理人、自作PC派なのでPC用のメモリーの価格は注意していますが、2018年の中盤以降メモリー価格がホント下がったのを実感しています。

そんなメモリーの製造開発を行っている東芝メモリが2019年秋のIPOを予定しているようです。

関連記事:東芝メモリ 政投銀が3000億円出資 今秋上場へ株買い戻し(毎日新聞)

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ジャパンディスプレイのIPO時を振り返る

そもそも東芝メモリとジャパンディスプレイ(JDI)を比較するのは規模の面からどうかと思わないでもないのですが、両者いずれも半分国策のIPOです。

JDIはジャパンディスプレイどころか、チャイナディスプレイになりそうな雰囲気ですが、IPO時にそこまでの予想は殆どありませんでした。

関連記事:赤字が続くジャパンディスプレイ(JDI)は中国系企業が600億円の出資を検討もアップルとの関係が心配

JDIがIPOしたのは2014年3月、颯爽と産業革新機構の大口投資先として上場申請を行いましたが、目論見書を一通り見ての感想は、株価高すぎ、というもの。

国策のディスプレイ会社なので証券会社も相当お上から圧力があったんだろうなぁ、と容易に想像できる株価設定となってました。

更に事業計画も楽観的なものだったと記憶してます。案の定、IPO後すぐに下方修正出してましたが。

いずれにしても普通の民間企業に比べると、相当優遇されてJDIはIPOしています。まぁ優遇されたのはJDIではなく、大株主の産業革新機構だった訳ですが。

そこまで優遇されているなら、革新機構もそのままの勢いで全株売却してしまえばいいのに、と本気で思いました。ディスプレイ市場も半導体市場と同様水物なので。その後のシャープやJDIの状況を見れば一目瞭然です。

東芝メモリはJDIと比べると規模も歴史も違うので、簡単にJDI化するとは思えません。ただし企業としての性質は違っても。IPOする際は東芝メモリーもある意味国策的にIPOするために、JDIの時の様に高い株価設定となっていたり、本当に実現するのか?、という利益計画だったりする可能性があります。大型のIPO案件で、個人投資家にも多くのIPO株が出回ると思いますが、株価と事業計画はシッカリ見た方がよいかと。

継続的に設備投資できる体力があるのかという課題

上記は東芝メモリーがイザIPOとなった時の個人投資家の視点での注意点。

次に気になるのは仮にIPOした場合、IPO後も継続的に設備投資できるだけの体力があるのか、という点。

半導体産業は設備投資産業です。東芝メモリクラスになると千億円単位の投資が必要になってきます。それも毎期休むことなく投資が必要。投資を見送った途端、他社に負けるある意味ではチキンレースです。

東芝はかつて一度このチキンレースから撤退しています。しかし再度のチャレンジの結果、東芝メモリーを世界的メモリー会社に育て上げています。東芝本社から見れば、確かに利益が出る時は儲かるけれどメモリー事業は金食い虫、そんな位置付けでした。儲かっている時はよいのですが、半導体市況が落ち込んだ時に歯を食いしばって投資を続けられるかどうかが問題。

既に東芝メモリは、東芝の傘を離れています。秋にIPOを行えば確かに資金調達は出来ますが、それは一時的な調達です。IPO後にPO(公募増資)すれば、追加の資金調達も出来ますが、ハードル高いです。

IPOで調達した資金を種銭にして、それだけで以降の設備投資を賄う事ができるのか、ここが結構なポイントになります。

東芝の傘の下にいた時は、東芝の信用力で資金調達も出来ましたし、東芝の各部門から資金をかき集める事もできました。しかしIPOは資金調達としては、基本的に一発勝負です。数年後の大型の設備投資の資金が必要になった時、自前で調達できるようになっているのか、目先のIPOはうまくいっても将来的な部分は結構大変だと思います。

東芝メモリのIPOは2019年の目玉案件に

2019年も2月からIPO市場が盛り上がっています。ただし昨年メルカリがIPOしてしまい、またソフトバンクも子会社上場までしてしまい、有名どころのIPOの名前が聞こえません(知る人ぞ知るベンチャー系のIPOはありそうですが)

よって秋に東芝メモリがIPOすれば、その知名度及び規模感から2019年の目玉案件となると予想されます。

市況産業のど真ん中に位置する半導体業界、東芝メモリのIPOが成功する事を願いつつも、個人投資家の立場からは仮に上場承認が降りた時は、じっくりと目論見書を読み込む必要があるのではないかな、と思います。

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