何と驚き。僅差でEU残留が予想されていたイギリスの国民投票、何とイギリスはEU離脱=Brexitを決定。これには驚きました。
当の本人たちがEUを出ていきたい、と言うのであれば外野はトヤカク言う権利はありません。しかしながら、おかげで金融市場は大混乱。ドル円は一時1ドル100円を割れるし、日経平均は一時1,500円を超す下落。イギリスから遠く離れた日本でも、その影響は非常に大きくあらわれました。
そして今後のイギリスはどうなっていくのか?勝手に今後の影響を予想してみました。
概要
イギリスはEU離脱=Brexitをほぼ決定
本記事を書いている、15時前の時点でまだ確定の公式発表はありませんが、イギリスはEU離脱を問う国民投票でEU離脱がほぼ確実な状況。前日の世論調査等では、僅差で残留では?、との報道が多くみられましたが、全く逆の結果になりつつあります。
その状況を受け金融市場は大混乱。日本で言えば日経平均が一時1,500円近い下げを見せ、まだドル円も一時100円割れ。一般市民には殆ど縁はありませんが、ポンド円は20円以上の下落を見せ、金融市場は大混乱に陥っています。
管理人含め、最後はEU残留で決まるだろう、と思っていた日本人は多いと思いますが、全く真逆の結果になりました。だから選挙は何が起こるか分かりません。TV等でイギリスはEUを脱退する、と言っていた評論家の方がおられれば大穴を当てた感じですが、さすがにそんな方はいないでしょう(少なくとも管理人が見ていた範囲では)。
ミセスワタナベはポンド円のロングポジションにかけていた様子
ミセスワタナベと言われる、日本のFX投資家。各方面の話をまとめていると、どうやらポンド円のロング=EU残留、にかけていた様子。
結果は見事、真逆の結果になっています。だから言わんこっちゃない・・・、と言うのは簡単ですが、当サイトでは”6月23日前後に為替のポジション持っちゃダメよ”、と記事で警告していたので、多少は偉そうなこと言えるかも。
ポンド円、アッと言う前に20円以上下落しています。損切注文が、チャント執行されていれば被害はコントロールできます。しかしながら、昨日の時点で、逆指値の損切注文受け付けません、と為替レートを提示する役割の一部銀行が発表していたようなので、どうなっていることか・・・。変なことになっていないことを祈るのみです。
FX投資はリスク管理が大切ですが、こんなに相場が動くと、リスク管理も何もあったもんじゃありませんね。。。
イギリスのEU離脱がほぼ決まった時の金融市場
イギリスは国民投票の結果EU離脱となるらしい、となった時、各金融市場はこんな動きとなってました。
日経225(CFD)1時間足
→一時1,500円以上の下落
※チャート画像はTrading Viewを利用、以下同様
ドル円(USDJPY)1時間足
→106円台から100円割れへ
ポンド円(GBPJPY)1時間足
→アッと言う間に20円以上動いてます、狂っている相場としか言えません、ミセスワタナベは大丈夫か?
ポンドドル(GBPUSD)1時間足
ポンドドル(GBPUSD)月足
→ポンドドルは急落しましたが、月足ベースではなんとか奈落の底に落ちずに済んでます
EU離脱を決めたイギリスの今後の影響を予想
議会制民主主義の元祖とも言うべきイギリス。そのイギリスが国民投票でEU離脱を決定してしまった訳ですから、もう後には引けません。少なくとも、EU側が「イギリスさんの言うことなら何でも聞くからEUに留まってください・・・」、とでも言わない限り、EU離脱は決定でしょう。ちなみにEU側がイギリスに譲歩の余地は多分ないです。なぜって、来年(2017年)はフランスの大統領選挙、ドイツの総選挙が待っているので、そんなことしたらフランスとドイツの現政権が持ちません。
では今後イギリスはどうなってしまうのか?勝手に予想してみました。
①EU離脱交渉に時間がかかかる→経済的にジリ貧となる可能性
コレは国民投票の前から指摘されていたことですが、イギリスがEUを出ていくと決めても、その後の残務処理等は結構時間がかかります。数年単位で時間がかかるのではないか?、とも指摘されていますが、その間EUという経済の傘から出て行ったイギリス、ジリ貧となる可能性が。
武士は食わねど高楊枝、とはよく言ったものですが、イギリスは今回の国民投票でそんな選択をした訳で、食えない時間=経済的な停滞がしばらく続く可能性があります。
為替、ポンドは少なくとも15%下落とジョージ・ソロス氏は指摘
イギリスがEU離脱を決定した場合、イギリスの通貨ポンドは少なくとも15%下落、とかの有名なジョージ・ソロス氏が指摘しています。
ポンドを売り崩した張本人のジョージ・ソロス氏が、イギリスはEUから離脱するとえらいことになりまっせ、と指摘しているのが印象的ですが、EUから離脱するイギリス、通貨ポンドが相対的に弱くなる=下落する、と考えるのは道理です。
日本にいると円安歓迎、という雰囲気がありますが、世界史を見渡すと、自国の通貨が安くなって=弱くなって喜んでいるの、現在の日本くらいです。自国の通貨が強くなって滅んだ国はありませんが、自国の通貨が安くなって滅んだ国は枚挙にいとまありません。
EU離脱を決定しても、離脱実現まで数年のスパンで時間が掛かるイギリス、今後もジリジリとポンドが弱くなる可能性があります。
ちなみにポンド円のあまりの下落に、マーケットではポンド円に対する日銀の介入も噂されている様子。日銀の介入と言えばドル円が相場でしたが、ポンド円に対する介入となったら、前代未聞でしょう。(ちなみに日銀の介入と言いますが、介入を指示しているのは財務省=政府で、日銀は介入実務を担うに過ぎません)
16/6/25追記:ドル円への影響
イギリスのEU離脱、日本には直接的な影響はありませんが、為替はある通貨が上がればある通貨が下がる、という相対性を持っているため、こと為替=日本円にはその影響が生じてきます。
6月24日(金)が終了時点でのドル円の週足チャートは下記のようになっています。
※分足と表示されていますが月足です
ドル円相場は100円という価格が意識されるケースが非常に多いのですが、チャートを見るとよく分かります。今回の騒動でドル円も一瞬100円を割れてしまいましたが、どうにか102円まで回復しています。
ただし、ヒゲで相場は戻ったとはいえ、一瞬であっても100円を割った事実は、チャート屋的立場から見ると重いです。イギリスのEU離脱にともなうドル円の100円割れ、新たなる円高時代の幕上げを告げる出来事となる可能性が。なんとかヒゲが支えになってくれれば、100円のサポート&レジスタンスでギリギリ耐えた、と言うことにはなりますが。
いずれにしても、イギリスのEU離脱を受けての急落で、ドル円はターニングポイントに位置することになりました。
イギリスは中国と更なる接近?
先日、池上先生のTVを見ていたらイギリスがEU離脱を決定した時にはプランBが存在、と仰られていますが、それが中国との関係。
EU離脱で、ロンドンはEUの金融中心地としての機能は弱体化せざるを得ませんが、その代わりに中国・人民元の流通の海外拠点となるプランBを持っています。さすがジェームズ・ボンドの国、ですな。若干、当サイトの以前の記事でも本件については触れています。
アメリカの嫌味を気にすることなくイギリスは中国との関係強化に進んでいた訳ですが、国民投票でEU離脱が決定したイギリス、今後はプランBとも言うべき、人民元の海外流通拠点となるべく中国と更なる接近を図る可能性が。
けど中国経済も曲がり角を迎えつつあるので、このプランBは本当に機能するかどうか、現状どうなるかは分かりません。
イギリスという国の解体のリスク、スコットランドと北アイルランド問題
今回の国民投票、イギリスがEUから離脱するかどうか、を問う選挙だった訳ですが、イギリスという国の正式名称は、グレートブリテン及び北アイルランド連合王国(United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland)。
記事を書いている時点で、各地域の開票結果は明らかになっていませんが、EU離脱を決めたのは専らイングランドの票と考えられます。一方、連合王国を形成する、スコットランド・北アイルランドの国民はEU残留を希望しています。
選挙前の世論調査を調査会社YouGovが地図に落とし込んでいます(北アイルランドは入ってませんが)。これを見ると、EU離脱のイングランド対EU残留のスコットランド(イギリス北部)、更には意外にもウェールズ(イギリス西部)もEU残留が多い、というのが分かります
https://yougov.co.uk/yougov-8545/
2014年にイギリス政府は、スコットランドをなだめすかして、何とか独立を阻止した訳ですが、イギリスのEU離脱が決まれば、EU残留を希望しているスコットランドの独立問題は再燃必須。スコットランドの独立を問う国民投票は一回ポッキリ、というのがイギリス政府とスコットランド自治政府の約束ではありましたが、イギリスがEU離脱となれば、EU残留を希望していたスコットランドとしてはそもそも前提が違ってきます。
そしてスコットランドの独立問題が本格化すれば、それ以前からはるかに根深く残っている、北アイルランドの独立問題にも火がつきかねません。労働党のブレア政権の際に、どうにか着地した北アイルランドの独立問題。スコットランド独立問題より、歴史的に根深く+ドロドロしているので、再発したら歴史は逆回転を始めてしまいます。
今回のEU離脱という結論、イギリスにとっては国家分裂の危機をはらんでいます。
歴史好き且つその昔約1か月イギリスに滞在したことのある管理人としては、イギリスのEU離脱決定が国家分裂につながるのではないか?、と言う部分が一番危惧する部分です。
※EU離脱を問う国民投票、離脱決定はイギリスという国のパンドラの箱を開けてしまった可能性が
労働党の歴史的使命の終了?
イギリスと言えば、保守党と労働党の2大政党制が有名。今回の国民投票は保守党・労働党ともにEU残留を支持した中で、離脱派が勝利。
前々回の選挙から労働党の退潮傾向の結果、労働党はゴリゴリの運動家出身のジェレミー・コービン氏を党首に頂くことに。そんなコービン氏率いる労働党がEU残留賛成、と言うのは不思議な感じでしたが、EU離脱決定で労働党の存在感の低下は免れません。
既にスコットランド地域では2大政党の座を、スコットランド国民党に明け渡している労働党。今回、保守党と枕を並べて国民投票で敗北したため、今後その存在感の低下は避けられないのではないかと。
ちなみにイギリスの二大政党政治、保守党は遥か昔から存在してますが、労働党は第二次世界大戦後に成立してます。その前は自由党という党が二大政党政治の一翼を担っていました。日本では旧民主党政権時代に、二大政党制なんて成立するのか?、と多くの国民が思ってしまった訳ですが、イギリスも長い歴史を紐解けば、強い野党がそのまま存在し続ける、というのはそう簡単ではない、と言うことが分かります。
餃子屋のTVで知ったイギリスのEU離脱
6月24日はイギリスのEU離脱を問う国民投票の結果が明らかになる日=株も為替も大荒れ、が予想されたので、管理人は仕事は半分お休み。PCの前にいると、余計な事していまいかねないので、外出してました。
で、昼ご飯を餃子屋で食べていたら、TVのニュースでイギリスのEU離脱がほぼ決定、というニュースを見ることになりました。驚いた管理人、思わずビールを頼んでしまった・・・。
何にせよ歴史的な瞬間を餃子屋で、TV見ながら(ひるおび)餃子つまんで見ていた訳です。スマホで、為替と株がドカンドカン動いているのは見ていましたよ。あー、ポジション持ってなくて大正解、と思いつつ。
ホント、訳わからない相場の時はポジションを持たずに、酒でも飲んでるのが一番。あ、間違っても酒飲んでトレードしちゃダメですよ。
FXのニュース集めや他の投資家の意見を知るなら「かるFX」
FX初心者から中上級者まで楽しめる、「かるFX」というアプリがあります。日本最大級のFXコミュニティーがあり、タイムラインを見ているだけで結構楽しめます。
シミュレーション機能等はお遊び感覚ですが、最新ニュースは為替関係のニュースが随時配信されるので、為替のニュースを集中的に集めたい時に重宝します。今回、イギリスの国民投票関連のニュースを調べるのに「かるFX」は役立ちました。
また初心者向けにFXスクールコンテンツが充実しているので、FX初心者の方のFXの勉強にもなります。
為替関連のニュースを集中的に見たい方、他のFX投資家の方の意見を見てみたい方、FX初心者でFX用語等の基本的な部分を学びたい方、一度インストールしてみてはいかがでしょ?
まとめ
いや、まさかイギリスが本当にEU離脱になるとは思ってもいませんでした。管理人も、最後は僅差でEU残留で決まるでしょ、と思っていたので。ハイ、やはり選挙は蓋を開けてみないと分かりません。けど、イギリスの国民投票の前に為替のポジション持っちゃダメですよ、という警告、多少なりとも他人様のお役に立てたのではないかな?
しかしまさかの展開になってしまったイギリス。今後どうなっていくんでしょ。大枠は上述した通りですが、為替相場やイギリスに進出している日本企業等々、各方面への影響必須。当面、イギリスの動向からは目が離せそうにありません。
さてイギリスは今後どうなっていくのでしょうか?興味深く追いかけていきたいと思います。
PS イギリスのEU離脱決定を受けてのまとめ記事はコチラ
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