中国株の下落が止まりません。そんな中で中国政府は株価の押し上げ策を相次いで発表。しかしながら、それでも株価は下げ止まりません。果たして中国政府の株価対策は機能するのか?共産国家の中国政府と株式市場の一騎打ち、どちらが勝つのか?(2015年7月10日更新)
中国政府の株価対策
中国の株式市場の株価下落に、中国の個人投資家が驚いていますが、政府はそれ以上に危機感を有しているようです。日本から見ていると、急落ではあるものの暴落とまではいかないのでは>、とも思いますが、政府の危機感は相当の様で、その証拠に相次いで株価対策を発表。
・信用取引規制の緩和
・売買手数料の30%値下げ
・追加利下げ
・公的年金基金の運用先として株式を3割まで認める方針発表
・証券業界で株の買取基金の創設
・新規IPOの停止等
先月から一気に出てきた株価対策。ただし今の所は効果が現れていません。
中国政府の何でもありの株価対策
上記対策でも下げ止まらない中国の株価。もう何でもありモードに突入しているようです。
『「異常事態」の中国株市場、商品や株式にグローバル投資家の売り』
約半数の銘柄が売買停止となる異常事態となった。8日の中国株式市場の上海、深セン取引所では約1300社の企業が売買停止。全上場企業2808社のうち約45%が売買できない状況となっている。
売れない株は値下がりしない???イヤそーいう株って、売れるようになった時、窓を開けて下落しますから。
けど、上場企業中の約45%が売買停止って、もう非常事態。
日本の株式市場で2社に1社が売買停止になったら、と想像するとよく分かります。もう非常事態以外の何物でもありません。中国は今(2015年7月8日)そんな状態。
中国共産党対策株式市場の一騎打ち
中国の政治体制、基本的には共産党が全てを決定する、という統治組織になっています。政治から企業から軍隊まで、基本的に共産党が指導する、ということになっています。当然経済=株式市場も共産党が指導する訳ですが、果たして株式市場は共産党の思惑通りの動きとなるかどうか?非常に興味深いところです。
共産党が全てを指導するというのが建前の中、これだけ対策を打っても株価は上がりませんでした、となると共産党の面子丸潰れ。日本で過去何度か行ってきた株価対策、正直殆ど成功はしていませんが(アベノミクス相場の今が一番成功している?)、共産国家の中国が同じことをするとどうなるのか。さすが、という結論を迎えるのか、それとも、やはり・・・、ということになるのか。
上海総合指数4,500ポイントが目標値
日経新聞(15/7/5)によると、証券業界で持っている株を4,500ポイントまで売らない、ということから、中国政府の株価の目標値は上海総合指数4,500ポイントとなっている様子。
4,500ポイントまで株価が上がって、それなりの水準を当面維持できれば、政府の勝ち。4,500ポイントに届くどころか、株価が下げ止まらなければ株式市場の勝ち、ということになりそうです。
中国の株価指数は中国人の個人消費のバロメーター?
中国の株式市場は個人投資家中心のマーケットで、約1年の株価上昇の恩恵を受けた個人投資家が個人消費や海外旅行をしている、という構図もあるようです。(もっとお金持ちは海外の不動産を買いまくっている様子)
株価が下落すると、この回転が止まってしまいますし、暴落すると信用取引の多い中国の株式市場、一気に逆回転する可能性も。このあたりの事情は以前の下記記事をご覧ください。
けど日本のバブルの頃を振り返ると、株価下落が個人消費の停滞をもたらす面も多いため(最近の日本もそうかもしれません)、中国の株価下落→中国の個人消費の悪化→中国の景気悪化、となる可能性も。そんなイメージ、多少なりともあるから政府も必死で株価対策しているのでしょうが。
中国の株価の下落が、そのまま日本や他の国の株価下落がに繋がるとは思っていませんが、とはいえ中国の景気悪化、間接的に各方面への影響があります。
日本でいえば、まず思いつくのは中国人観光客の爆買いで潤っていた業界等。そして気が付きました。日本にある中国株組み入れ型の投資信託。見事に今回の影響で売買停止になっています。
関連記事:中国株の売買停止、日本の投資信託は他人事ではなかった件
中国の株価下落、今後何かと話題になる機会が増えそうな予感。状況を継続的に追ってみようと思います。
PS ギリシャ問題より中国の株式市場の下落問題の方が、より日本への影響が大きいのでは?
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