日産で排ガス検査に不正が発覚、株価は節目の1,000円付近に下落

日産で排ガス検査値の改ざんの不正が発覚、不正は九州以外の全工場で行われていた模様。昨年の検査不正に続き、日産では不祥事が相次ぐ結果となっています。

ルノー・日産グループを形成の中、ルノーの大株主のフランス政府はルノーに対し、日産との関係が永続的なものになるよう体制的な仕組みづくりを要求の中、今後日産がどのようになっていくのか、注目されます。

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日産で排ガス測定値の改ざんの不正が発覚

無資格者が完成車の検査をする不正が2017年9月に発覚した日産で、今度は排ガス検査値の改ざんの不正が発覚。2013年4月から2018年6月の約5年の間、新車に対し抜き取りで行われる排ガス測定の際に行われたもの。想定の結果が出ない場合、都合のいい数字に書き換えが行われていた様子。

排ガス成分や条件のデータを書き換えた事例が913台。試験環境がルールから逸脱していたのに有効としたのが690台で、国内で販売されている大半の車種である19車種の1,171台が不正対象となっていました。尚、不正は九州以外の全工場で行われていた模様。

ただし日産は、社内基準はより厳しく設定しており、国が定める排ガスの保安基準は満たしている、としリコールは必要ない、と説明しています。

7月9日の記者会見時点では、不正は認めたものの、国の基準から見れば基準には合致しているため、リコールするほどではない、というスタンス。既にスバルが排ガス検査の不正の結果、国土交通省が検査に入る事態となりましたが、今後国交省の検査に入る中で本当にリコールなしで収まるのか、という点が注目されます。

同様の不正が発覚のスバルは社長が代表権とCEOを返上

既に一足先に同様の排ガス検査不正が発覚しているスバルでは、社長が代表権とCEOを返上してケジメを付けることに。検査不正の後、1年を経ずに発覚した排ガス検査不正問題、日産もケジメが迫られる可能性は高いと考えられます。

スバルは製造現場とマネジメントの意識が乖離している様子

既に一足先に同様の不祥事がスバルで発覚していますが、どうやらスバルは製造現場とマネジメントの意識の乖離が相当あるようです。

タマタマ立ち読みした車雑誌『ニューモデルマガジンX』に、一方的な見方の可能性がある、という前置きがありながら、製造現場とマネジメントの意識の乖離が生々しく描かれていました。手柄は上司のものだが問題が発生すれば現場が責任を取る、という部分は、日本の古い会社や組織によく見られる光景だよなぁ、と笑えてしまいました・・・。

基本的に自動車メーカーとは戦わないメディアが殆どの中で、『ニューモデルマガジンX』は自動車メーカーにも厳しい記事を掲載している、稀有な雑誌です。

スバルの場合は、戦前の中島飛行機から来ている、意識高い系自動車メーカーとしてのプライドが現場とマネジメント層の意識の乖離の背景にありそうです。一方で、日産は外資系特有のスマートさと、ドロ臭いもの作りの現場はそもそも簡単に両立するはずはなく、また給料の高い外資系的のマネジメント層と現場が乖離するのは必然とも考えられます。

ゴーン氏がいないと日産はダメなのか?

日産の場合、再建の英雄・ゴーン氏というカリスマ的なヒーローが存在しており、ゴーン氏の存在が現場とマネジメントの乖離を防いでいた面が多分にあったと考えられます。

ただしゴーン氏はルノー・日産連合の責任者として基本的にフランスにおり、日産への関与は既に薄くなっています。そして人に付随していたマネジメントはその人がいなくなれば機能しなくなる、というパターンに入りつつあるのではないかと。

ちなみにルノー・日産連合と呼ばれますが、この連合もかなりの部分ゴーン氏の存在があればこそ、の面があります。厳密な意味では親子会社の関係にあるわけではないルノーと日産は、ゴーン氏の顔でグループの維持がなされている面があります。

で面白いのはフランス政府が、ゴーン氏なしではルノー・日産連合は成り立たない、ということをお見通し、という点。そしてフランス政府はルノーの大株主、という立場もあり、ゴーン氏にゴーン氏退任後もルノー・日産連合が維持できる体制、要はゴーン氏がいくなってもルノーが日産を支配できる構図の構築を求めています。

関連記事:日産の無資格検査問題再発、ゴーン氏がいないと日産はダメなのか?

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トヨタには中卒の現場叩き上げの副社長が存在

全部読んだ訳ではないのですが、先日立ち読みで読んだのがトヨタで中卒の副社長・河合満氏を扱った『トヨタ 現場の「オヤジ」たち』。

世界のトヨタに、最終学歴が中学卒業の現場からの叩き上げの副社長が存在することに驚き。ただ現場からの叩き上げでも副社長にまで上り詰めることができる(トヨタの場合、豊田家のオーナー企業の面があるので、サラリーマンとしては実質的にはトップのポスト)と分かれば、現場のモチベーションは上がります。ま、出世は関係ない、というのが現場の意識でもありますが、それでも自分たちのボスがシッカリ偉くなれる、というのはサラリーマン的にはトッテモ重要で、その面ではさすがトヨタはうまくやってるなー、と思わざるをえません。

河合氏の副社長就任が決定した後、現場出身のOB一同からお祝いと激励の電話が鳴り止まなかったエピソードが印象的でした。

そんな訳で、田舎の殿様企業だ、という陰口を叩かれながらも、トヨタはうまーく現場とマネジメント層のコミュニケーションが行われている姿が『トヨタ 現場の「オヤジ」たち』から垣間見ることができます。

株価は節目の1,000円付近にまで下落

日産の株価は2015年以降1,000~1,200円付近でレンジ相場を形成しています。今回の不祥事発覚後で株価は終値で1,003.5円にまで下落。レンジ相場のほぼ下限に到達しました。


・日産株価の週足チャート
※画像出典:マネックス証券/日本株取引ツール トレードステーション」
マネックスTradestation
※関連記事:マネックス証券のトレードステーション発表会に行ってきました

ここから先、株価はレンジ相場の下限で反転するのか、それとも底抜けしてしまうのか、注目されます。

尚、予想PERは約8倍であり、予想PERの観点からはここから先、下落が発生しても限定的となる可能性があります。

まとめ

スバル及び日産あと神戸製鋼の不正問題を見ていると、そもそも日本のモノ作り神話も実は既に幻想になっているのでは?、との印象さえ受けます。バブル崩壊、そして金融危機を経て、足元景気は良い状態ですが、企業も当然変わらざるを得なかった訳で、その過程でモノ作りの重要な部分がなくなってしまった企業も多いのでは。

まずは日産の排ガス検査に不正問題、今後どのような展開を見せるのか注目したいと思います。フランス政府はルノーに対し、日産との関係について宿題を出しているので、その面でも今後日産の動向は追いかけたいと思います。

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