三菱重工はMRJを売れるのか?ボーイングがエンブラエルの買収を発表

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ボーイングがブラジルの小型旅客機メーカー・エンブラエルの買収を発表。一見日本に関係ないニュースに見えますが、関係大ありです。

三菱重工が開発中のMRJが、ボーインググループの旅客機と完全なライバル関係になってしまいます。ボーイングとバッティングしない、ということを前提にスタートしているMRJのプロジェクト、マーケティング面ではボーイングがエンブラエルを買収することで、完全に目論見が崩れてしまいます。

開発が遅れに遅れているMRJですが、完成後は“売れるのか?”という問題がこれまで以上に大きくなる可能性が出てきました。

その後の関連記事(2019年6月26日更新):三菱重工はボンバルの小型機保守部門を590億円で買収、スペースジェットの保守メンテ体制には目途がつくけど本当に売れるのか?

ボーイングがブラジルのエンブラエルの買収を発表

三菱重工が手掛けるMRJにとってはえらいこっちゃ、という事態ではないでしょうか。ボーイングがブラジルの小型旅客機メーカー・エンブラエルの買収を発表しました。(正確には合弁会社ですが、実質的には買収です)

ボーイング、エンブラエルと合弁会社–70~450席の旅客・貨物機事業を補完(マイナビニュース)

いやー、前から多少ニュースに出ていた話なのですが、まさか本当にボーイングがエンブラエルを買収してしまうとは・・・。

この買収話を聞いて、最も肝を冷やしているのはMRJの開発に社運をかけている三菱重工ではないでしょうか?

ボーイングの手がけていない小型旅客機市場を狙った三菱重工

戦前にゼロ戦を始め各航空機の製造を行っていた三菱重工にとって、航空機部門への進出は悲願です。結局何度開発が遅れているか分かりませんが、社運をかけて三菱重工はMRJの開発に莫大な資金を投じています。

MRJの話題は目下の所、本当に完成するのか?、という部分にありますが、完成についてはもうどんな大金積んでも何とかしてしまうでしょう、ここまで来たら。

ただしMRJが完成したら、次に確実に問題となるのは、MRJは売れるの?、という問題。何だかマーケティングの話抜きに進んでいるMRJですが、開発当初MRJはマーケティング的に2つの優位性があるから大丈夫、と言われてました。

1つ目は同様の機体の市場投入の速さ。新型エンジンを積んだ小型旅客機をMRJは世界最速で市場投入し、市場を席巻する計画でした。しかしこのシナリオは何度も開発遅延を起こしているうちに、気が付けば他社並みのスピード感になっており、今や優位性はありません。

2つ目はボーイングが手掛けていない、という部分。これまでボーイングは小型旅客機を手掛けておらず、MRJのライバルはブラジル・エンブラエル、カナダ・ボンバルディアの2社を想定していました。

さすがの三菱重工もボーイング相手に航空機の商売で勝てるとは思っておらず(三菱重工にとってボーイングは大切なお客さんですし)、ボーイングがいない所で戦う、というのが当初からの戦略。ところが、今回エンブラエルをボーイングが買収。

三菱重工にとっては、MRJのマーケティング戦略が根本的な所からひっくり返ってしまうことになりました。ちなみにカナダ・ボンバルディアはヨーロッパの航空機最大手・エアバスが小型機部門を買収。気が付けば、三菱重工擁するMRJはボーイングとエアバスという航空業界の二大巨頭とガチンコで同じ土俵で戦うことになっています。。。

開発の遅れは自身の失敗としても、市場環境が当初の見通しと比べ180度異なる状態になっており、素人ながら、MRJはやはりYS-11と同じ運命をたどるのか・・・、という危惧を抱かざるをえません。

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三菱重工にMRJが売れるのか?、という問題が浮上しそう

三菱重工は日本を代表するエンジニアリングの会社で、その技術力はピカイチです。個人的にはゼロ戦の会社・・・、という昔ながらのイメージの会社なんですが、ともあれ日本を代表する巨大メーカーです。

で、そんな会社が航空機を作るはいいが売れるのか?、というのは当初は結構聞かれたのですが、足元は完成するのかという部分に焦点が当たっており、話題になりません。

ただねー、ただでさえメーカー体質の会社が当初のマーケティングプランと環境が180度変わってしまって、本当にMRJ売れるのかなぁ、というのは客観的に見て心配になるところ。営業力と政治力駆使して航空機を世界で販売してきたボーイングとエアバス相手に、三菱重工が営業力で太刀打ちできるとは思えないんです・・・。確かに三菱重工は自衛隊の装備品沢山作ってますが、自衛隊に営業する必要は殆ど無い訳です。以前と異なり政府に紐づいた国営の航空会社全盛の時代ではなく、世界の空はLCCが主役の座を占めつつありますが、それにしたって営業力は必要。

昭和の時代に三菱重工が開発製造したYS-11は作ったはいいが売れずの状態で、結局名機と言われながらも日本の空を飛ぶ程度で(実は管理人1度だけYS-11乗りました、古い機体でしたが、マニアとしては感動しました)終わっています。三菱重工はYS-11の失敗を再び繰り返すことになるのでしょうか?

MRJの写真集として見ると初心者でも楽しめます、MRJはデザイン的に洗練されてるなー、と気付かされます

まとめ

実は三菱重工は経営的に曲がり角を迎えつつあって、MRJが大失敗すると、下手すると結構マズイ状態になりかねません。戦前から日本を代表する大メーカーの三菱重工ですが、時代の流れはそんな大企業にも及んでいるようで、感慨深いものがあります。

ちなみに三菱重工の人に会うと、弊社は約20年間売上が横ばいでして・・・、という話をよく聞くのですが、安定している一方で20年間分の焦りは相当なものがあると考えられます。

三菱重工の数字的な話はまたいずれ機会があれば取り上げるとして、若干航空機ファン入っている管理人としてはMRJ本当に売れるのか?、とボーイングのエンブラエル子会社のニュースを見て本気で心配になりました。

とはいえMRJもまずは完成しないと話になりません。今後のMRJがどうなって行くのか、興味深く見守りたいと思います。


・経済コラム的なライティング承っています(寄稿先にてヤフートピックスに4回掲載)
Webライター始めました

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