西京銀行とTATERUコンビに不正発覚、時代の節目に登場する西京銀行が印象的

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第二のスルガ銀行問題が登場か?急成長を遂げたアパート会社TATERU(旧インベスターズクラウド)で西京銀行向けの資料改ざんが発覚しました。

TATERUの成長をタッグを組んで支えてきた西京銀行ですが、資料改ざん問題の発覚をきっかけに、スルガ銀行のような方向に進んでしまうのでしょうか?

ライブドア銀行設立でもその名前が出てきた西京銀行、転換期を迎えるアパート市場を考える時、時代の節目の到来を感じざるを得ません。

TATERU(旧インベスターズクラウド)が顧客の西京銀行向けの融資資料を改ざん

スルガ銀行の不動産向け融資問題が炎上して、遂には頭取以下が辞任することになっていますが、不動産業界(というよりアパート業界)に新たな不祥事が発覚しました。

東証1部上場のTATERU(旧インベスターズクラウド:1435)で西京銀行に提出した顧客の融資資料を改ざんが発覚。

従業員が預金残高改ざん=アパート施工のTATERU-融資審査通りやすく(時事通信)

TATERUは資料改ざんの事実を素直に認めており、疑惑ではなく事実認定されています。23万円の預金残高資料が気付けば623万円になっており、TATERUで「6」の数字を付け加えて融資を依頼した西京銀行に提出していた、というお話。スルガ銀行で散々報じられた、融資資料の改ざんと同じ内容なので、分かりやすいです。

TATERUで出てきた融資資料改ざん問題、1件に留まるとは思えず、今後の展開に注目せざるをえません。

アパート会社として急成長を果たしたTATERU

TATERUとかインベスターズクラウドと聞いても、そんな会社知らない・・・、という方が殆どではないかと。ただアパート業界では急成長を遂げた会社として有名です。

直近の3期分の決算推移は下記。

2015年3月期 売上高215億円、経常利益19億円、当期純利益11億円
2016年3月期 売上高379億円、経常利益38億円、当期純利益24億円
2017年3月期 売上高670億円、経常利益59億円、当期純利益40億円

近年のアパートバブルに乗っかるような形で業績を急拡大。“アプリではじめるIoTアパート経営”をスローガンに、ITを全面的に押し出したスマートなアパート会社として事業を展開しています。

最近ではサッカー日本代表の本田選手をCMに起用した事でも知られています。

TATERUの本社は現在東京にありますが、実は創業の地は福岡市にあります。2006年度に福岡で創業し、2009年度に東京本部を開設。そして2014年度に本社を東京都港区に移転しています。

そしてTATERUの成長を金融面で支えたのが、今回セットで名前が出てきた西京銀行。福岡出身のTATERUは、山口県が本店の西京銀行とタッグを組んで東京に進出し、これまでの成長を果たす形となっています。検索すると分かりますが、TATERUでアパート建築の申し込みすると、セットで西京銀行が紹介されてきたようです。首都圏の方というより関西圏でも、西京銀行?どこそれ?、という状態ですが、TATERUの創業の地が福岡であるという点と山口の地理的背景知っていると、なるほど・・・、と思います。とは言っても第一地銀の山口銀行だと、同じようなことしないとは思いますが。

西京銀行は山口県周南市本社の未上場の第二地銀

西京銀行と聞いても、どこの銀行?、という方が殆どでは。実は西京銀行は未上場の第二地銀です。預金量は1.3兆円。

本社は山口県周南市。周南市は山口市の隣の市で、出光のデッカイ製油所があります。戦艦大和が沖縄特攻の際に最後に給油した地として知られています。

伝統的に山口県は九州との結びつきが強く、地元の第一地銀の山口銀行は北九州銀行を自前で設立してしまったくらい。福岡県、特に北九州地区は地元の福岡銀行と西日本シティ銀行に加え、北九州銀行が三つ巴の消耗戦が繰り広げられています。

西京銀行の立場としては、東側に広島銀行・西側に山口銀行という有力第一地銀に囲まれており、活路を外に求めざるを得ない状況です。

繋がりの深い山口と九州、そんな中で福岡出身のTATERUが山口の西京銀行とタッグを組んで東京に進出したというお話は、それほど違和感はありません。西京銀行は未上場ということもあり、身軽です。そして攻める銀行です。

西京銀行はリーマン・ショック前に積極的な資金運用として全国にその名が知られていましたし、ライブドア銀行の設立が計画された時(もう覚えていない人の方が多いかも?)、パートナーとして名前があがったのも西京銀行。

ライブドアショックのすぐ前の出来事でしたが、スルガ銀行問題を契機としてアパート業界が完全にシュリンクする中で西京銀行の名前が出てくるのは、一つの時代の転換点のような気がしてなりません。

ちなみに西京銀行は海外不動産担保ローンも積極的な銀行です。第二地銀が海外不動産への融資って、大丈夫なのか?、と思ってしまいますが、攻める西京銀行というスタンスはここにも表れています。

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TATERUの急成長はストップか?

アパート業界は既にスルガ銀ショックで融資が下りない状況になっているようですが、TATERUと西京銀行の間も今回の件が明るみとなり、西京銀行もTATERU向けといっても、厳正な融資審査を行わざるをえなくなります。

スルガ銀行を例にすれば、TATERUの資料改ざんも1件に留まる可能性は低いと考えられ、よって融資審査が厳しくなれば金の出るスピード感も落ちるため、TATERUはこれまでのような急成長を果たすことは難しくなる可能性が高いと言えます。

自社で物件を保有する訳ではなくTATERUを始めとするアパート会社は、不祥事があってもチョットやソットでどうなる会社ではありません。ただし流石に成長のスピード感という観点では、影響があると考えるのが普通です。

今後のTATERUの数字面での影響に注目せざるを得ません。


・TATERUの株価は4月の2,400円台を天井に一足先に下落中
「画像出典:マネックス証券/日本株取引ツール トレードステーション
※関連記事:マネックス証券のトレードステーション発表会に行ってきました

当期(2018年12月期)については不祥事があっても黒字で着地の見通しです。Q3に下方修正がありましたが、通期で減益ながら黒字の見込み。しかしながらQ3に入り物件の成約数が激減しており、成約件数の復活がないと来期は赤字転落の可能性があります。

関連記事:TATERUは来期(19/12期)赤字では?Q3の成約数が激減してる!

どこまで影響は広がる?今後の状況を注視

今の所は、TATERUが顧客の資料改ざんして西京銀行に提出していた、という1件の事実が明るみになったに過ぎません。

今回の一件、更にまた様々な事実や疑惑が登場して影響が広範囲に及ぶのか、これで終了してしまうのかは分かりません。

ただしスルガ銀行の事件を発端として、アパート投資の環境は一変しています。それまでが甘すぎた面がありますが、人口が減少している日本でアパート建ててどうするの?、という素朴な疑問が現実のモノになっただけとも言えます。

株でもFXでも仮想通貨でも不動産でも、投資は楽には儲かりませんぜ、という投資家にとっては当たり前の教訓を与えることになっている近年のアパート経営問題。TATERUの物件は入居率が高いようですが、それでも赤字経営を余儀なくされているオーナーも存在しているようです。

急成長を誇ったTATERUの業績、そしてタッグを組んで東京進出した西京銀行の行方、更にはアパート市場の行方等、TATERUと西京銀行の間の資料改ざん問題は、色々なテーマが存在しています。

ここで西京銀行の名前が出てくるところに時代の転換点を感じざるを得ませんが、今後の展開に注目したいと思います。

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2 件のコメント

    • コメントありがとうございます。

      TATERUの西京銀行への書類改ざんの件、一件ではすまないだろうなー、とは誰しも思う所です。スルガ銀行のように、殆ど案件で書類の偽造が発覚、となると大騒ぎとなりますが、程度のほどは調査待ちですね。

      今後とも当サイトをよろしくお願いいたします。

      管理人FiboCat

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