ジャパンディスプレイ(JDI)が有機EL開発のJOLEDを買収、革新機構は750億円を支援

 産業革新機構に資金支援を求めていたジャパンディスプレイ(JDI)が、有機ELディスプレイの開発技術を持つJOLEDを買収へ。そして合わせて産業革新機構がJDIに750億円を資金支援、と報じられています。

 12/13午前時点ではJDLは決まった事実はございません、といういつものパターンのIRが出ていますが、これでJDLの資金問題も解決?

 けど目先はこれで乗り越えたとしても、有機ELパネル事業の進出はとにかく金がかかります。750億円では全然足りません・・・。今後JDLがどのような方向に進んでいくのか、注目が集まります。

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日経新聞がJDIがJOLEDを子会社化+革新機構の750億円の資金支援を報じる

液晶パネル大手のジャパンディスプレイ(JDI)は13日、パナソニックとソニーの有機ELパネル事業を統合したJOLED(ジェイオーレッド)の子会社化を検討していると発表した。(日本経済新聞

 そして紙の日経新聞一面には以下に続きます。

(買収に)必要な資金は百数十億円になる見通し。~JDIは筆頭株主の産業革新機構から750億円の資金支援を受ける。

 既に過去何度かJDIが産業革新機構に資金支援を求めている、と報じられており、当サイトでも以前記事にしています。

関連記事:ジャパンディスプレイ(JDI)が倒産の危機?産業革新機構に支援要請へ

 ただし革新機構は建前としては、再生ビジネスはしない、と言うことになっており、資金的に厳しいJDIを支援する→再生事業じゃないか、となってしまうため、本音はもう勘弁してよ・・・、と思いつつも、とはいえJDI設立を主導し今も筆頭株主となっている手前無下にもできず現在に至っています。

 そんな状況下、液晶専業のJDIが将来性のある有機EL事業に進出する、という大義名分を付けて資金支援を行う、ということで検討が進んでいるようです。

 ただしJDIの有機EL事業の対応は、大口顧客のアップルが次世代のiPhoneは有機ELパネルを採用する、と宣言している手前、否応なく対応が迫られていた訳です。

関連記事:アイフォンに有機ELの採用決定、悩ましいジャパンディスプレイ(JDI)

JDIに対する資金支援と有機EL、ここをJOLEDを媒介にして繋いでしまおう、という絵を誰かが書いたんじゃないかな、と推察されます。

JOLEDは産業革新機構の子会社

 JOLEDは現在産業革新機構が75%のシェアを持つ子会社となっています。パナソニックとソニーの有機ELパネルの開発技術をまとめた会社となっています。元々JDIも有機ELパネル事業進出の際は、同社の技術を利用して生産を開始する、ということになっていました。

 既にJDIはJOLEDの15%株主となっていますが、JDIの資金支援を契機に革新機構から株を買い取り、50%以上のシェアとしてJOLEDを子会社とする模様。これで晴れて、JDIは有機ELパネルの技術を持つ(子会社ですが)会社となります。

 JDIはJOLEDの株の35%以上を買います訳ですが、その金額は百数十億円になる見通し、と報じられています。確かにパナソニックとソニーの技術資産を受け継いでおり、技術はある会社なんでしょうが、いかんせん開発会社でそれほど利益も出ているように思えないJOLEDの株の35%を百数十億円で買い取る、というのは高すぎるのではないかな、と思います。だってザックリ計算して、JOLEDの企業価値約400億円となります。売上・利益の詳細不明ですが、400億円の企業価値というのは・・・。
 まぁJDIと革新機構の当事者同士が納得している金額で、尚且つ売主の革新機構がJDIに資金支援をするので、外野は何も言えないのですが・・・。

課題は有機EL事業を行うには750億円では全然足りない所

 産業革新機構から750億円の資金支援を得られればJDIは足元受注も好調のようであり、当面どうにかやっていくことができます。しかしながら有機EL事業を行うとなれば、全くもって資金が足りません。

 韓国勢や中国勢が目下、有機EL事業に投資を開始していますが、桁が違います。

LG、スマホ用有機ELパネル設備新設 1900億円投資 (日本経済新聞)
有機ELパネル、中国勢が2兆円投資(日本経済新聞)

 そんな訳で、JDIが本気で有機EL製造ラインを立ち上げるとなると、少なくとももう1回は資金調達を実行する必要があります。それができないと、ライバルと戦えません・・・。確かにJOLEDの技術はプリンタのインクジェットのように有機EL減少を吹き付けることでコストを安く製造することができる、と言うことになっていますが、それにしても液晶も有機ELもパネル事業は今や完全に投資額が全てを決める時代になっており、ドーンと設備投資しなければ勝ち残りは困難。

 JDIは再度何らかの形で設備投資のための資金調達を行うことができるのだろうか?

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悩ましい立ち位置のJDI

 恐らく関係者一同は750億円の資金調達をしたところで、資金は足りない、ということは充分お分かりでしょう。けどそれ以上の資金調達能力がJDIにはないのだから、仕方がありません。

 そもそも日立・東芝・ソニーが、もうこれ以上設備投資は無理、として切り出して1つの会社にしたのがジャパンディスプレイ(JDL)。産業革新機構が支援+絵を描いて、IPOまでこぎつけたのは良いのですが、その後は株価も下がりっぱなしですし、IPO後すぐに業績の下方修正を出しています。

 簡単に言えば、日立・東芝・ソニーが設備投資に耐えられない、と判断して外に切り出している訳で、設備投資が莫大にかかってくるのは、JDLの成り立ちを考えれば、当然と言えば当然。
 ディスプレイ事業で一人頑張っていたシャープも最後は万歳して、現在は台湾・ホンハイの傘下入り。今後ディスプレイ事業を行うに当たり必要とされる莫大な設備投資はホンハイが持つ、ということに他なりません。そして実際に中国でホンハイは新たな液晶工場の設置をぶち上げています。

関連記事:ホンハイとシャープが中国に液晶工場を検討

 ビジネスとしてどうしても多額の資金を必要とするディスプレイ事業、JDLも仮に750億円を調達できたとして、事業を継続するのであれば否応なく次の資金調達は迫られるため、JDLとしても非常に悩ましい状態になっています。けどそれがディスプレイ事業に身を置く企業の宿命ではあります。


JDLも革新機構も悩ましい・・・

まとめ、革新機構は当面JDLにお付き合いする必要がありそう

 JDLの産みの親とも言える産業革新機構。まだ正式発表はありませんが、750億円の資金支援があったとしても、金のかかるディスプレイ事業を行っているJDLはいずれ再度の資金調達が必要となることが予想されます。よって簡単に革新機構はJDLからサヨナラすることはできません。
 
 しかしながら革新機構は15年と期間が定められた組織でもあります。2009年設立で15年なので、存続は2024年まで。あと8年の時間はありますが、いずれJDLは親離れする必要があります。

 設備投資に投資をし続けるひつようのあるディスプレイ業界、JDLはどこまでそのマラソンについていくことができるのか?750億円の革新機構の資金支援の実現性、そしてその先に必要とされる新たな資金調達の可能性に今後も注目したいと思います。

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